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無償の愛なんて使い古された言葉を言わないで

「うーちゃんのプールの帽子のワッペン,明日までに縫っておいてよ。とれそうだよ」

夫が言った。

そんなこと,わたしに言うなら,自分でやれよ。

と,思う。

あまりにムカついたので,やんわり言い返したら,

「自分は刺繍してるじゃん。同じでしょ」と,言われた。

「刺繍とワッペンの針仕事は違うの。刺繍はわたしの息抜きなの。ワッペン縫いなんて好きじゃない」

「習ってない」

「ウソ。家庭科で習ったはずだよ。男女共修になって,男の子でも女の子でも,家庭科と技術は習うことになってたよ」

日本の家庭科教育が男女共修になったのは平成元年だし,わたしと夫は同い年なんだし,習ってるんだってば。

それに,わたしたちがまだ結婚していない頃,こうも,夫は言っていた。

「家庭科の先生になぜか気に入られて,自分で作品を出してもないのに,家庭科の成績は5だったよ」

はぁ?何それ。えこひいきじゃん。それやったら,ダメじゃん。だから,こんな「ツカエナイ男子」ができるんだよ。

「家庭科習っているじゃん。できないんじゃなくて,やろうとしていないだけだよ」

そう言うと,黙ってしまった。クソ。腹が立つ。

なんで,女性だからといって,針仕事を引き受けなければならないのか。

なんで,女性だからといって,ご飯を作らなければならないのか。

社会学では,性別によって,家庭内の家事役割が違うことを「家庭内の性役割分業」という。

日本の場合,この性役割分業が及ぼしく,違う文化だ。

そもそも,男女の家事負担の時間が男性に比べて女性が恐ろしく長いのも,日本の特徴なのだ。

こういう論理で言い返すところを「かわいくない子だね」と,母親に言われて来たけど,親になってみて,確かにそうだと思う。

「別に。あたし,顔かわいいもん」

と,言い返して,さらに怒られたけど,親子関係なんて,とてもシビアなものだと思う。

とくに同性は,キビシイ。わたしも,子どもにシビアに言われるようになるのだろう。因果応報だな。

妻10割って?ナニゴト?

さて,わたしだけの妄想としないために,データを引っ張ってきたのだけど,恐ろしいものを発見してしまった。

小学生以下(未就学児)のいる家庭で,妻10割夫0割が18.4%(40代)って?

妻9割夫1割と合わせると,50%近くにもなる。

内閣府の平成21年度のデータだから10年以上前の古いものとはいえ,なんか泣ける。

なにがワークライフバランスだよ。バランス悪すぎるだろ。

「3歳児神話」をバッサリぶったぎったのも,厚生労働白書だったし,やっぱり,公官庁の調査報告は,秀逸なものが多い。

だけど,こういうエビデンス(証拠)って,なんかスルーされるというか,数字でみようとしないというか,グラフや数字の読み取りが及ぼしく苦手という圧をすごく感じる。

数字や記号って,抽象的で具体的にイメージしにくいからだと思うけど,数って世界共通の「言語」だから,数字でものごとを読み解いたり,説明したりするって,大事な要素だと思うんだけどな。

ひろゆき氏も本に書いていたけど(言わずもがなだけど,論破王と呼ばれた西村ゆろゆき氏),心理学を学んでよかったことの1つは,統計学のセンスだ。


ひろゆき氏は,中央大学の心理学科を卒業したけれど,心理学の授業は本を読むばかりで面白くなかったと書いていた。

そりゃそうでしょ,学部だもん。心理学実験は,倫理的なことがあるから,学部生にはさせないし,やったとしても,学生間だ。後は,マウスやラット,ハトの動物実験だ。

文献研究があって,仮説を立てて,実験をして証明する流れなので,本を読んで先行研究を知らないと無理だし。

はっ。論破王にものを申してしまったわ。

家庭科教育の話を戻すと,高校生向けのこの本が面白い。

高校の英語の先生から家庭科の先生に転科した男性教諭の本なのだけど,男女の性差に関係なく,家庭科の必要性を説いてくれる。

もうね,これ,ホント大事なのよ。

「ママね,男だから,女だからって関係なく,家のこと,家事っていうんだけど,お料理したり,お洗濯したり,ぬいものしたりって,できて当たり前だと思うの。自分で自分のことができるように,ママは育てているの」

そばで,親の会話を聞いてる子どもに言った。

ちょっと,興味をもってそうだ。よし,もう一声。

「ほら,家庭科でなみ縫い習ったでしょ。お裁縫セット,買ったじゃない。担任の先生だって,ミシン使ってるって,保護者面談でおっしゃってたよ」

「ママだってね,小学校5年生になったら,自分でゼッケンつけなさいって,お母さんに言われたよ。だから,下手でも自分で縫った」

「そんなの上手くできないよ」

「上手い下手じゃないの。練習すればいいだけだよ」

学校で習ったとしても,結局は,親が子どもにどう教育するか,家庭の力にかかっていると思う。

ジェンダーとか,SDGsとか,横文字で,わけわかんなくごちゃごちゃするんじゃなくて,シンプルに自分のことは自分でできるように育てるのが「自立」だと思う。

そして,自分で最低限できるけれど,その時間を別のことに当てたいなら,機械ですればいいし,機械でできないなら,お金を払って,アウトソーシング(外注)すればいい。

誰かが一方的に押し付けられたり,無償の愛という,うすっぺらいラベリングでごまかされる,シャドウワーク(報われない無償労働)なんて,なくなればいい。

女性社会学者のイリイチ(1982)が「シャドウワーク」を出した,ウーマンリブの時代から,40年経つけれど,どれくらい社会のフレームは変わったのかなぁ。

令和4年目の新年に思う。

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