見出し画像

「汚い資料」を作らないために

「正直言うと、資料がちょっと汚いんだよね」

私は、PLのその一言にハッとした。思えば、スライド作成の研修でそこそこ良い評価を得て自惚れていたのかもしれない。

先日、コンサルタントになって最も悔しい思いをしたので、記録しようと思う。

-----------------------------------------------------------------------------
コンサルの成果物としてのパワーポイントにおいて、各スライドは伝えたいメッセージとそれを支えるエビデンスにより構成されている。私が見落としていたのは、それらの「適切な対応関係」であった。

適切な配色のオブジェクトが整列された、一見それっぽいスライドを作ったとしても、情報が効率的に伝わらなければ無駄が生じる。パワポを主たるアウトプットとして顧客の課題解決を支援するコンサルタントにとって、スライドにおける無駄は致命的だ。私は、エビデンスとメッセージが過不足なく対応している資料を作ることができず、結果として情報の伝達にロスが生じていたのである。

中でも、PLから注意を受けたポイントは以下に集約される。

【メッセージ】
・事実、示唆、主張の適切な使い分け(いわゆる雲雨傘)

【エビデンス】
・言葉の定義を明確に(複数の意味にとれたり一般的でない言葉について)
・適切な図表選択、視線の動きに合わせたオブジェクト配置(左→右)
・メッセージに沿ってデータを整形(データの開始年・軸範囲など)

個人的に難しいと感じるのは、エビデンスからのメッセージ抽出だ。中計策定プロジェクトでは先方に事業動向予測などのインプットを行うことが多く、メッセージは「事実」が中心となる。事実の記述においてはポジションを取りづらい分、最適なメッセージを書くのが難しい。解決策としては、顧客の事業領域及び展開戦略を正しく認識し、「先方が知りたいことは何か」を想像することだろう。

資料作成は、コンサルタントとして基本中の基本。同じ指摘を二度と受けないことを意識しつつ、精進を続けたい。


この記事が参加している募集

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?