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ER-1099

A: 信濃追分 - 小川誠一郎 (長野) (FLEXI 東芝 K.K.笹岡商店 委託制作盤 ER-1099) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 文字通りすべての追分の分岐点となった"信濃追分"こと追分馬子唄の、三味線尺八を伴わない元唄再現レコード。片面ソノシートです。 唄う小川誠一郎は、文豪もこぞって利用した追分宿の宿屋、油屋の主人。かつて実際に酒席で弾き唄っていた飯盛女おのぶから伝授された本物なわけですが、芸妓の三下りとなったその唄を再び馬方のものとして野に

NL-2064

A: 江州音頭 (湖国自慢 / 千両幟) - 桜川梅勇 / 桜川百合子 (滋賀) B: 江州音頭 (出世角力・山の娘) - 桜川梅勇 (滋賀) (LP テイチク NL-2064 1963) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★★ 今や久保田麻琴リミックスでも再評価された近江ダンス決定版LP。江州音頭のアルバムの良いところは、ある程度の長さまで口説を収録してくれるところ。それでも物語のすべては収まりきっていませんが、八木節をはじめほとんどの盆唄系レコードが外題のさわりだけで終

KW-8024

A: 八戸小唄 / 南部大黒舞 - 河原木知佐子 (青森) B: 南部馬方三下り / 南部盆唄なにゃとやら - 関下十五 / 上野まつの (青森) (7" クラウン 民謡お国めぐり KW-8024 1972) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ ここでしか聞けないヴァージョンが入っていることも多いクラウンの名シリーズより、南部民謡ベスト盤といって良い4曲入りコンパクト盤。とりわけ上野まつのの"南部盆唄なにゃとやら"は、シンプルな太鼓とあたりがねのループにばばあのプライマ

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A: 八丈島:民謡集/第一集 (八丈ショメ節 / 流れ) - 太田大丈夫 (東京) B: 八丈島:民謡集/第一集 (太鼓ばやし) - 太田大丈夫 (東京) (FLEXI TANIGUCHI PC. CO., LTD. -) レア度:☆☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 人と文化が流れ着く、流刑の地であるとともに民謡吹き溜まりの地でもあった八丈島、の民謡集第一集。ちなみに第二集は今のところ見たことがありません。 さんこ節等各種の唄の元になった古い節も含んだ流れ唄の宝庫、絶え

EB-5076

A: 磯ぶし - 秀の家秀子 (茨城) B: 大洗甚句 - 磯の家磯次 (茨城) (7" キング EB-5076) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★★★ 大洗芸者最後の唄い手と称される秀の家秀子の"磯ぶし"。ひたすら揺れていられる〽てやてやのスロウ・グルーヴはけっしてメロウにはならないSoo Slow To Discoなさっぱりとしたお座敷踊り感覚を湛えています。 A面で太鼓を叩いた磯の家磯次の"大洗甚句"は、磯節中興の祖 関根安中も好んだ磯節の双子の生き別れ。どちら

43-59 (56-38)

A: 郡上節 (かわさき / 三百 / げんげんばらばら) - 坪井三郎 / 古井戸道夫 / 坪井三郎 (岐阜) B: 郡上節 (春駒 / ヤッチク / ねこの子) - 坪井三郎・古井戸道夫 / 坪井三郎 / 枡田耕三 (岐阜) (7" テイチク 43-59 (56-38) 1965) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★★ 日本中の盆オドラーに大人気の大箱ダンス・フロア、郡上おどりの魅力をとりあえず理解できるコンパクト盤。レジェンドによる名演傑作が続きますが、中でも他では

UGD-2002

A: 三重の民謡その2 (尾鷲節) - 兆柳会民謡社中 (三重) B: 三重の民謡その2 (桑名の殿様・鈴鹿馬子唄) - 兆柳会民謡社中 (三重) (7" SANKO RECORDS UGD-2002) レア度:☆☆☆☆ 内容 :★★★★★ 廉価盤『三重の民謡』2枚(その1・その2)を再構成した海女ジャケの人気盤の、その2。一時は万超えも見かけましたが、海女の乳首がセクシーに透けているところがエロ・ジャケとしてマニアにウケているらしいです。 ドカドカとしたフォーキー

