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ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第90わ「魔王(エルケーニヒ)」

(承前)

ハントマンを喰うハントマンは消え失せた。俺も相棒も五体満足だ。これにて戦闘終了、いや強制イベントは終了といったところだろう。だが。

「……」

相棒は膝を抱えて震えて座り込んだままだ。おい、嵐は過ぎ去ったぞ……と言いたいところだが、未だに事態は収束していないらしい。

「見えないんですか、貴方には」

相棒が指し示す方向に目を凝らす。俺には何も見えない。左目を閉じて右目に意識を集中する。俺の新しい右目が……虚空に浮かぶ……眼球を捕捉する。……何だ、こいつ?

「偉大なるハントマンが……今回の❝ゲーム❞では負けたハントマンをその場で食い殺す、と言っています。我々もニンゲンと同じです。脱落すれば❝次のゲーム❞には挑めません

相棒は泣き止まない。どうやって立ち直らせようかと悩んでいるところに携帯電話にメッセージが届いた。ゲームマスターからの通信だ。

「ルール変更おめでとう。これで君は、死ぬときも一人じゃなくなるよ」

(続く)

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