さよなら鷗外荘
明日、2021年10月15日、東京・上野のお山にある、明治の大文豪、森鴎外ゆかりの鷗外温泉(水月ホテル鷗外荘※1)が78年の幕を閉じる。
わたしは、一昨日、初めて訪れたのだけど、昭和18年(1943年)創業の歴史のあるお宿。
森鷗外といえば、明治政府の医官として、ドイツに留学して、ほぼ自伝の「舞姫」を書いたとされる。
「舞姫」は教科書に載ってたから、読んだけど、ヒドイ話過ぎてドン引きしたことしか、覚えていない。
同じ哀しみの物語ならば、それより、「高瀬舟」の方がよくて、泣けた。
高瀬舟って、京都らへんに流れている高瀬川にある刑場へ向かう舟のこと。
兄弟愛に胸を熱くした高校生のわたしって、なんかピュアだわ。
というより、鷗外の文才が素晴らしいからなんだけど。
森鷗外というと、明治の大文豪過ぎてビビると思うけど、実はすごく読みやすい。
夏目漱石もそうなのだけど、平明にして簡潔、無駄のない文章なのに、じわじわと心を打つ。
もうね、100回以上、読んでも変わらない、クオリティなんですわ。
安寿と厨子王が出てくる「山椒大夫」なんて、胸アツだし、「寒山拾得」はクスッと笑える。
1番好きなのは、「じいさんばあさん」という物語で、主人公のじいさん「伊織」に焦がれ、子どもが生まれたら、「伊織」と名づけようと強く思った。
でも、そんなことも忘れて、全然、別の名前にしたけど、伊織という名前にときめいていた。
というのも、わたしは、髷物(まげもの)、そう、時代劇も大好きな子どもだった。
なので、「大岡越前」に出てくる、主人公大岡越前役の加藤剛も好きだが、越前の親友の医者役の竹脇無我にときめく子どもだった。
その竹脇無我の演じる町医者の名前が「伊織」だった。
全くもってどうでもいい話。
だけど、森鷗外の「じいさんばあさん」は、とにかく好きだ。
だから、森鷗外が最初に結婚した妻の持家だった、「鷗外荘」がクローズドになる前に、なんとしても、訪れたかった。
ちなみに、耽美派エッセイストの森茉莉は、森鷗外の2番目の妻しげ、との子ども。
森茉莉のような、「バタ」をたっぷりつけていただく「ブリヤサバラン」な毒舌ばあさんになりたいなぁと、高校生の時、思っていた。
闊達に毒を吐くことほど、高尚なことはないと思う。
さてさて、また、横道にそれた。
さて、鷗外荘には、天然温泉がある。
古生代の地層から、湧き出す黒湯は、ぬるっとしていた。
まるで、台湾のおやつ、オウギョウチィみたいな、暗褐色のお湯は、お肌がつるぴかになる。
温泉は貸切だったので、少しぬるめのお湯に浸かって、汗を出し、存分にデトックスができた。
おっと、鴎外温泉のことだけで、字数が尽きそう。
いかん、いかん。
あなたを「舞姫」を執筆した、鷗外荘にご案内しなくては。
つくばいの先がお玄関。
髭のおじさんが鴎外。
鷗外や幸田露伴たちが立つ庭がそのまま、目の前にある、不思議。
元文学少女には、垂涎もの。
らんぷが灯る床の間。
美しい。
ぼにょぼにょに歪んでいるガラスは、手吹きガラス。
ここに、文豪がいたんだわ!
欄間の意匠にほれぼれする。
維持費が毎月2千万円するそうで、移築するにも5億円がかかるために、クローズドとなったそう。
移築のためのクラファンでは1千万円集まったそうですが、それでも足りない(※2)
もー、重要文化財にならんのかね?
文化文学って、実学じゃないから、1番先に切られる。
「研究者の中で、われわれが1番先に切られるんですよ」
指導教授が言ってたけど、本当だ。
でも、元来、実用的な実学よりも、フィロソフィー、リベラルアーツ(教養)の方が、国際的な研究の世界では、上だ。
明治政府は、一段低く見られていた実学を国際ルールをガン無視して、世界初の工学部を大学生に作った。
文系理系に教科を分けているのは、日本くらいなのだ。
森鷗外は、実学(医学)と文学の両方を自在に行き来する、天才だと思う。
あやかりたくて、思わず、大黒様の頭をつるりとなでた。
※1 鷗外荘
※2 https://readyfor.jp/projects/ohgai
◆わたしが配信している公式LINE
https://lin.ee/ru3UkrL
🎁期間限定プレゼントしています
🌟「炎上メンタリストDの5つの功罪ファイル」
読みなれている人なら10分程度で読める8000文字テキスト(400字原稿用紙約30枚相当)を無料プレゼントしています。
公式LINEから受け取って下さい。
✅「女35歳からの不安を力に変える方法」を配信中
https://lin.ee/ru3UkrL
👆公式LINEに繋がります👆
🎁「2大無料プレゼント実施中」
①「炎上メンタリストDの5つの功罪ファイル」
②「30分で能力を3倍爆上げ科学的手帳術セミナー動画」
1️⃣正しい手帳の選び方 2️⃣正しい手帳の使い方
論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。