管理職になるのが不安なあなたへ。管理職は苦労するけど楽しいよ!
私の会社では近々管理職登用試験が行われる。
私の部下でも試験を受ける子がいるので、昇格試験の小論文を添削していたりする。
今回はこれから管理職になる私の部下や後輩に向けての記事。
私は管理職になって間もない人間なのだが、失敗したことなんて山ほどある。
みんなの目からは上手くいっているように映ったかもしれないが、それはもう失敗の連続だったし、どうしたら上手くいくのか毎日毎日考えていた。
そんな管理職ひよっこの私が伝えられることなんて限られているが、その限られたことを記事にしたい。
そして、この記事がこれから管理職になる人たちの参考になればこれほどうれしいことはない。
※この記事は6000字を超えます。興味のない人はここで「スキ」して離脱いただいて大丈夫です(笑)
でも1番最後の猫の写真は見て欲しいです!🐈
本を読み漁った。訳が分からなくなった。
私は管理職になる前もなった後も、マネジメントやチームビルディング、コーチングなど管理職に必要な知識が書いてある本を読み漁った。
多くのジャンルの本を読んだので「管理職に必要なこと」が膨大になり過ぎてよく分からなくなった。
厳しい管理が必要と書く本もあれば、厳しい管理はマイクロマネジメントと言われマイナスになると書かれている本もあった。
部下とのコミュニケーションが必要と書く本もあれば、上司は威厳が必要なのでコミュニケーションは最小限にすべきと書かれている本もあった。
本当に何が何だか分からない。
管理職を目指すあなたもこれから本を読むだろう。
その時に大切なことは自分の経験だ。
それは部下としての経験したことだ。
これまであなたが関わった上司はたくさんいると思う。
その上司たちの立ち振る舞いの中で、部下としての自分のモチベーションが上がったり、逆に下がったりした経験があると思う。
その経験と本の情報を照らし合わせると、管理職として大きくずれることは無い。
(あなたの感性が歪み過ぎていたらその時はその時。そんな人は試験に受からないから大丈夫。)
いつも機嫌よくいること
私は管理職としていつも機嫌良くいることをなにより大切にしてきた。
私が部下としていつも機嫌の良い上司の元で働けた時期は、パフォーマンスが最大限に上がったからだ。
考えてみると機嫌良くいるためには、機嫌が悪くなる要素を排除する必要がある。
私の場合、機嫌が悪くなるのはこんな時だ。
これからひとつずつ簡単に説明しよう。
①妻とケンカした
最近は全くないのだが以前は妻とケンカすることがあった。
といっても私が一方的に怒られるだけなのでケンカとして成立していないのかもしれないが…。
そんな時はメンタルが不安定になる。
仕事をしていても家庭のことが気になるのだ。
家庭のことを仕事に持ち込むな!なんてよく言われるが、私はそんなに器用な人間ではない。
ではどうするのか?
そもそも家庭を円満な状態にすることが先決なのだ。
家庭が円満であれば仕事中に家庭のことを気にすることもない。
ここでひとつの大切な教訓が得られる。
自分の一番身近な人間関係(私の場合は家族)が大切なのだ。
一番身近な人間関係が円満 → 会社の人間関係が円満 → 取引先の人間関係が円満
この順番が何より大切だ。
この順番を一足飛びにやろうと思っても不器用な私には難しかった。
②業務量が多すぎて気持ちに余裕がない
管理職になりたての頃はあれもこれもと仕事を頑張る人が多い。
私もそうだった。
これまでプレイヤーとして仕事で結果を出してきた人が管理職になるのでこれはしょうがない気がする。
でもこれはやめた方がいい。
管理職と一般職ではそもそも職責が異なる。
管理職が一番意識すべきこと、それはチームの成果の最大化だ。
チームの成果を最大化するために自分がプレイヤーとしてやらなければならないときもあるだろう。
でも、もう少し引いた目で見た方がいい。
私の周りのベテラン管理職もプレイヤー止まりの人間は多い。
プレイヤー止まりは特に考えなくていいから正直ラクだ。
だってこれまでの延長線上で仕事をしたらいいのだから。
しかも、部下たちからは「管理職なのに私たちの仕事までやってくれる!」なんて褒めてもらえるだろう。
でも立ち止まって考えてほしい。
プレイヤーとしてやっているだけなら管理職になる必要なんてない。
一般的には管理職になると給料が上がる。
私はいつもこう考えていた。
「この給料の上昇分は何に対してなのだろうか?これは決してプレイヤーとしてではないはずだ。」
つまりチームの成果を最大化する、マネジメントをするために給料が上乗せされているのだ。
これから管理職になるあなたはラクな方に流れるのではなく、自分の頭でこのことをしっかり考えてほしい。
注意点として自分の業務量を減らすとこんな不安に駆られると思う。
