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介護と居住環境整備

意義・目的


視点

事故・災害防止の対策

感染症に対する配慮

自立を助ける機能的な環境

転倒防止


留意点

水がこぼれたらすぐに拭き取る

カーペットは敷き詰めるか撤去する

浴室のタイルは大きいものを避ける

居室や廊下に障害物を置かない

足元にも注意できるように、居室や廊下も十分な明るさを

照明


居室内はできるだけ自然光を

居室の団欒には150〜300ルクスが適切

高齢者の場合は200ルクス以上に

緊急時の対応


緊急時のために安全に逃げられる経路を2つ以上設けておく

浴室やトイレは引き戸(横に引いて開ける戸)

ドアの場合は外開き戸(個室の外側に向かって開く戸)

内開き戸(個室の内側に向かって開く戸)は個室内で倒れた場合開けにくい

居室・寝室

留意点

①これまでの生活習慣を守る

②プライバシーを保護し、家族といった他者と交流が図れること

③環境面(温度、湿度、換気、防音、採光など)や衛生面に配慮、温度は22プラマイ2℃

④バリアフリー

居室は採光が十分あり、風通しがよく、トイレに近い場所

寝具は立ち上がりが不十分の場合はベッド、ベッドの高さは立ち上がりやすい(30~45㎝前後)、全介助の場合は介助者の負担軽減のため70㎝前後

廊下・階段


幅員は通常78㎝前後、自走用車椅子は85㎝必要

階段の蹴上は16~18㎝、踏み台は24㎝以上が基準

手すりは両側に設置がベスト、片側のみの場合は降りる時の利き手側に設置

手すりの高さは大腿骨大転子部の高さ、太さは軽く握って親指と中指の先に触れる程度(直径30㎜程度)、階段にかかる手前に30㎝以上伸ばして取り付け、先端は衣類が引っかからないように湾曲させる

長い階段では踊り場に設置

滑り防止(踏み板の先端に滑り止めをつけるなど)

足下灯を設置

敷居などの段差を無くす

台所


使用する人の身体状況に合わせて整備

歩行障害の場合は、通常よりも動線に配慮し、作業時の移動距離を短くする

車椅子使用の場合は、調理台の高さなどの調整、アームサポートなどの高さを測って決めるが通常よりは低め、シンクは通常18~20㎝に対して12〜15㎝程度の浅いものだと膝が入り使いやすい

洗面所・脱衣所


引き戸

開口部は車椅子で通るためには最低90㎝以上確保、介護のしやすさをとるならば100~120㎝が理想、車椅子の場合の洗面所の高さは80㎝程度

換気や温度調整できるようにする(温度差によって心疾患や脳血管障害のリスクが上がる)

床材は乾きが早く、滑りにくい素材を用いる

ドアに鍵をつける場合、緊急時のために外側からも開けるようにしておく

浴室


滑りにくい床材を使用し、洗い場や浴槽の底に滑り止めマットを敷く

浴槽の緑の高さには40〜45㎝程度、入浴台使用時には浴槽に渡したときに固定できるようにする、手すりは浴槽からの立ち上がり時に利き手や健側で掴めるように

出入り口にも手すり設置

シャワーチェアの利用も検討

トイレ


緊急時を考慮して引き戸

出入り口の段差をなくす

車椅子使用の場合、回転できて介助者が一緒に入れるスペースを確保する、便座の高さは車椅子の座面の高さと同じにする

利用者の身体状況に合わせて手すりなどの検討

立ち上がりや車椅子の移乗を考慮して、和式よりも洋式トイレを検討

冬場は暖房器具や暖房便座を使用し、居室などと温度差を少なくする

住宅改修


介護保険より居宅介護住宅改修費や介護予防住宅改修費が支給

支給対象

①手すり

②段差解消

③滑り防止や移動の円滑化のために床の変更

④引き戸などの取り替え

⑤洋式便座などの取り替え

⑥その他、①~⑤の改修に付帯して必要になる住宅改修

バリアフリー化


バリアフリー→高齢者や障害のある人が社会生活を送る上での障壁・障害、物理的には段差の解消や手すりの設置など

ユニバーサルデザイン→全ての人が利用しやすい設備、製品の設計

施設などでの工夫・留意点


①居室の個室化

居室内の仕切り方を工夫し、プライバシー保護

②馴染みの生活空間作り

使い込んだものや思い出の品など可能な限りでその人の馴染みのもので生活空間が構成できるように望ましいです

③多様性

人数や目的に応じて、様々な居合わせ方ができるような空間を目指し、空間の仕切りやソファ・テーブルなどの配置を工夫

④同じ形の繰り返しを避ける

同じ形の居室のドアが並ぶとわかりにくいため、飾りや装飾などの工夫で差別化を行う

⑤空間の広さ

広すぎる空間は利用者同士や職員との関わりも減少させてしまう点や利用者の移動も大変なため、連続しつつも緩やかに切り分けることのできる空間を工夫する

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