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傾聴につながるキャリアコンサルタントの自己理解

傾聴につながるのが自己理解

サロンメンバーのささきです。

これを読んでいるあなたは、自分自身の自己理解ってできていますか?

キャリアコンサルティングでまず大事なのが傾聴です。

傾聴といえば、キャリアコンサルタント界隈の方ならロジャーズの三原則はご存知の方がほとんどだと思います。

(図表1)ロジャーズの3原則

1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)

相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。



2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)

相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。



3.自己一致 (congruence)

聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

”こころの耳”HP 「傾聴とは」より https://kokoro.mhlw.go.jp/listen/listen001/

自己理解はこの三原則すべてにつながるものですが、相談者の自己理解を支援する私たちキャリアコンサルタントでも「自分のことバッチリわかってるぜ!」って方は少ないのではないでしょうか。

今回はキャリアコンサルタントやキャリアコンサルタントを目指している方向けに、自己理解がなぜ傾聴につながるのか?ということを改めて書いていきます。


ピンク好きだっていいじゃない!

感じ方は人それぞれ

普段私たちは、同じもの・ことを見たり聞いたりしているはずなのに、
自分の感じ方で情報を取り入れ、自分にとって当たり前の方法で判断をしています。

例えば今私の目の前にあるPC周りは、PCやPC台、キーボード、マウス等ほとんどのものがピンク色で占められています。

私はピンクが大好きなので、自分で集めたピンクのものたちを見てテンションが上がるのですが、私の姉はこれを見て「キツイ」と言ったんです。

その発言が酷いか酷くないかは置いておいて(笑)、
これは同じものを見ているのに感じ方がまったく異なる例ですよね。
私はピンクが好きだけど、姉はそんなに好きじゃない。

同じ両親から生まれて大人になるまで一緒に育った姉妹でさえ感じ方が違うんです。
他人なんてもっと感覚が違うなんてことは想像に難くないはず。

それなのに人は、自分の見方、感じ方、そこからどう判断をするか etc…
自分がとる方法が当たり前すぎて、他の人も同じなんじゃないかと錯覚してしまうのです。

そしてそれを無意識に押し付けてしまう…
これを面談でやってしまうとキャリアコンサルタントとしては大変な問題です。


それってあなたの普通ですよね?

普通って何だ?

「普通こうだよね」
「普通そんなこと言わなくない?」

普段いろいろな場面で「普通」って使うこと多くありませんか?

私個人の考えですが、キャリアコンサルタントは、この「普通って何か」に意識を向ける必要があると考えています。
そして自分自身の「普通」がどうなのかわかっているかがとても重要です。

それはなぜでしょう?
これがわかっていないと、面談中に支援する立場であるキャリアコンサルタントの中の「普通」が顔を出し、無意識に相談者をジャッジしてしまうということにもなりかねないからです。

そうなると

  • 無条件の肯定的関心でかかわることができなくなり、相談者との信頼関係が作れなくなってしまう

  • 自分との価値観の違いから、キャリコン自身の内面に意識が引っ張られ、話に集中できなくなる

  • 自分の良しとする価値観に誘導するようなかかわりをしてしまう

  • 傾聴ができていないので、相談者は心を開いてくれない、話してくれない…

ということになってもおかしくないですね。(大惨事!)


自分がどんな時に「普通」と使うのか、その「普通」はどんなことを指すのか、
これがわかっていると、自分と価値観の違う相談者を前にしても、フラットに話を聴けることに繋がります。

私はこれが「普通」と感じているけど、この方はそうじゃないんだな。
この方の言う「普通」はどんなものを指しているのだろう?

相談者の言う「普通」には、自己概念という、その人ならではのものの見方・感じ方が強く反映されています。
それにアンテナを立てて真摯に話を聴いていくと、悩みにつながる「〜ねばらない、〜べき」等のきっかけが少しずつわかってくるのではないでしょうか。


「バリ3」って何歳まで通じるんだろう…

自分の感情にアンテナを立てる

この言葉は、私が受講した養成講座の先生が言っていた言葉で特に印象に残っているものです。
当時も必要なことだと感じていましたが、時間が経って更に重要性を実感しています。

先ほどは「普通」を例に出しましたが、それだけでなく自分が感じる感情すべてにアンテナを立てると、自分がどんな時、どんな場面、どんなトピックで感情が動くかわかってきます。

  • 普段の会話で自分が「普通」と言ったり心のなかで感じたりした時や場面を思い出し、それが何を指すか、それはどこから来るか

  • 悪い方だけじゃなく、(共感しすぎる等)いい方に感情が動いたことは何か、それはなぜか etc…

これらを日々意識し自分の感情を言語化してわかっておくと、面談時に相談者の話に感情が引っ張られず揺らぎにくくなり、傾聴するためのベースができてくるのです。

※言語化について
・できるだけ具体的に詳細に書きましょう。
・頭の中で考えるのもいいですが、紙に書き出すのが一番オススメです!
・私はiPad愛用者ですが、思考をまとめるには紙とペンの方が個人的に効果が高いなと感じています。
・後で振り返って見ることができるのも、紙に書き出すメリットの一つです。

ちなみに実技試験のロープレは二人以上いないとできませんが、この自分の感情の言語化は一人でできるので、一人でできる試験対策としても個人的にすごく推しております!

さいごに

自己理解だけでキャリアコンサルティングができるわけではないのですが、相談者の話を傾聴するにあたって必要な心構えとして、自己理解を深めることが重要だと考えています。

また自己理解は相談者に実施するキャリアコンサルティングだけでなく、自分のキャリアを考える上でも非常に役立ちます。
ぜひ積極的に活用してみてください!


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