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映画「犬鳴村」考察と感想(ネタバレあり)

犬鳴村を見た。

呪怨やリングを手がけるホラー映画界隈で有名な清水崇監督の最新作だ。

<あらすじ>

都市伝説化している「犬鳴村」へカップルが突入したところから話は始まる。
カップルの身に起こるとある事件から不審死が続き、
自分の出生と関係があるのではないかと勘ぐった主人公の女(三吉彩花)が真相を探りに犬鳴村へ足を踏み入れる・・・・・・。

<犬鳴村にまつわるルール>

推察も入るが、映画「犬鳴村」にまつわる世界線でのルールは以下5つ。
1、午前2時に電話ボックスから鳴るベルに出ることで約80年前に存在した犬鳴村へタイムリープする。
2、犬鳴村の血筋と関係ない人は犬鳴村に意図的であろうが偶然であろうが足を踏み入れると呪われて死ぬ。
3、逆に、犬鳴村の血筋と関係ある人は足を踏み入れただけでは死なない。
4、犬鳴村の血を引くものはいつか「犬化」する(可能性が高い)
5、犬鳴村の血を引くものの中で霊感が強いものもいる。

すべての事象を説明するために極力個別性を排除すると、1〜5のルールではないかと思われる。

2の、血筋と関係ない人は死ぬ、に関してはカップルの女の方や、カップルの男の方が引き連れていた子分3人が犬鳴村に立ち入り後、すべからく溺死していたことから推測される。

問.じゃあなんで高齢の医師山野辺はあんな死に方をしたの?
答.おそらく山野辺は、カップルの女の方が死んだ後に何かを探るor確認ために犬鳴村に立ち入ったのではないかと考えられる。

3の、血筋と関係ある人は死なない、は、カップルの男の方が犬鳴村に立ち入ったものの無事故だったことから窺える。

問.じゃあ何で兄と弟はタイムリープした犬鳴村で捕らえられていたの?
答.犬鳴村の血を引くと同時に犬鳴村を滅ぼした家の血も引いているからではないか。

4の、犬化についてだが、主人公の母や、タイムリープした犬鳴村に存在した女性や、ラストシーンで主人公が犬化したことより推察できる。

問.病院に通っていた男の子の本当の母は何者?
答.「身寄りのないシングルマザーだった」というセリフがあったことや、息子の霊感が強いことより、犬鳴村出身の母親ではないかと思われる。

<感想>

ストーリーは要は「血筋ものであり微タイムリープもの」だったなあ。という印象。そんなに怖くもない。

恐怖を煽るホラー要素となる「音」の使い方は相変わらずさすがだが、
普通に実体のある亡霊出てきまくるし、展開も読めまくるので新鮮味に欠ける。
かといって上記の血筋、タイムリープといった要素も色濃くないので中途半端感は否めない。

じゃあ何がいいか?

三吉彩花の病的な美しさ(もともとの美しさとそれを増幅する撮り方)と
百武朋さんによる特殊スタイリストだ!

三吉彩花が主人公じゃなかったらこの映画は成り立っていなかったのではないかというレベルでの存在感を放っていた。
アップの描写が病的に美しく、恐怖を煽る。
微妙な表情の表現が秀逸である。

また犬鳴村の亡霊たちや、呪いによって死んでいく登場人物たちの特殊造形、メイクが最高だ。
百武朋さんという、ゴーストマスターやミスミソウも手がけている方だそうな。
リアルさが最高なのでそれだけで一見の価値ありだ。

その他にも、村を滅ぼした血筋に西村喜廣や高嶋政伸、
おじいちゃん役に石橋蓮司
ちょい役にジジ・ぶぅや竜のり子や安田ユウといったB級映画好きならばよく見たことのある顔ぶれも出ているので、そう言った部分だけでも楽しめたりする。

<次回作への期待>

霊感の強い患者の男の子が見据える先に犬化した(牙が剥き出た)三吉彩花が映って終わるので、

もし次回作をやるならば
狂った三吉彩花(その頃には犬鳴村の亡霊と化している)と
自分の血筋に奔走する男の子(そこの頃は成人しており、その役を千葉雄大あたりにやってもらいたいものだが)による
血みどろぐるぐるホラーにしてもらいたいものだ!!!!

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