ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第12わ「同窓」
(承前)
うずくまる女性が恐る恐る顔を上げる。やはり見知った顔だった。
同じクラスの佐々木さんだ。佐々木さき。よく見るとコートの下に学校の制服を着ている。きっと塾の帰りに人間狩りに襲われたのだな。
「え、ええ?たたた、高遠くん……?さっきの青い人はどうしたの!?」
イエ~ス。マイネームイズ、タカトー。さっきの青い人は死滅した。相棒が責任を持って殺処分したぞ。
「相棒?その人は、その……大丈夫な人なの?」
大丈夫ではないし、人じゃない、と正直に言えば彼女は困るだろう。どう説明すればいいんだ。さっきから相棒は臭いモノでも嗅がされたような顔をしている。マンハントを撃破したときの上機嫌は何処へ行った?
「ごめん、腰が抜けちゃって立てないかも。助けてくれるかな?」
イエス、オフコース!佐々木さんに手を差し出した。繋いだ手は痛いほど冷たい。その瞳は今夜の月の色。その口に我が相棒と同じような犬歯。恐ろしい力で体を引っ張られる。
(続く)
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