「あれ、自分いなくてもチーム回るんじゃ・・・。」
これでいいのだ。
あなたがいなくてもチームが円滑に回るということは、上手くマネジメントができている証である。
この状態を作れるとあなたは部下が困っているときのサポートや、緊急度の高い仕事が発生したときに注力できる。
③上司との関係性が悪い
プレイヤー時代は上司との関係性が悪くても、結果を出していたら良かったなんてこともあったかもしれない。
これからは少し変わってくる。
あなたと上司との関係性が悪いことに対し、あなたの部下たちがすごく気を遣ってしまうのだ。
部下たちがあなたと上司の関係性に気を遣うと、チームとして最高のパフォーマンスは発揮できなくなる。
上司がとんでもないやつでない限り、上司との関係を円滑にしておいた方がいい。
そういった意味で管理職は部下たちが仕事に集中できる環境を整えることも仕事のうちだ。
というかそれが超大事だ。
この①~③を潰すといつも機嫌よくいられる。
でも機嫌よくいることなんて実は最低限のことだ。
会社を見渡すとそれすらできてない人たちばかりで驚いてしまうが…。
逆に言えばこれができるだけで管理職としては結構いい線をいっている。
ここからは最低限にプラスαする項目だ。
クリエイティブな仕事をするためのキーワードは「集合知」
管理職になるとこんなことに戸惑うと思う。
部下と信頼関係を築くの難しい!ということだ。
ある程度の規模の会社になると一般職と管理職では、深い深い溝がある。
それは見えない権力という溝である。
見えない権力とは、上司の言うことは絶対!といった価値観のことだ。
古くて大きい会社ほど上司の言うことは絶対!といった価値観が蔓延する。
これまでその価値観に染まって育ってきたあなたにも染みついている考え方だ。
この価値観はあなただけではなく、部下たちにも蔓延している。
こんな心の声はそこら中から聞こえてくる。
これは別に放置をしてもいいのだが、見えない権力を減少させると管理職としての仕事が楽しくなる。
部下たちが好き放題言ってくるのだ。
私の部下たちが私にこんなことを言っている姿を見て、異動してきた人たちは驚くらしい。
普通上司に対してそんなこと言わないからだ。
でも、私はこの状態がスタートラインだと思う。
これは流行りの心理的安全性と言い換えることが出来るかもしれない。
部下たちは私に対して何を言っても、私が理不尽な扱いをしないと信頼してくれているのだ。
この状態が作れると正解のないクリエイティブな仕事はめちゃくちゃはかどる。
なぜなら部下たちが本気で意見をしてくるからだ。
私の意見も部下たちの意見も反映されたクリエイティブな仕事は、それはもう素晴らしい内容になる。
これを集合知と言い換えることが出来るかもしれない。
決められた作業をこなすだけのマニュアル化された仕事には集合知なんていらない。
でも顧客に新しい価値を提供するためのクリエイティブな仕事には、集合知が必要になってくる。
これから管理職になるあなたはクリエイティブな仕事が絶対に求められる。
そのために必要なのが集合知であり、集合知を集めるために部下との信頼関係の構築が必要になってくるのだ。
ここまで読んで「そんなこと言ってもその信頼関係を築くのが難しいじゃん。」なんて思ったかもしれない。
ここからは部下たちと信頼関係を構築するための手法を書きたいと思う。
①何があっても裏切らない
サラリーマンをしていると、よくこんな言葉を聞くだろう。
「上司にハシゴを外された。」
部下時代には上司にハシゴを外されて憤りを感じた人もいるだろう。
管理職になってみると分かるのだが意識しなければついついハシゴを外してしまう。
なぜなら管理職も自分の評価が大事だからだ。
評価は給料につながる。
管理職にも家族はいるので、大切な家族に良い暮らしをさせてあげたいという気持ちは誰しもあるだろう。
管理職が部下のハシゴを外すという行為は、自己保身のためである。
この場合、管理職の頭の中で2つのことが天秤にかけられる。
上司からの管理職に対する評価と、部下からの管理職に対する評価である。
この2つを天秤にかけて上司からの評価を優先させる。
これをやってしまう気持ちはめちゃくちゃ分かるし、私も過去にやったかもしれない。
でも、部下のハシゴを外す行為は短期的には利益になっても、長期的な利益になることは絶対にない。
一時的には管理職の上司からの評価は上がるが、その瞬間に部下からの信頼を失いそれはチームの成果としてネガティブな意味で跳ね返ってくるからだ。
管理職になるあなたはこの難しさを理解した上で苦しんでほしい。
また「何があっても裏切らない」とはハシゴを外すだけじゃなく、部下の悪口を陰で言わないとかも含まれる。
この「何があっても裏切らない」は管理職として絶対に必要なマインドだ。
②自分の利益はわきに置き、自分以外の利益を最優先に考える
