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ドクターズショッピング
「あーあ。ママのせいだよ」
わたしが多忙過ぎて,子どもの学用品を買い忘れた時,よく言われる。
あまりに雑多な日常なので,1つのことを済ませたら,次に動くだけでなく,同時作業をしないと,回らない。
よって,よくこういう漏れが出る。
キャパオーバーなのだから,仕方ない。
わたしのせいだ。
いや,そうだろうか。
ドクターズショッピング」という言葉をご存じだろうか。
精神医療を関わる中で出会う言葉で,あちこちのドクター(医師)を渡り歩く,クライエント(患者)という意味だ。
もちろん,いい意味ではない。
あっちのドクターがいいかも?いいや,こっちのドクターがいいかも?
なんて,まるでショッピングをしているかのように,次々とドクターを渡り歩くさまを言う。
患者さんの中には,そうやって,あっちこっちのドクターの診察を受けて,SNSで書き込んでいるから,ドクターたちは「また,書かれた」なんて,ボヤいていたっけ。
ドクターだけでなく,カウンセリングを渡り歩く人ももちろんいる。
それは,臨床の現場だけでなくて,いわゆるポップ心理学(民間のカウンセラー)でも,同じだ。
カウンセリングだけじゃなくて,いわゆる「本当のわたしはここにいない」前提で「自分探し」をしている人も同じ。
カウンセラーショッピング,占い師ショッピング,スピリチュアルショッピング。
「自分」なんて,外に探しに出かけても,外にはいない。
自分の投げたボールを打ち返してくれる,「相手」は外にいるから,誤解しちゃうけど。
自分との対話こそ,自分探しの帰着点。
自分と仲良くして,繋がっていない人が外に求めたところで,繋がれはしないだろう。
渡り歩く中で,ピタッとくる相手に,運良く出会えたら奇跡だ。
だけど,そんなものは幻想で,「分かり合えない」ことがベースにしておかないと,あっと言う間に,「くれない族」になる。
相手がやってくれない。
こうしてくれない。
あいつのせいだ。
「ママのせいだよ」
そう言えるのは,内面の未熟さが許される子どもだけ。
社会心理学では,ものごとの原因を求める行為を「原因帰属」と呼ぶ。
相手に求めすぎることは,ものごとの原因を外に求めること。
幸せの青い鳥は,案外,自分のマインド次第で,すぐに見つかる。
あちこちふらふら,よそのショップでショッピングしてないで,自分という立派なショップと懇意にしておけばよい。
自分が一番のお得意様になればいい。
やり方がわからなければ、どうぞ、カシマールのセッションにいらしてください。
一緒に見つけて行きましょう。
論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。