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ひろゆき、女性アスリートを「元男性」と誹謗中傷。他にも「生物学的 “男”(トランス女)が出場した」と誤情報を流す人たちが相次ぐ

女子ボクシングのイマネ・ケリフ(イマネ・ヘリフ)選手が2024年のパリ・オリンピックでは出場が認められたことは、大きな女性差別およびトランスフォビアな反応を招いたことは、以下の記事でも整理しています。

日本でも誤情報が大量に拡散しており、ネット上に誹謗中傷が溢れています。

Xでは「ひろゆき」の愛称で活動する西村博之氏が「元男性が、女子オリンピックボクシングに参加。元男性の余裕勝ち」「女性の大会に元男性を参加させるのは、女性の機会を奪う」と投稿し、7000RP(RT)以上も拡散。1600万回以上も大量に閲覧されています。西村博之氏は過去にもトランスジェンダーなどに関する誤った情報を拡散しています。

また、話題に便乗するように元足立区議会議員の松丸まこと氏も「生物学的 “男”(トランス女)が出場し、イタリアの女性選手が試合開始後わずか1分で試合棄権。アンフェアすぎる。この事実を見てトランスジェンダーのわがままを理解しろというのか」などと投稿し、こちらは1万RP(RT)、1200万回以上も閲覧されています。

正しくは、イマネ・ケリフ(イマネ・ヘリフ)選手はトランスジェンダーではなく、テストステロンというホルモンの値が高く検出されただけです。生まれつき女性の人物です。なので上記のネット上の投稿は完全に間違っています。

一般的に、女性にも男性ホルモンと呼ばれているテストステロンは存在し、健康上欠かせないものとなっています。このテストステロンの値が高い女性も存在します。値が高くなる理由はさまざまです。

テストステロンの値の高さが運動能力に有利に働くという話もまことしやかに語られていますが、これも科学的には正確ではありません。テストステロンと筋力や運動能力の関係性は単純ではなく、実際はもっと複雑です。

いずれにせよ、スポーツで良い結果を手にした女性アスリートに対して「あいつは男だ」という陰湿なレッテルは今後もネット上で多く観察されそうですが、それらは紛れもなく女性差別にほかなりません。

第3者が勝手な推測を根拠に他人の身体的な性別を間接的に探ろうとし、例えば女性を「本当は男性だ」「トランスジェンダーだ」と誤って断定する行為は「トランスベスティゲーション(トランスヴェスティゲーション)」と呼ばれており、陰謀論のひとつとして流行っています。注意が必要です。

参考となるウェブサイト


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