ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第86わ「永遠の日蝕」

(承前)

「❝四ツ星❞の上には❝五ツ星❞の方々がおられます。と言っても、私のような❝三ツ星❞の立場ではお顔とお名前が一致するのは、ただ一人ですが……」

そうか。さっき相棒が口にした言葉は、更なる高位ハントマンの名前だったということか。何だか発音するのに難儀しそうな名前だったが。

「ギャーッ!!ダメ!!その名をみだりに口にしてはいけません!!」

相棒が酷い顔と声で制止するので思わず飛び上がってしまった。

「❝五ツ星❞の方々はまさしく頂点に君臨するハントマン!貴族ならぬ王族!ハントマンを食べるハントマンなのです!一度、名前を呼ぶだけでも相当のリスクだったんですよ!?二度目を口にしようものなら……!」

部屋の空気が変質する。何者かの視線と息遣いを感じる。❝わたしはここにいる❞と主張しているかのような強い気配。いつの間にか部屋が薄暗い。相棒の白い顔が青くなる。そして部屋にわだかまる❝気配❞が俺の背後に収束しつつある。

(続く)

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