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前回は転職の年代別の意識したいことというテーマの3回目として40代を扱いました。詳細は下記をご覧下さい。

今回はシリーズの最終回として、「50代の転職で意識したいこと」をお届けします。

くすぶるな50代

先日、日経ビジネスに「くすぶるな50代」という記事が掲載されました(202208.08号)。そこでは30代まで必死に働き、40代で管理職になり、50代には高給をもらいながら定年を待つ、という今までの典型的な「逃げ切りシステム」を心に描いていた50代が人生100年時代の到来でそれが突然機能しなくなり、戸惑っている姿が特集されていました。

一方で50代は、周りからは「働かないおじさん」とか出社しているはずなのに、姿が見えない「妖精さん」などと言われる散々な言われようで見られているようです。

しかし、人生100年時代であるならば50代はまさに折り返し地点です。そう考えればくすぶっていてもしょうがありません。

私も来年には50歳になりますが、ほぼ同世代としての50代のキャリアについて今回は考えていきたいと思います。

50代の転職市場はどうなっているのか?

厚生労働省の令和2年の調査では、50代の転職成功率はほかの年代と比べて最も低く、男女ともに約4~7%台という結果が出ています。

年齢階級別転職入職率(令和2年(2020))

こちらを見てもお分かりのように50代の転職はやはり簡単ではありません。

50代の転職が難しい理由

50代での転職が難しい理由については一般的には以下のようなことが考えられます。

<50代の転職が難しい理由>
■定年に近い年齢である
・令和3年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、65歳までの雇用確保が義務化(70歳までの就業確保は努力義務)されたとは言え、現実には60歳を超えた場合は大きく役割や就業条件が変わる場合がほとんどです。そう考えると採用してもそう遠くない将来に定年になってしまう50代を採用するのはリスクと考える企業が多いのが実情です。

■若い世代に比べてコストがかかる
・当然、経験豊富な50代は若手に比べれば給与が高いことが多く、人件費が高くなりがちです。

◾️年下の先輩や上司との人間関係が心配
・50代ともなると転職先企業でも年齢的には上の方になります。そのため、配属先の先輩や上司が年下というケースが普通となってきます。また、これまでにキャリアを積んできたことの自信からプライドが高いということも多く職場の人間関係が心配という声もとても多いです。

■年齢による体力の低下や健康が心配
・50代はどうしても加齢による体力の低下などは否めません。仕事にもよりますが、この点を考慮されたら難しいケースも出てきます。

 

50代の転職で意識したいこと

以上を踏まえて50代の転職においてはどのような点を意識したらいいのでしょうか?

■企業が50代に求めていることを理解する
・企業は年相応のそれなりの高い人件費をかけるだけの価値があるのかという点、加えて定年退職までの限られた短い期間でそれに見合った活躍をしていただけるのかという点を慎重に見極めています。このことは他の年代以上に企業にとって「即戦力かつ+αの経験」が必要なことを意味しています。

■柔軟性や謙虚さを持っているか?
・企業は50代の転職希望者について「プライドの高さ」を懸念している傾向があります。多くの50代は今まで様々な経験をしてある程度の収入やポジションを獲得している人が多いので逆にそのことが「年齢相応の収入・ポジションはもらって当然」と思っているプライドの高さを生む原因となっています。転職先の企業はあらゆる点で今までとは全く違うということを認識しておくことが大事で、それを受け入れていく柔軟性や謙虚さを持っているかどうかがポイントになってきます。

◾️選択肢を広げる
・50代での転職を成功させていくには今までの価値観に拘りすぎずに新たな選択肢を検討していくことが必要です。例えば以下のようなケースです。

「正社員ではなくて、契約社員や非正規社員という形態での仕事」
「大手企業ではなく中小企業やベンチャー企業で働く」
「場合によっては転職ではなく、起業や独立も視野に入れる」

※転職とは少しずれますが、50代では今までの経験を活かして起業や独立を検討するのも良いタイミングです。(私も49歳で起業しました)
※人生100年時代と考えれば50歳はまだ折り返し地点に過ぎず、その意味でどんどんチャレンジするのも悪くないと思いますし、実際に失敗しても十分に取り返せるタイミングでもあります。

 

一番、大事なのはくすぶらないこと

以上のような意識したいことについて多くの50代の方は分かっていることだと思います。ただ一番の問題は、「分かっているけど行動できない」ことではないでしょうか?

それにはいろいろな理由があると思います。家族の状況、親の状況(50代は親の介護という切実な問題が顕在化する年齢でもあります)、収入の問題、本人のプライド等・・・。

ただし、一番根が深いのは50代になるとこのような問題を前に心が疲れてしまったり、気持ちが萎えてしまったり、今更変化するのも面倒臭いみたいな心境になってしまうことだと思います。

これからの人生100年時代において、50代はまだ折り返し地点です。「生涯現役」への分岐点とも言える年齢です。

そう考えると、気持ちを前向きに持ち、チャレンジがまだまだ可能だということを認識すること、50代にもいろんな可能性や選択肢があるということを知ることがとても重要なことだと思います。

周りや環境のせいにしないで行動してみること。
「くすぶらない」で再度、自分の今後の人生を見つめてみることです。

心をつなぎ、人と企業の未来をつくる

弊社、カタリストエージェントでは、「心をつなぎ、人と企業の未来をつくる」を経営のミッションにしています。

今まで述べてきたような50代の方の「心」を理解して、未来を築いていくお手伝いをしていきたいと考えております。転職におけるアドバイスはもちろん、場合によっては起業や副業などについても情報提供をさせて頂きます。

是非、今後のキャリアを考えたい50代の方がいらっしゃれば、お気軽に弊社までご相談下さい。


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