町田カシオ

me 'n you being bored. 民 謡 備 忘

町田カシオ

me 'n you being bored. 民 謡 備 忘

マガジン

最近の記事

FW8886

FESTIVAL OF JAPANESE MUSIC IN HAWAII VOL.2 (ハワイ) (LP FOLKWAYS FW8886 1964) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ 1962年6月22日、ハワイはホノルルの日本人商工會議所文化會館で執り行われ「特に白人が賞翫」したという第二回「日本音樂祭り」なるフェスの模様を収録。主催したジェーカブ・ヒューアリング氏は国際音樂のピアニストとのことで、他にも同Folkways Recordsにハワイ固有のフラやチャント

    • FE4534C/D

      TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN - PART TWO: WEST JAPAN (西日本) (LP FOLKWAYS FE4534C/D 1961) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ 長野のキラー"須原ばねそ"などの採譜によって民謡ディグでも名を馳せ、現代の民レコ好きにはテイチクの10"+ブック・シリーズ『日本民謡集』の監修でも知られる音楽評論家、服部竜太郎コレクションによる61年日本民謡集。 元々『Part One: East Jap

      • FE4356

        TRADITIONAL FOLK DANCES OF JAPAN (全国) (LP FOLKWAYS FE4356 1959) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ そういえばとあるところでアンビエンスについて考える機会を得たのでうってつけの一枚を。 出自も肩書も不明というところからしてそもそも民謡的なMary L. Evans女史が録音した日本各地の盆踊。ほとんどの録音が音頭取りから遠く、民謡として聴くには肝心の声が朧気、という余りにロウなフィールド・レコーディング集

        • FE4429

          FOLK MUSIC OF JAPAN (岡山) (LP FOLKWAYS FE4429 1952) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ ガイジン視点のインクレディブリー・ストレンジ・ミュージック決定盤といっていい本作。日頃名誉白人ぶって英米及び第三国の音楽を聴取している我々に、「辺境」とは、「モンド」・ミュージックとは何かという当たり前の前提を今一度考えさせるきっかけになるかもしれません。 カナダ生まれの人類学者Edward Norbeckが1950年から51年にか

        マガジン

        • DJ向け
          23本
        • リスニング向け
          26本
        • 地元の名手
          24本
        • 保存会
          15本
        • プロの芸
          13本

        記事

          SC-602

          B: 紅花摘唄 - 大塚ほみ (山形) (7" ソーラスマーキュリー SC-602) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★ セーラームーンっぽい語感の謎レーベルSOLARS MERCURYは、非常にマイナーな女のブルース歌謡を連発したマーキュリーの子会社。 リアル民謡ロリータ・ポップスな大塚ほみちゃんは山形のフーミンこと大塚文雄の娘かと勘繰りますがどうなんでしょうか。 溌剌としているようでいて子供ですらちょっと無理した高音を絞り出す"紅花摘唄"はもう少しでぶっといファズ

          ER-1099

          A: 信濃追分 - 小川誠一郎 (長野) (FLEXI 東芝 K.K.笹岡商店 委託制作盤 ER-1099) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 文字通りすべての追分の分岐点となった"信濃追分"こと追分馬子唄の、三味線尺八を伴わない元唄再現レコード。片面ソノシートです。 唄う小川誠一郎は、文豪もこぞって利用した追分宿の宿屋、油屋の主人。かつて実際に酒席で弾き唄っていた飯盛女おのぶから伝授された本物なわけですが、芸妓の三下りとなったその唄を再び馬方のものとして野に

          PLS-7314-NP

          A: 最上川舟唄 - 後藤清治 (山形) B: 左沢音頭 - 海谷清子 (山形) (7" コロムビア 委託制作盤 PLS-7314-NP 1981) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★ 柳田國男以下、折口信夫、田辺尚雄、中山晋平、藤井清水、町田嘉章など錚々たる顔ぶれが加わった 1940年代の民謡再評価チーム=東北民謡試聴団が「ヴォルガの舟唄以上だ」と評したという勘違い伝説のせいで、地元では「世界三大舟唄の一つとさえ数えられる」と誇る世紀のハイブリッド創作民謡"最上川

          3ERS-370

          B: 南部牛追唄 / 外山節 - 山崎隆雄 / 吉田信子 (岩手) (7" 東芝 委託制作盤 3ERS-370) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★ 国土緑化推進委員会制定による謎の一枚。子供と歌うA面の"育て 森よ"は永遠の大スター坂本九史上もっとも知られていない一曲かもしれません。同じジャケットでB面が「マスゲーム”グリン グリン グリーン”」の盤もありそもそもの制作意図がよくわかりませんが、こちらのB面には2曲の民謡をコンパイル。 "南部木挽唄"を得意としていた