VS-920

A: 新潟甚句 - 鈴木節美 (新潟) B: 新潟おけさ - 鈴木節美 (新潟) (7" ビクター VS-920 1963) レア度:☆☆ 内容 :★★★★ のち越後追分保存会会長や新潟県民謡協会会長も務めた新潟民謡のパイオニア、鈴木節美の"新潟甚句"。地の保存会民謡とステージの協会民謡をシームレスに繋いだ柔軟で先進的な人材が地方にも沢山いた時代は一体どこで唐突に終わりを告げたのか。 鈴木節美自身のゆるく軽やかな発声も悪くないですが、ここではやはり樽。かつて酒や醤油

BS 5678

A: デカンショ節 - 三橋美智也 (兵庫) B: 江州音頭 (富士の夜嵐) - 真鍮家文子 (滋賀) (7" キング 民謡をたずねて BS 5678 1970) レア度:☆ 内容 :★★★★ もっとも簡単に手に入る部類としてはレベルの高い"江州音頭"。糸が連なるように紡がれる三味線に、ゴロゴロと転がる太鼓、桜川から派生した真鍮家を名乗る文子による語りとそれを支える真鍮家好延・桔梗家雲月による囃子がハレとケのステージの合間をラフにデロレンと行き来する名演です。

MV-2014

A: 米沢音頭 - 峰岸とし子 (山形) B: 米沢盆唄 - 佐藤洲美江 (山形) (7" ビクター MV-2014 1978) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ この一曲でしか見たことのない正体不明のセクステット、佐藤社中によるまさしくワイルド&キラーなクラブ・ヒット"米沢盆唄"。 こちらはカップリングを変えよく出回っている70年代の再発盤で、オリジナル盤はアーリー60sの社歌マニアにはおなじみのビクター自主系委託盤規格シリーズからの一枚、PRB-4025。なぜ1

FK-565

A: 貝がら節 - 浜沢長三郎 (鳥取) B: しげさ節 - 福浦くに子 (島根) (7" コロムビア 民謡お国めぐり150曲選 FK-565 1982) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ 鳥取のHowlin' Wolfこと浜沢長三郎。昭和30年代当時すでにお座敷唄と化していた"貝殻節"を"元唄貝殻節"と称して再び漁師調の唄にと尽力した民謡リヴァイヴァリストです。石でも飲んで潰したようなダミ声で吠えるイントロの〽ヤンサノエエェですでにノックアウト。はやし詞の〽イヤッや

CWC-1020

A: 網のし唄 - 伊藤律子 (茨城) B: げんたか節 - 福田佑子 (茨城) (7" クラウン CWC-1020) レア度:☆☆☆ 内容 :★★★★★ 茨城の磯節中興のレジェンド谷井法童の設立した磯節保存会が誇る若きフロント・ウーマン2者によるダブル・サイダー。とりわけ谷井法童自身が重い太鼓をぶっ放す福田佑子の"げんたか節"はDJクラシックとなりました。ちなみに鉦の谷井仁は谷井法童の息子であり福田佑子の夫でもあります。そしてくふきが電子化したのもこのヴァージョン。

AMM-27

A: 八木節 / 武蔵野麦打唄 - 我妻桃也 / 大庭海記 千束郷土民謡保存会 (栃木・群馬 / 東京) B: 秩父音頭 - 吉岡儀作 (埼玉) (7" コロムビア 日本民謡集 AMM-27) レア度:☆☆ 内容 :★★★★★ 吉岡儀作の"秩父音頭"はもちろんなのですが、ここで聞くべきは千束に残された"武蔵野麦打唄"。都内はもちろん武蔵野一帯に広がる、関東平野を代表する一曲です。大庭海記の力と気の抜けた唄い回しも最高ですが、〽ハッ、〽ホイッ、〽ハァーーイの掛け声がビー

SA-576

A: 秋田おばこ - 酒井千恵子 (秋田) B: 秋田音頭 - 黒沢三一 (秋田) (7" コロムビア SA-576) レア度:☆ 内容 :★★★★ 民謡レコード聴取を進めるにあたって避けては通れない必修科目、黒沢三一の"秋田音頭"。労作唄や作業唄、座興唄や遊び唄としての単なる土地の唄から離れ、いわゆる「民謡」を「民謡」として(土地の人間自身が)意識的に唄い出した最初期の例のひとつです。 おらほの唄を聞かせよう、という自我の芽生え。それによって残った唄、そして残され