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起業をした理由 #1

2018年2月に株式会社Carionsを創業して、もうすぐ6期目が終わります。
「なんで起業したんですか?」と聞かれる機会が多いので、自身の備忘も兼ねて整理しておきたいと思います。綺麗でかっこいいエピソードを綴りたいところですが、出来るだけ格好つけることなく、等身大な気持ちを残そうと思います。

起業することになった理由

自由に対する強い憧れ

浅はかすぎて恥ずかしいのですが、当時は起業こそが自由を手に入れる唯一の手段だと考えていました。会社員として働くことは自分の人生を誰かに委ねることだ、という大きな誤解をしていました。そもそも、自由への執着が強かったのは家庭環境にあります。小学校に入る前に父が脳出血で倒れて、生死を彷徨いました。一命を取り留めたものの、右半身麻痺と言語障害というハンディキャップを背負いました。それからは何かと不自由そうな父を見て、自由に生きることへの執着が強くなっていきました。とはいえ、明確に起業することを決めていたわけではないのですが、大学で社会起業家の方が講師を務める授業に出た際に「私は人が運転するバスではなく、自分でバスを運転したいから起業した」という話をしていて、起業という手段が自分を自由にしてくれるのかもしれないと感じたことを覚えています。

周囲からの影響

大学生時代や社会人2年目くらいまでの期間にお会いした起業家や経営者の影響は起業する理由として少なからずありました。就活時に参加した京都の広告代理店での営業実践型インターンシップでは、初めて自身で会社を経営する方とお話しする機会がありました。自ら会社を創業して組織を作り上げていく過程を聞いてワクワクしましたし、何より楽しそうに仕事のことを話す姿がとても魅力的に映りました。また、社会人になってからは起業した知人が東京の家に泊まり込みで住んでいた期間があり、身近に起業をしている人がいたことは自身の企業へのハードルを低くしました。振り返ると起業自体を目的にしてしまっている典型的な”手段の目的化”のパターンだったと思います。起業してお金をたくさん稼いで自由に生きていくぞ、という気持ちが起業の大きな理由となっていました。

人材紹介事業を選んだ理由

私が人材紹介事業で起業することを選んだ背景には、自身の就活での経験と身近な周りの出来事があります。

就職活動での大失敗

少し長くなるのですが就活時代の話をします。私は1回目の就活で大失敗したため、2014卒と2015卒で計2回の就活をしています。大学時代、将来について深く考えておらず、サッカーと文章を書くことが好きという理由からサッカーライターになろうと考えていました。数十万円のお金をかけてサッカー雑誌を発行する会社が主催するライター養成講座に通いました。しかし、実際に講座を受ける中で「これは本当にやりたい仕事なのか?」「ファーストキャリアでこの選択をしてもいいのか?」という不安が生まれて、通常の就活に切り替えました。すでに就活解禁している時期だったため、準備不足の状態で就活に挑むこととなりました。当時の自分は、実績や根拠はないのになぜか自信だけは持っているめんどくさい学生でした。そのため、なんとなく受かったら凄そうだから、という理由で大手企業に絞って選考を受けました。そして、今思えば当然ですが、ほぼ全滅する形となりました。もっと早い段階から先輩や社会人からアドバイスをいただいて、「将来どうしていきたいか」という問いと向き合えばよかった。と後悔したと同時に現在の事業にも繋がることですが、「自己理解と企業理解を深めた上でキャリア選択することの大切さ」を身をもって実感しました。

就職エージェントとの出会い

1回目の就活の終盤で、なかなか面接が上手くいかずに悩んでいる時に、新卒の就職エージェントに登録して実際に面談を行いました。当時の私は、瞑想状態で自分自身がどうしていきたいのかを見失っていました。エージェントとの面談では、私の経験や希望を10分ほどヒアリングいただき、「あなたに合う求人を持ってきました」という言葉と共に大量の求人票をご紹介いただきました。実際にその中からいくつかの選考を受けてみたのですが、そもそも「どうなりたいのか」「何を大事にしたいのか」がわかっていない状態だったため、選考が進んでいくもののこのまま惰性で意思決定していいのだろうか、という思いが生じました。この選考を受けている時期と同じくして友人の紹介で就職留年を経験した方数名とお会いする機会がありました。就職留年におけるメリットとデメリットを質問させていただいて、このまま就活をずるずると続けていくより、きちんと準備した上で来年もう一度就活をしようと決意しました。金銭的にも負担の大きい意思決定を尊重してくれた両親には感謝をしたとともに、この1年を無駄にしてしまうと人生が終わってしまうはいけない、という危機感を強く持ったことを覚えています。

人生を変える就職留年

就職留年の期間での経験は、人生の方向性を大きく左右しました。行動が足りなかったことと社会人の先輩や人の意見を聞き入れなかったことが問題だと考えていたため、自己理解と企業理解をやりきろうと決意して、全速力で駆け抜けました。2回目の就活だからといって、自分はこういう業界に興味がある、とバイアスをかけるのではなく、業界や規模の大小を限定せずに視野を広げて説明会に参加しました。また、OB訪問や社会人の先輩と会う機会をたくさん作ったり、インターンシップに参加してたくさんの社会人や就活をする仲間と会うことを意識しました。社会人の先輩や就活仲間に相談をして、自身の考え方や面接で話す内容へのフィードバックを積極的にもらって改善するよう努力しました。同世代の友人が卒業旅行や入社までの余暇を楽しんでいる中で、真っ黒なリクルートスーツを着ている自分に嫌気がさしそうなシチュエーションですが、前述した通りこの1年を無駄にしたくないという思いで必死でしたし、ここで頑張れないと人生が終わる、と本気で思っていたので苦ではありませんでした。結果、2回目の就活では、自身の望む複数の企業から内定をいただくことができて、納得のいく意思決定することができました。

就職、転職に迷う友人知人の存在

入社からしばらく経った頃、人材業界で勤めていたこともあり、友人や知人からラフな形でキャリア相談を受ける機会がありました。その際に、過去の自身のようになんとなくでキャリアを考えてしまって、モヤモヤしている状態の方が多くいることに気づきました。そして、一度キャリア相談を受けた友人や知人から芋づる式に「友達も悩んでいるから繋いでもいいですか?」という形でご紹介を受けることが増えました。自分と同世代でもこんなにキャリアに悩んでいる人は多いんだ、という驚きとともに、過去に同じ悩みを持っていたからこそ、なんとか力になりたいと思うようになりました。
もやもやした状態で惰性で過ごすことって本人にとっても社会にとっても勿体無い状態だよなと強烈に思いました。このような経験から、自身が起業するならキャリアの領域で起業をしたいという思いが強くなり、人材紹介事業への興味が強くなっていきました。

おわり

起業理由について、過去を振り返りながらできるだけ取り繕わないことを意識して整理してみました。そこから7年の時を経て、当時の起業の目的と今の事業を運営する目的は大きく変化しているなと感じます。今後は、これまで事業を続ける中での失敗や成功などを整理して記事にしていこうと思っています。

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