センバツ 丹生vs広島商 見どころ
第94回選抜高校野球
大会5日目 第3試合
丹生(福井)vs広島商(広島)
この春2度目の福井vs広島の対決
21世紀枠の初出場が名門に挑む
丹生、広島商とも昨夏は県大会序盤で敗戦したものの、旧チームのメンバーが多く残った世代としてスタートした。
丹生は2019年に玉村(現 広島)を擁して県大会決勝まで進出。その代の活躍を見て入部してきたのが今年の3年生であり、見事センバツの切符を手に入れた。
広島商は言わずと知れた名門校。創部は明治32年という歴史ある野球部である。秋は県大会では広陵を破ったが中国大会決勝では完敗、悔しい結果となったが中国2枠目として選出された。
投手力
丹生は2年生のサウスポーエース井上が軸となる。身長170cmと投手としては小柄だがMAX140キロの速球を武器にした強気のピッチングが持ち味だ。ただ少し与四死球が多くどうしても球数が増えてしまうのが気がかりである。
秋はほぼ井上がマウンドを守ったが、練習試合では登板している投手も多い。
懸念されるのは秋5試合で12失策の守備面か。
冬を越えてどこまで改善されているかに注目したい。
広島商の秋はエースというエースが不在の中、公式戦を計8人の投手でやりくりして勝ち進んだ。エースナンパーは昨夏のメンバーである神野が背負ったが思うような結果が出ず、コントロールの良い栗栖、長身で球威のある右腕保川らが好投を見せた。
よってセンバツでも誰が登板するのか現段階では読めないと言って良いだろう。
伝統の堅守は健在で内野陣の安定感は丹生を上回ると見る。
打力
丹生は秋に出場のなかった来田が出場するかに注目したい。来田が本来の4番に戻れるようであれば打線は力強さを増すだろう。長打は1試合平均2本とやや物足りないチームにあって主軸を打てる力のある打者が欲しいところだ。
秋は課題として1試合平均7個という三振の多さと四死球の少なさが目についた。ボール球に手を出すと広島商投手陣の術中にはまる事になるだけに、ぜひ改善して臨みたいところである。
広島商は1試合平均8点という活発な打線を武器に勝ち進んだ。
しかし決して長打が多いわけではなく短打とバントで繋いでいくのが特徴である。中でも田丸、八幡、植松の1、2、3番はミートのうまさが光る好打者が並ぶ。
またビッグイニングを多く作ってきたのも特色
だ。これは広島商のつなぎの野球を最も表しているデータであると言えるだろう。
見どころ
打力ではやや広島商が上回る。
ただ中国大会決勝で広陵投手陣に翻弄されたように、ストレートの伸びとキレのある変化球を操る投手が相手になると苦戦する可能性も否めない。
丹生のエース井上は非常に詰まらせるのが得意な投手なだけに、ボール球の見極めが出来るかが大きなカギになりそうだ。
丹生は秋に敦賀気比とも終盤まで接戦を演じており、全国レベルも肌で感じていると言えるだろう。それだけに守備から崩れる展開だけは避けたいところだ。
戦力的に広島商が優位に立つが、守備が乱れなければ丹生にも勝機は十分にあるとみる。
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