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ER-1099

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A: 信濃追分 - 小川誠一郎 (長野)
(FLEXI 東芝 K.K.笹岡商店 委託制作盤 ER-1099)

レア度:☆☆☆☆☆
内容 :★★★★★

文字通りすべての追分の分岐点となった"信濃追分"こと追分馬子唄の、三味線尺八を伴わない元唄再現レコード。片面ソノシートです。

唄う小川誠一郎は、文豪もこぞって利用した追分宿の宿屋、油屋の主人。かつて実際に酒席で弾き唄っていた飯盛女おのぶから伝授された本物なわけですが、芸妓の三下りとなったその唄を再び馬方のものとして野に解き放ったその功績は 洗練と硬直の一途を辿る民謡界にあっては非常に稀有。

ある時点で時を止め変化を止めた保存会ともまた違い、伝播の流れに逆らうかのような変容を土地の人間自らが引き起こした珍しい事例です。馬に付いた鈴の音と馬の足音の擬音に乗ってじっくりとさっぱりと唸られるこぶしは非常に説得力を持って響きます。

ちなみに岩村田の簾田じょうのものとは別物で、その辺りのことはこちらに詳しいのでぜひ。


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