『人間臨終図巻』
『もし人自分の死ぬ年齢を知っていたら、大半の人間の生きようは一変するだろう。従って社会の様相も一変するだろう。そして歴史そのものが一変するだろう』—山田風太郎
『甲賀忍法帖』や『伊賀忍法帖』で有名な山田風太郎の作品です。
小説ではなく、タイトルが示す通り、歴史に名を残した人物の死を切り取った作品です。
年齢順に、著名人の死が語られます。
ほんの半ページ、数ページ。
有り体に言えば、ただ、何歳で誰がどのように死んだと、ごくごく簡略に綴った本です。
しかし、なぜか読んでしまう。
文学作品と違って、味読するような本ではありませんが、惹きつけられる名著です。
生と死は隣りあわせだからこそ、関心を示すのでしょうか。
私は今、対処療法しかない病に侵されていますが、
たとえ一歩でも一日前進することが大事だと思っています。
この本を読むことは、私にとって、ときに自分の足どりを確かめてみることに他なりません。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?