          KW-9016

          A: 秋田音頭 / 生保内節 - 進藤義雄 / 浅野テル子 (秋田) B: 港の唄 / 飴売節 - 田中アヱ子 / 浅野和子 (秋田) (7" クラウン 民謡お国めぐり KW-9016 1975) レア度:☆☆ 内容 :★★★ 秋田市土崎出身の劇作家、金子洋文が1966年に作詞作曲した新民謡"港の唄"を改めて聞くと素晴らしい完成度。江差追分にも組み込まれた平戸のエンヤラヤや船漕ぎ音頭のような北海道からの影響をころころとした秋田民謡風に仕上げています。 小野花子と並ぶ

          SAS-6485

          A: 津軽山唄 - 稲田定身 (青森) B: 謙良節 - 稲田定身 (青森) (7" コロムビア SAS-6485 1972) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★ のちのオリエント盤と同曲別内容の一枚、こちらは御大菊池淡水の竹。 本作でも稲田定身の声は録音バランスを壊すギリギリまで突き抜けますが、淡水があくまで寄り添うような脇役に徹しており、本来の民謡としては正しいはずなのですが全体としてはパッとしない仕上がりに。 写真を見ると稲田定身もまだずっと若いですね。同じ曲を

          ORH-3007

          A: 津軽山唄 - 稲田定身 (青森) B: 津軽謙良節 - 稲田定身 (青森) (7" オリエント ORH-3007) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 津軽以外にはコロムビアの相馬委託盤にも顔を見せる稲田定身がどこの民謡家なのかわかりませんが、飽きの来やすい竹ものにしては非常に聴ける一枚。菊池淡水門下の泉谷淡竹と謎の男 前川孝州の伸びるように回る2本の尺八の中を、すっきりとした雑味を伴った柔らかい喉が高く突き抜ける名演です。 新宿区歌舞伎町に構えられ現在も

          TP-1124

          A: 沖揚音頭 (ソーラン節) - 二代目浜田喜一 (北海道) B: かまえ節 - 二代目浜田喜一 (青森) (7" 東芝 TP-1124) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★ よくあるソーラン節とは一味違い、現地漁師風の若衆の掛け合い再現による長いアカペラ・イントロから始まる正統組曲形式の"沖揚音頭"。 とはいえそんなアカペラから一息つく間も無くいきなりラテン・バンドのドカンとアッパーな演奏に突入する ストレンジすぎるアレンジが施された謎の一曲となっています。 この

          VHY-1004

          B: 小諸馬子唄 - 瀧原邦雄 (長野) (7" ヴォックス VHY-1004) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★ NY拠点のクラシック専門バジェット・レーベルVox Recordsや南雲一廣のヴォックス音楽吟詠会と関連があるのかはわかりませんが奇しくもちょうどその中間という仕上がりの本作を残したのは、民謡レコード的には非常に珍しいマイナー・レーベル、ヴォックスレコード株式会社。 NHK全国コンクール長野県代表として民謡部門にて優勝しデビューへと至った瀧原邦雄の

          MBR-2001

          A: 日本民謡合唱曲 第一集 (福知山音頭 / こきりこ節 / 岳の新太郎さん / 草津湯もみ唄 / ちゃっきり節 / 串本節) (全国) B: 日本民謡合唱曲 第一集 (キンキラキン / よさこい節 / 関の五本松 / 秩父音頭 / 大森甚句 / 花笠踊り) (全国) (7" 民族芸能文化連盟 MBR-2001 1975) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★ 民謡を合唱で という試みは意外と多く残されていますが、これはその最たるものではないかと。行儀のよい西洋発声で威風

          KHS-509~10

          八千代市民俗音楽シリーズ5 念仏・題目 (千葉) (2CD 東芝 八千代市文化財総合調査団 委託制作盤 KHS-509~10 1991) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 80年代からバブル崩壊まで栄華を誇った埼玉県立民俗文化センターによるレコード事業「埼玉の民俗音楽」シリーズで中心的役割を担った斉藤修平氏が、活躍の場を千葉県八千代市に移して取り組んだ「八千代市民俗音楽」シリーズ。第4弾まではレコードでしたが、最終作となったこちらの5ではCDにフォーマットを変え

          KHS-010

          埼玉の民俗音楽 念仏シリーズ その2 川寺の双盤念仏 (埼玉) (LP 東芝 埼玉県立民俗文化センター 委託制作盤 KHS-010 1986) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 埼玉のOcoraと勝手に称される埼玉県立民俗文化センターによる非売品シリーズからの一枚。大太鼓と双盤鉦を打ち鳴らしながら南無阿弥陀仏を唱える飯能市川寺の真言宗智山派能満山大光寺の双盤念仏。京都を発祥とし鎌倉から浅草を経由、やがて埼玉県西部に漏れ落ちたメディテーション・ミュージックの一種で