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イマネ・ケリフのオリンピック参加は「トランスジェンダーの問題ではない」とIOCは語る。日本でも「性別不詳」「男」などの誹謗中傷相次ぐ

以前に国際ボクシング協会(IBA)の性別検査に合格しなかったアルジェリアのイマネ・ケリフ(イマネ・ヘリフ)選手が2024年のパリ・オリンピックでは出場が認められたことは、大きな女性差別およびトランスフォビアな反応を招きました。

ケリフ選手は8月1日にイタリアのアンジェラ・カリニ選手を破ったことで、さらに誹謗中傷が激増しています。

情報が錯綜していますが、国際オリンピック委員会(IOC)の情報によると、ケリフ選手は以前はニューデリーでテストステロン値検査に不合格となり失格となったとのこと。当時、このペアが世界選手権から失格となった理由についての詳しい情報は明らかにされていませんでした。

IOCのスポークスマンのマーク・アダムス氏は8月1日にこの論争について再度言及し、ケリフ選手はオリンピックの出場資格規則を遵守していると改めて述べ、彼らの参加はトランスジェンダーの問題とは一切関係がないことを明らかにしました。

繰り返しますが、イマネ・ケリフ選手はトランスジェンダーではありません。

しかし、とくに反トランスジェンダーな立場に立つ人たちの間で、イマネ・ケリフ選手に対する誤った情報の拡散が止まりません。その中にはケリフ選手を「男性」であると勝手に決めつけるものが多々あります。

日本のメディアもイマネ・ケリフ選手を「性別不詳」と誤ったレッテルを貼るなど、デマを助長している状況です。実際、イマネ・ケリフ選手は生まれてからずっと女性として生きてきました。

一般的に、女性にも男性ホルモンであるテストステロンは存在し、稀にその値が高い女性もいます。

ケリフ選手に関する一連の非難に対し、ケリフ選手の属するアルジェリアのオリンピック委員会は「自国のボクサーに対する非倫理的な攻撃と中傷を強く非難する」と述べ、彼女に対する攻撃は「極めて不当」だと述べました。

参考となるウェブサイト

参考となる書籍

  • 『スポーツとLGBTQ+』(晃洋書房) 岡田桂 (著), 山口理恵子 (著), 稲葉佳奈子 (著). 2022. 


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