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地道で着実な事業成長 #4

今回は、現在にたどり着くまでの成長過程について書いてみたいと思います。現在のCarionsは、20代ハイポテンシャル層の転職支援をメイン事業としています。紹介先企業としては、IT/WEBメガベンチャー企業からSaaS企業、コンサルティングファームが中心です。昨期は年商1億円を突破し、派手ではないですが少しずつ組織として成長しています。キャリアアドバイザー個人の成果としても、業界平均の約1.5〜2倍の粗利を出すことができており、スカウト媒体であるOpenworkにおいて5,000人弱ほど登録されているエージェント中で上位5%である優良エージェントに選定いただいています。創業当初は上京転職支援がメイン事業でしたが、方向転換を繰り返して現在にたどり着いています。

方向性の定義

https://note.com/cario_/n/na5f6cfcde306

前回の記事で詳しく記載したのですが、2021年に上京転職支援にこだわることはしない、という方向転換をしました。また、ちょうど正社員の仲間を迎え入れるタイミングということもあり、今後の組織化を見据えて、会社の方向性を定義しました。

売上向上のための戦略

当時は、求職者の方に対する自己理解の支援には自信がありましたし、面談した方からは感謝されることが多くありました。しかし、コンサルタント1人当たりの売上という観点では、同じ領域で事業を運営している他企業と比較しても伸び代があると考えていました。そのため、自己理解の支援へのこだわりは捨てることなく、売上向上に舵を切ることを決めました。

 ①ターゲットの明確化と絞り込み

創業から数年はとにかくたくさんの方とお会いすることを目的として、面談を積み重ねました。しかし、お会いする方の中には自社の紹介先企業とマッチせず、面談をするだけで終わってしまうケースことが問題でした。そこで
、支援するターゲットを明確に定義してお会いする方を絞り込みました。面談人数を減らすことで、支援することを決めた方に対して濃く支援することが実現できました。面接対策も平均で8回以上実施するなど、入社したい企業からの内定獲得できるよう、伝え方のブラッシュアップや本人の強み弱みをどう引き出すことが最適なのか、という課題と向き合いました。また、紹介先企業も独自の定義で注力顧客群を作成し、リクルート社を中心としたメガベンチャー企業やSaaS、コンサルティングファームなど、20代のハイポテンシャル層にマッチする企業への紹介をメインで行うことに決めました。

 ②面接対策の質の向上

過去の経験やスキル、実績が重視されるハイクラス転職(30代以上、年収700万円以上の転職など)と違って、20代ポテンシャル層の転職では面接対策の質で通過率に大きな差が出ます。キャリアアドバイザーは転職活動中は、転職者のメンターのような役割を果たします。そのため、キャリアにおける考え方や自身の経験を魅力的に伝える方法など、面接対策を通してブラッシュアップしていきました。これまで使用していた面接対策シートを抜本的に見直して、改善を繰り返しました。また、これまでキャリアアドバイザーがそれぞれどのような面接対策をしているのか、詳しく把握していませんでしたが、面接対策への同席を行いました。自身の面接対策を隣で聞かれることは正直、恥ずかしさもありました。しかし、質の向上のために同席し、お互いの良い点と悪い点を指摘することでブラッシュアップしました。また、求職者に対しては面接対策を録音していただき、自身で振り返っていただくことを促しました。実際に、支援先企業から取引している全エージェントにおいて1次選考通過率と応募内定率が1位であることを褒められることもあり、面接対策へのこだわりが成果創出に繋がったと思っています。

 ③企業理解の底上げ

面接通過率を向上するためには、キャリアアドバイザー自身が企業理解をより深めていくことも重要でした。人材紹介事業を営む先輩や同業で働く友人にどのように企業理解を深めているか、学ぶ機会をいただきました。また、実際に紹介先企業に入社された方に入社後にお話しする機会を設けて、実際の業務内容や身につくスキル、風土などについて定期的にヒアリングさせていただきました。そうすることで、表面的に理解できる情報だけではなくよりリアルな情報を得ることができました。その内容をもとにどの企業でどのような人が求められているのかを把握して、求人紹介や面接対策に活かしていきました。

市況感も追い風に

会社としての売上が向上した要因には、市況感の影響もありました。新型コロナウイルスによって、一時期はほとんどの企業が採用をストップしました。しかし、一息ついた頃には採用に積極的な企業と消極的な企業が両極端に分かれました。採用を積極化した企業は、これまで採用ストップしていた分を取り返そうと言わんばかりの採用の加速具合だったため、良い波に乗ることができました。業界全体としても国内の人材紹介事業に関しては成長している企業が多いかと思います。日本国内の両面型の人材紹介サービスにおいては、最大規模の人数を誇る上場企業、JACリクルートメント社のIR資料を見ても、コロナウイルスの影響は大きく受けずに売上を伸長しています。

https://data.swcms.net/file/jac-ir/dam/jcr:1c9b2e24-0ec0-4ced-9acd-d6b7f3296afe/140120231113587926.pdf

オンラインが当たり前に。 

また、意外なところで業績にインパクトがあったのはオンライン化が進んだことです。企業との面接やキャリアアドバイザーと転職者との面談がオンライン化されたことで大幅な業務効率化が実現できました。以前は、転職エージェントは転職者とオフィスで対面の面談をすることが当たり前でした。逆にオンラインで面談(Zoomや電話)を実施する転職エージェントは手抜きのように思われる風潮もありました。そのため、オフィスに足を運んでいただいたり、双方にとってちょうどいい場所やエリアを模索して面談をセッティングする調整業務が必要でした。これらを全てオンラインに置き換えることは大袈裟ではなく革命でした。また、面接もオンラインになることで、面接実施率が大幅に向上しました。現職が多忙で対面の面接が厳しい方や都内以外のエリアに住んでいる方もこれまでより面接を格段に実施しやすくなりました。以前であれば、”最終面接は対面で”と言われることがほとんどでしたが、1次面接から内定までオンラインで完結することも珍しくなくなりました。オンライン化によって、面接実施率やエントリーから内定までのリードタイム短縮に大きく繋がったと思っています。

おわり

売上向上のための戦略が少しずつ売上の成果へと現れて、3期(FY2020)から4期(FY2021)は512%成長し、4期(FY2021)から5期(FY2022)は140%成長をすることができました。


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