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実生活と結びつきのある学びとは

熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。

先日から書いているPISA2022調査の結果を見て、日本の数学的リテラシーに関する課題の一つに数学と実生活の結びつきが薄いことがあると書きました。
幼少期から小学校の中学年くらいにかけては、具体的なものを用いた数・量の計算・計測などが取り扱われていて実生活の中の数学(算数)を学べるのですが、学年が上がるにつれ抽象概念の取り扱いが増え、なかなか数学と実生活が結びつくのは難しくなってしまいます。しかも、おおよその中学生は高校受験のために数学を勉強していると思いますので、どうしても本質的な意味を理解しないまま、また社会の中での数学の役割などを考えぬまま、ひたすら公式を覚え、問題をこなすという触れ方しかしないのではないでしょうか(無論私もそういう中学生でした。)

では、どのようにして実生活と数学を結び付けたらよいのでしょうか。
ヒントは海外・マレーシアの授業にありました。

わたしが良く聞いているインターネットラジオVoicyでマレーシアの子育て・教育などについて発信していらっしゃるのもきょうさん。こちらのチャンネルではマレーシアの学校(といっても様々な形式があるのですが)での学びについて多くの知見を得ることができます。

彼女によれば、先進的な教育の思想はプラグマティズム(実際主義)に基づいているのだそう。ただ数学を教えるのではなく、例えば株式投資を教えて、投資シミュレーションをし、その中で数学に触れる、世界情勢について触れる。そのような実際的なことを子どもに教える授業を展開する先生が多いということです。(リンクのチャプター2より)

これ、めちゃめちゃ実生活との結びつきですよね。というか実生活の中に数学を見出す行為に近いのかなと思います。そして1つの題材で数学だけでなく、他の教科の学びへと派生させていく統合的な学びです。
学校では教科という名で便宜的に物事を分けていますが、現実社会というのは1つの物事にもあらゆる角度の事象が絡みついています。教科学習の中で実生活へ結び付けていくというよりは、生活上の事柄を具体的に取り出して、教科学習のメガネをかけてみる方がぐっと取り組みやすく、生活の中で学びを得られる人間に育つと思うのです。

はらっぱ探究室では1つの事柄を様々な角度から見つめるということをとても大切にしています。とくにグループクラスのぼうけんクラスでは、1つのテーマを2か月かけて3~4つくらいの視点でじっくり学んでいきます。例えば「見る」というテーマですと錯視(生物機能)、光(物理現象)、アート(心理・芸術)のワークショップを通して、人間の「見る」ということはどういうことなのかを紐解いていきます。

生活の中に学びの視点が増えると子どもたちの「なぜ?」「しりたい!」という気持ちがもっともっと加速していきます。そうなるともう生きてるだけで学びを得られる「自律した学習者」になれたも同然です。生活の中から学びを見出せる子になれると、学校での教科学習もよりぐっと身近に感じ、きっと勉強が楽しくなるでしょう!

はらっぱ探究室ではそのお手伝いをすべく、毎回工夫を凝らした授業を行っております!一緒に学びの視点を増やしてくれる子どもたちを募集中です!お申し込みはこちらから!



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