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先日、Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。

ある人事の仕事をしている方のツイートなのですが、最近の一番ビックリしたこととして「履歴書の顔写真がアバター」だったというのです。

これに対してすかさず私は、以下のようにリツイートしました。

昭和世代の私には全く想像もつかないことが起きているのだと感じました。転職をする企業に提出する履歴書には写真を貼付するのが当たり前だと思っていましたので平然とアバターの写真で履歴書を提出してくるということに私も本当にびっくりしました。
これらが当たり前になると今とは全く違った世界観の中で採用活動が行われるかもしれないですね。

今回の記事ではこの事例を踏まえて、転職市場における「履歴書の写真」問題について考えてみたいと思います。

履歴書に写真を貼るということ

従来から少し前まで履歴書に写真を貼るということは当たり前の事でした。例えば、新卒の採用において学生たちはこぞって綺麗に撮れる写真館などに殺到し、多少高い値段であってもそれを惜しみなく払いました。特に、女性はその傾向が強く、人によってはメイクなどにも高いお金を払った上で写真撮影に臨むということもある意味普通に見られる光景でした。

また、採用する企業側にとっても書類選考における履歴書の写真はとても重要な要素でした。ベテランの人事ともなれば、写真から読み取れる表情や笑顔、髪型、目力などからおおよそのその人のキャラクタータイプや性格、自信の有無等を推察することが可能です。そのため、例えば営業向きなのか、事務系や研究職などのオフィスワークに向くタイプなのか、という程度は数多くのレジュメを見てきた人事であればほぼ正確に見極めることが出来ます。

このことは中途採用においても同じで従来より営業系の職種や受付や秘書などの職種では特に履歴書の写真が重要な選考要素になるということも実際には数多くありました。

つまり、応募する求職者(新卒などの学生含む)と採用する企業の双方にとって履歴書の写真は選考要素として理解され、また実際に選考に使われてきたと言えるのです。

実際に少し古いデータですが「履歴書の証明写真は選考に影響」が約7割という調査結果もあります。

<出典:(株)マンダムによる上場企業新卒採用担当者に聞いた!就活生の身だしなみと態度に関する調査より>

写真からの第一印象重視の選考が変わる?

このように多かれ少なかれ、写真から受ける印象が選考に影響するということは今までは企業側、応募者側双方にとって暗黙の了解であり、現在においてもその点を重視した選考を行うケースが実際はほとんどです。
もちろん、どんな仕事をする上でも相手がいる以上、「印象」はとても重要なのでそれを考えればこのような観点で選考をしていくことはある意味当然であり、今後もその重要性は変わらないでしょう。

しかし、世の中がものすごいスピードで変化している現代において、こうした印象重視の選考は大きく変わろうとしています。また、変わらなければいろいろと問題になりかねないケースもあります。

今後の選考に影響を与える時代の変化

今後の選考の変化を見ていく上で考慮するべき大きな時代の流れを見ていきましょう。このような世の中の動きは当然、採用や選考プロセスに大きな影響を及ぼします。
今後の採用における考慮すべき大きな流れは二つあります。

1.ダイバーシティーの浸透(世の中の価値観の変化)
2.ITのテクノロジーの更なる進歩

 

まずはダイバーシティーの浸透による例としては昨年、厚労省が履歴書の男女の性別記入を必須から「任意」に変更したことが挙げられます。

https://jsite.mhlw.go.jp/shimane-roudoukyoku/content/contents/000874355.pdf

同時に「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の 扶養義務」の各欄も設けないことになりました。

また、最近は「ルッキズム(外見至上主義)」という言葉も注目されています。これはどちらかというとネガティブな意味合いで使われることが多いですが世の中の価値観の変化の一例と言えるでしょう。

このような傾向を踏まえれば、今後は当然、履歴書の写真欄についてもフォーマットから削除されるのも時間の問題かもしれません。世の中の価値観の変化に合わせて選考の基準やプロセスも変えていく必要があるのです。

次は、ITのテクノロジーの更なる進歩という流れです。例えば、コロナ禍において今や面接は対面で行うものではなく、ZoomやTeamsなどによるリモート上で選考を行うことが一般化しました。あるいは世の中がAI(人工知能)などのデジタル化がどんどん進んでくると求人と求職者のマッチンングが自動で行われたり、SNSなどを使っての採用が一般的になってくる等、世の中のIT化の進歩に伴って採用手法やエントリーの仕方も変化してくるのです。

以上のような二つの大きな流れのなかで、今回の事例のような履歴書にアバターの写真を添付するというような発想が生まれてきたのもある意味必然だったのかも知れません。

例えば今後はメタバースのような世界で採用セミナーが開催されたり、選考会が実施されたりするようなことも現実になってくる筈です。今回のケースはその先駆けと言えるでしょう。

価値観や経験、スキル重視の選考へ

それでは履歴書にアバターの写真が添付されてきたとしたらどの点を見て選考していけばいいのでしょうか?

私は今まで以上に「価値観」や「経験・スキル」という本来選考基準にすべき要素で見極めていくことがより重要になってくると思います。

つまり、写真などの見た目の印象やそれに伴う先入観を取り除いた中でその人を判断していくこと、これこそが本当に採用の場で行うべきことだと思います。
当然、求職者サイドもより価値観やスキル・経験がアピールできるような成果や実績、ストーリー等を持つことが求められます。

転職エージェントとして意識すること

当社、カタリストエージェントでは、この「先入観を排除する」ための情報提供を企業側に積極的に行い、本来のスキルや経験でジャッジをして頂くように企業へのサポートを継続していきます。

一方、求職者に対しては、履歴書や職務経歴書の書き方アドバイスを行なっています。こちらも同様に先入観を排除した中でその人が持っているスキルや経験がより浮き彫りになるアピールの仕方を提案させて頂きます。

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