「無私」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
私はこの考え方を司馬遼太郎の小説で知った。
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この「無私」という言葉は言葉だけで理解するよりも、この小説からストーリーを通して学んでほしい。
先ほど書いた「①何があっても裏切らない」にも「無私」の考え方は関係する。
「無私」とは、自分の利益と自分以外の利益を天秤にかけて、自分以外の利益を優先する考え方だと私は解釈している。
この考え方を取り入れると物事がシンプルになる。
これから管理職として働くあなたは、複数の利益を天秤にかけてバランスの取れた判断をしなくてはならない。
一般的にはこんな利益がある。
自分・会社・部下・顧客・上司・同僚など。
これらを全て考えなければならないときもあるし、いくつかを考えなくてはならないときもある。
例えば、自分・会社・部下の3つの利益を考えなくてはならないとしよう。
この記事で書いたことだが、部下が昇格試験を受けません!と言ったときなんかがそうだ。
部下が昇格試験を受けることは私にとって会社からの評価につながるし、会社としても優秀な人間を上にあげたいので私と会社2つの利益になる。
でも昇格試験を受けたくない部下に無理やり昇格試験を受けさせると部下の不利益になる。
ここで私の利益を除くと、会社の利益と部下の利益の2つだけになる。
あとは部下に会社の利益を説明して、自分の気持ちとどちらを優先させるか考えてもらうだけだ。
3つが2つになるだけで思考がラクになる。
でもあなたは思うはずだ。
「無私っていうけど、それができない人が多いってことは難しいからでしょ?」
③無私の考え方を取り入れるには、人的資本か金融資本を高めるしかない
ここからは超難易度が上がってくる応用編だ。
「無私」でいるためには会社への金銭面的な依存度を下げる必要がある。
「会社の評価が下がっても別の収入があるからまあええか。」という状態のことである。
この状態を作るためには人的資本と金融資本のどちら一方、あるいは両方を高める必要がある。
人的資本と金融資本という言葉を聞いたことがあるだろうか?
人的資本と金融資本について理解を深めたいのであれば、この本は絶対におすすめだ。
※この本を若いうちに読んでいるか読んでいないかで、20年後に数千万円の差がつく本だと思っている。
私の場合はまず金融資本を高めた。
あなたも知っていると思うが私はお金が大好きだ。
20代から毎日毎日お金を増やすことを考えていた。
お金は基本的に運用していたら増えるので資産額が一定額を超えるとこうなる。
「評価上がっても年収30万円アップか。割に合わんな。」
ただ、金融資本を強化するのはサラリーマンにとって諸刃の剣となる。
資産額の増加に伴いサラリーマンとしてのモチベーションが低下するのだ。
サラリーマンとして頑張りたいのであれば、金融資本はぼちぼちで良いと思う。
それこそ月3万円つみたてNISAでSP500を買うぐらいでいい。
次は人的資本だ。
人的資本はサラリーマンとしてのあなたの稼ぐ力と、サラリーマン以外で稼ぐ力(副業収入)の2つに分けられる。
サラリーマンとして超優秀な人間は選択肢が広がる。
職業選択の自由だ。
あなたは今の会社がスキだからこのまま働くという選択肢もとれるし、イヤになったら転職するという選択肢もとれるようになる。
この状態も会社への依存度は低くなる。
あるいは副業収入が年間100万円もあれば同じように会社への依存度が低くなる。
「無私」の考え方をするための人的資本と金融資本。
私は金融資本から伸ばしたが、どちらが正解ということは無いので得意な方を伸ばしたらいい。
もちろん、両方伸ばせるのがベストだ。
ここまでをまとめるとこんな感じ。
さいごに
記事で書いたことは私が管理職として大切にしていた価値観だ。
私にとっての正解ではあるが、あなたにとっての正解ではない。
あなたは管理職としてこれから悩むことがたくさんあると思う。
ひとつだけ意識してほしい。
管理職になるということは必然的に権力を持つ。
あなたの行動ひとつで部下を幸せにすることもできるし、不幸にすることもできる。
私はこれまで部下を不幸にする管理職をたくさん見てきた。
心が壊れてしまった人もいたし、転職せざるを得なかった人もいた。
普通に考えてほしい。
仕事は1人の人間の心を壊すほど重要なコトではない。
会社の利益と自分が大切にしたい価値観との狭間で大いに楽しんでほしい。
管理職は楽しいよ!
おしまい!
今日の猫さん
こんな拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございます!これからもサポートいただけるよう精進いたします!