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明日だれかに話したくなる!?モーツァルト《トルコ行進曲》のアレンジ曲を知ろう!!

先日、『題名のない音楽会』にて反田恭平さんが演奏していた、モーツァルト作曲/ヴォロドス編曲《トルコ行進曲》。作曲も編曲も演奏も圧巻で、おどろき感動しながら聴いていました。
(その日の番組詳細はこちら)

それにインスピレーションを受け、今回はモーツァルトのトルコ行進曲とそのアレンジ曲2つ(ファジル・サイ、ヴォロドス)を紹介します。
これであなたもトルコ行進曲に詳しくなるかも?


まずは《トルコ行進曲》について

モーツァルト作曲の《トルコ行進曲》として親しまれているこの曲は、もともと、モーツァルト《ピアノソナタ 第11番》の第3楽章のこと。
作曲年は1783年説が有力で、当時のウィーンで人気があったトルコ軍の楽隊の音楽を取り入れて作られた曲です。
日本では「行進曲」として知られていますが、実は楽譜には"Alla Turca(トルコ風)"との記載のみで、「行進曲」とは書かれていないんですよ!!

この曲は耳なじみの良いメロディーと、独特のリズムがとても楽しい曲です!左手が刻む和音がリズムの中核をなしていますが、これがトルコ軍の軍隊の打楽器の音を模していると言われています。
メロディーがどんどん移り変わり、リズムも一定のようで一定ではなかったり、最後の方にはトランペットかな?と思うフレーズも出てきたり、と多彩で要素が移り変わり絡み合う、モーツァルトらしい音楽だと思います。

さて、楽曲解説みたいなのはここまでにして、作曲者や編曲者のご紹介に移りましょう。


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(1756~1791)

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Wikipedia: ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

言わずと知れた「モーツァルト」
多彩で耳なじみの良いメロディーをたっくさん作れた人で、
彼の曲は一つのメロディーをアレンジしていくよりも、数多くのメロディーをどんどん登場させて色鮮やかな曲を作り上げた人。

代表曲: 
ピアノ変奏曲《きらきら星変奏曲》
 1778年、モーツァルトが22歳の時に作曲された。リズムもメロディーもどんどん変わり、2つのメロディーが同時に演奏されたりもして、音楽が前に進む力がどんどん増して、最後までがあっという間に感じられる曲
 じつは正式名称は《フランスの歌「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲》

(曲が進むにつれ、徐々に弾くのが大変になっていく…。)

 ○オペラ《魔笛》
 1791年、35歳の時に作曲された、モーツァルトの最後のオペラ
あらすじをざっくりいうと、王子タミーノが、パミーナという夜の女王の娘に一目ぼれし、悪役に捕らわれていたパミーナを救出して、やんやあって最後にはパミーナと結ばれるって話。(詳しいあらすじはこちらがおすすめ)

 「夜の女王のアリア」っていう超凄い曲が含まれている。この曲は夜の女王が娘パミーナに宿敵ザラストロを殺すように命じている歌。(こわっ)


《レクイエム》
 彼の死の直前に書かれた曲。モーツァルト直筆としては未完に終わったが、モーツァルトの弟子が補筆して完成に導いた。だが、どこまでがモーツァルトの音楽どこからが弟子の音楽なのかが今でも議論されている。
 そもそも「レクイエム」とは、キリスト教のカトリック系での「死者のためのミサ(儀式)」で演奏される曲。ショパンの葬儀でも、ジョン・F・ケネディの追悼ミサでも演奏されたらしい。
 ヴェルディ、フォーレのレクイエムとともに「三大レクイエム」とも称され、「モツレク」と略されることもある。



ファジル・サイ
(1970~存命)

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ファジル・サイ 公式ホームページ> high quality photoのダウンロードより

トルコ出身のピアニスト。国際的ピアニストとして脚光を浴びたのは、1994年にYoung Concert Artists international competition in New Yorkで優勝してからだって(過去の優勝者はこちら)。
2006年にテレビ東京の『たけしの誰でもピカソ』って番組に出演していたり、アニメ映画『オオカミくんはピアニスト』の映画音楽を担当したり、日本でコンサートツアーをしたり、DVDを販売したりしていたので、知っている方も多いと思います。


 作曲もしていて、《ナーズム》や《イスタンブール交響曲》(日本初演の際のインタヴュー記事はこちら)なども作ったし、
トルコ行進曲のジャズアレンジだけでなく、パガニーニのジャズアレンジ(Youtubeはこちら)もしているよ!

(じつは、彼の公式HPには、彼のbibliographyがダウンロードできるんです。もっと彼自身を知りたい人はぜひこちらからお読みください!…英語だけど。)


では、まずは編曲されていない、モーツァルト《トルコ行進曲》ファジル・サイの演奏でお楽しみください。


さてさてお次は、「鬼才」とも呼ばれるファジル・サイの編曲した《トルコ行進曲》をお聴きください!




アルカーディ・ヴォロドス
(1972年~存命)

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Wikipedia: アルカーディ・ヴォロドス

ロシア出身のピアニスト
この方の紹介はヴォロドス演奏の映像とともに紹介していきます!

まずは、ホロヴィッツ《星条旗よ永遠なれStars and Stripes foever》をお聴きください
この曲は超絶技巧の曲として有名。この曲を弾けるだけあり、ヴォロドスは超絶技巧に定評がある方
どんなに細かい音も正確に華麗に弾きこなす、彼の演奏技術を体感してください。


凄いですよねぇ…感嘆の溜息が…ふぅ。

とはいえ、ヴォロドスの魅力は超絶技巧だけではありません
お次はシューベルト《ピアノ・ソナタ 第21番 D 960》の演奏をお楽しみください。
この曲は、シューベルトが31歳の時、奇しくも亡くなる2か月前に完成したピアノ・ソナタです。ロマン的情緒に溢れ、ゆったりと、でも崇高なまでに美しい曲です。

超絶技巧だけではない、たぐいまれな音楽性も兼ね備えたヴォロドスの演奏をお楽しみください。


最後になりましたが、アルカーディ・ヴォロドスの編曲した《トルコ行進曲》をお聴きください!
(ヴォロドスの演奏ではありませんが…)

この編曲は多くの人に演奏されています。なんとも魅力あふれる編曲で、思わず弾きたく、聴きたくなってしまうからでしょう。
右手と左手で違うメロディーを弾いていたりする箇所が多いので、その不思議と調和した二つのメロディーと、その箇所を演奏するのに必要な演奏技術の高さに驚いてください!

ではどうぞ!



さいごに…

いかがでしたでしょうか?
今回は紹介にとどめ、簡単なコラムとさせていただきました。

ぜひお時間のある時にお聴きいただき、モーツァルトの、ファジル・サイの、アルカーディ・ヴォロドスの魅力と凄さを体感していただければと思います。
(私はどちらも初めて聴いたときには、驚きと驚愕と驚嘆の限界を超えてしまい、ずっと笑っていました。)

お聴きになったみなさまは、どんな想いを抱くのでしょうか?



(トップ画像は、Wikipediaのモーツァルトページより、ヨーゼフ・ランゲ作『鍵盤に手を置くモーツァルト』をお借りしました。)


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