ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第91わ「長い前置き」
これで俺も死ぬときは一人じゃなくなる?……くだらない。死んだ後には何もあるまい。つまりゼロだ。だから何があっても生き残らなきゃ嘘だ。
「勇ましいプレイヤーは大歓迎さ。頑張って❝ゲーム❞を盛り上げてほしい。もっとも……今回はハントマンの皆も死に物狂いだからね」
そして俺の相棒は勇ましくも死に物狂いにもなれずに体育座りで泣き続けている。そろそろ立ち直れよ。吸血鬼の貴族なんだろ?と言いかけて、思いとどまった。その貴族が家畜と見下す人間と同じ立場……負ければ死ぬ……に貶められたのなれば、その苦痛は察するに余りある。被食者が捕食者の心配をするというのも奇妙な話であるが。
「いえ、❝ゲーム❞の中では私は、ひっく。最強の三ツ星ハントマンですから。万全な状態で正面からぶつかれば、ひっく、百戦百勝する自信はありますとも。ただ、ダンナは如何にも性格が戦いに向いてないというか……私の足を引っ張ってくださりそうで……」
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