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人材紹介コンサルタントは何のプロなのか?

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、人材業界で活躍されているコンサルタントの方より相談があり、その方のコンサル先であるクライアントに対して、研修の講師をして欲しいとの依頼がありました。
そのクライアントはいわゆる「建設テック」の領域でビジネスをしているベンチャー企業なのですが、この度、建設業界に特化した人材紹介事業を立ち上げることになり、そのメンバーに対して建設業界の勉強会をして欲しいとの内容でした。

当初は弊社が、人材紹介事業をメインにしている中でどこまでお役に立てるか不安もあったのですが、今まで私が長く担当してきた建設・不動産業界における人材紹介の知見がお役に立つのであればと考え、この話をお受けすることにしました。

今回の投稿ではこの事例をふまて、人材紹介コンサルタントは何のプロなのか?という点について考えていきたいと思います。


担当業界の勉強について

今回の勉強会では、限られた時間でしたが建設業界の全体像や企業の特徴、技術職などの専門職や資格などについてお話しさせていただきました。
一般的には、人材紹介コンサルタントが担当業界を理解する上で以下のような点を勉強していくのが普通です。

■担当業界についての勉強のポイント
・業界の全体像の把握(どの位の市場規模なのか?)
・どのような企業がプレイヤーとしているのか?
・ビジネスモデルの特徴は何か?
・業界の構造はどうなっているのか?
・専門用語についての理解(資格などがあればその資格の理解)
・お客様のお客様は誰か?
 

 

これらについてはもちろん業界本などの書籍やネットなどの情報である程度は勉強することもできますが、やはり一番いいのは実体験に基づいた経験者や会社の上司や先輩、あるいはお客様などから話を聞くことだと思います。

ただ、理解をしておかなければいけないのはこれらの業界知識や専門知識などは、身につけておくべき最低限の話(=お客様が言っていることが共通認識のもとに理解できる程度の話)であって、人材紹介コンサルタントとして活躍をしていくにあたってはこれだけでは全く不十分であるということです。

それでは人材紹介コンサルタントとして活躍をしていくためには更にどのような点を知っておく必要があるのでしょうか?

人材紹介コンサルタントは何のプロなのか?

それは一言で言えば、採用における労働市場の価値を正しく把握し、企業及び求職者に対して、適切なアドバイスを実施し、導いていくことです。

つまり、単なる業界知識や専門知識を保有しているだけでなく、採用における市場価値を踏まえて適切な人材の採用又は適切な企業への転職についてアドバイスができることが必要なのです。

このことを建設業界を例に見てみます。
例えば、建設業界で有名な資格に「一級建築士」と「二級建築士」があります。この一級と二級の違いは、設計できる建築物の規模の違いによります。 一級建築士は、設計できる建物の構造や規模の制限がなく、どのような建物でも設計することができます。一方、 二級建築士は、戸建て住宅の設計を想定した資格であり、設計できる建物の構造や規模に制限があります。

建設業界担当の人材紹介コンサルタントとしては、このような資格の意味を理解していることはもちろん重要ですが、それよりも大事なのはこの資格の違いによって実際には設計できる物件が違ってくる(オフィスなのか、商業施設なのか、工場なのか、ホテルなのか、住宅なのかなど)ということ、そしてそのことにより、転職できる企業群は実は限られるということ(例えば、住宅の設計からオフィスの設計で転職するのは難しいケースが多いのが実態。それは同じ「設計」の経験者でも上記のような特性からほとんど経験としては活かせないことが多いからです)などをしっかりと認識して求職者にアドバイスができるかどうかということが本質的に重要なのです。

建設業界担当の人材紹介コンサルタントは実際に一級建築士の資格を保有している必要はもちろんありません。実際にゼネコンなどの企業や建設現場で働く訳ではないからです。

但し、上記のように一級建築士の資格を持っている人はどのようなスキルを保有しているのかを理解し、それをどのような転職先であれば活かすことができるのか、そしてその場合の条件(年収やポジションなど)はどうなるのか、あるいはどういう企業へ転職していくことが可能なのかという点については明確に話せないといけないのです。

これこそが、採用における市場感(=マーケット感)を理解して適切なアドバイスをしていくことの例であり、まさに人材紹介コンサルタントはこの点においてプロでなければならないのです。

今回は求職者を例にしましたが、人材紹介コンサルタントは同様に企業に対してもこの採用の市場感に基づいて、組織戦略や採用戦略について、あるいは採用ターゲットの採用難易度について、そしてどうすれば採用できるのか?という点についてまで話せないといけないのです。

今回は冒頭に述べた経緯により、研修の講師という大変貴重な機会を頂き、クライアントの皆様へ建設業界の業界勉強会を実施させて頂きました。そんな中、単なる知識の習得ではなく、このような市場感にもどづく人材紹介コンサルタントとしての立ち位置についても学んでいただけたならこれ程嬉しいことはありません。今後のこの企業の更なる成長を応援しております。

転職・採用のご相談はお気軽に弊社までお問い合わせ下さい。


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