ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第85わ「結審」
相棒が俺の前に躍り出て、いつかのように鮮やかな飛び蹴りを披露してくれた。しかし❝三ツ星❞と❝四ツ星❞の間には埋められない実力差がある筈だが。
「!!」
ゲームマスターの反応が遅れた。というか、我に返ったように見えた。相棒は構わず空中キックからの着地そして四段、いや五段蹴りを繰り出すと何やら大声で叫び出した。……俺の知らない言語。表情の見えない表情。
「―――!いけない、私としたことが」
態勢を立て直したゲームマスターが服を叩いて埃を落とす。一触即発。このまま戦いに巻き込まれれば俺は死ぬだろう。だが、反撃は来ない。
「邪魔したね、進行役は大人しく二人の活躍を見守ることにしようか」
軽い笑顔で、ぱたぱたと俺に手を振ると瞬く間にゲームマスターは姿を消していた。……瞬間移動。とんでもない能力である。
「ああ、良かった。上位者の名前を出したら大人しく引き下がってくれました」
上位者?……まだまだ上に誰かいるのか!?
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