見出し画像

介護福祉士国試対策(4)出題科目と出題順

▼介護福祉士国家試験の出題科目を知っておきましょう。おきましょう、ではなくマストです。また、このページをご覧いただいている受験生の方が来年1月下旬に受験するのは第37回試験です。この回数も必ず覚えておいてください。

1.介護福祉士国家試験の出題科目

▼さて、第36回試験までの出題科目と各科目の出題順、問題数は下の表をご覧ください。下の表に「第7回」という列があります。これは、第7回試験が実施された1995(平成7)年1月下旬の試験寸前にいわゆる「阪神淡路大震災」が発災し、被災した一部受験生に対して特例的に行われた再試験です。

▼今年1月に実施された第36回試験の出題科目は、以下の13科目です。要点を失わない程度に、各科目の内容を簡単にご説明します(正確にはこちらをご参照ください)。なお( )内は第36回試験で出題された問題数です。

(1)人間の尊厳と自立(2問)
・出題科目の中で最もとらえどころのない科目で、日本国憲法、成年後見制度、権利擁護関係の事柄が出題されます。

(2)人間関係とコミュニケーション(4問)
・利用者本人や家族とのコミュニケーションのほか、チームアプローチや多職種・他機関連携など従事者間のコミュニケーションなどが出題されます。

(3)コミュニケーション技術(6問)
・高齢者、認知症者、各種の障害別に応じたコミュニケーション方法、ごく基本的な面接技法などが出題されます。これらの問題は『人間関係とコミュニケーション』でも出題されることがあり、この2つの科目の違いは非常にあいまいです。

(4)社会の理解(12問)
・欧米/日本の社会保障・福祉発達史、法制度(社会保険、社会福祉法、高齢・障害・子ども家庭福祉・低所得者福祉その他福祉関係の法制度)と各種データが出題されます。

(5)発達と老化の理解(8問)
・発達段階説、老化(生理的・心理的・社会的老化)、老化に伴う疾病、一部の臨床心理学(適応、防衛機制など)、エイジング理論などが出題されます。

(6)障害の理解(10問)
・ノーマライゼーションやリハビリテーション、自立生活運動、ICFなどの理念、身体・知的・精神・発達各障害・難病その他各種障害に対応する介護方法が出題されます。ノーマライゼーションなどの理念は『人間の尊厳と自立』で出題されることもあります。

(7)認知症の理解(10問)
・もっぱら認知症に特化した科目で、認知症の種類、認知症状(中核症状とBPSD)、認知症ケア、認知症リハ(回想法やROなど)、認知症施策などが出題されます。

(8)こころとからだのしくみ(12問)
・医学的知識と保健(ヘルスケア)の科目で、身体の構造と機能、各種の病気とその治療法、検査法、医療法や地域保健法などの法制度、医学系のデータなどが出題されます。「こころとからだ」という科目名の通り、こころの病気もこの科目で出題されます。

(9)介護の基本(10問)
・社会福祉士及び介護福祉士法、介護福祉士の倫理、介護全般、緊急時対応、感染症対策、災害対策、虐待対応、従事者の健康管理を含む労働関連法規などが出題されます。これらの内容の多くは『介護過程』『生活支援技術』など、他の科目でも出題されることがあります。

(10)介護過程(8問)
・介護過程の目的と意義、各プロセス(情報収集・アセスメント、介護目標、介護計画、実施、モニタリング・評価)の要点が出題されます。

(11)生活支援技術(26問)
・各種介護技術と衣食住(被服、栄養・調理および高齢者や疾病別の食事、住環境)、消費者保護関連の法制度、ターミナルケアなどが出題されます。

(12)医療的ケア(5問)
・第29回試験から設けられた出題科目で、喀痰吸引、各種経管栄養など、介護福祉士に許されている医療行為に関する問題が出題されます。

(13)総合問題(12問)
・第24回から設けられたもので、これは厳密には科目名ではありません。一つの事例につき3問が出題され、事例が4題(合計12問)出題されます。

▼これらの試験科目は、総合問題を除いてはすべて大学、短大や専修学校(=介護福祉士養成施設といいます)の養成カリキュラムの科目名です。この養成カリキュラムは、十年ほどの周期で大改訂されます。上の表をご覧の通り、第23回試験までは科目名が全く違うものでした。
▼科目名が変わったのにはいろいろ事情がありまして・・・ いちばん大きな理由は、社会福祉士や介護福祉士の養成カリキュラムは、もともと他の学問(医学、看護学、心理学、社会学、経済学、法学など)から寄せ集めたものだから「学問としての独自性がない、だから国家資格の社会的地位が低いんだ」という、偉い先生方がかもし出す雰囲気が当時強かったことです。その結果、科目名をわざわざ変え、養成カリキュラムの時間数を大幅に増やしたという歴史があります。これが、第23回試験と第24回試験の大きな境目です。
▼このとき、社会福祉援助技術(いわゆるソーシャルワーク)とレクリエーション活動援助法の2科目が養成カリキュラムから除外され、第24回試験以降はこれら2科目の内容は出題されなくなりました(ただし、基本的な面接技法やレクリエーションのあり方など簡単な問題は出題されています)。

2.出題される問題数の変化

▼次に問題数の変化を分析してみます。

(1)総問題数の変化:
▼総問題数は、当初は100問だったものが第14回以降は120問に増え、さらに第29回以降は『医療的ケア』という科目が追加されたことから125問に増えました。

(2)科目別の問題数の変化:
▼ここでは、養成カリキュラムが全面改訂された第24回試験以降の推移をみましょう。

*人間の尊厳と自立:2問
*人間関係とコミュニケーション:2問だったが第35回試験以降4問に増加
*コミュニケーション技術:8問だったが第35回試験以降6問に減少
*社会の理解:12問
*発達と老化の理解:8問
*障害の理解:10問
*認知症の理解:10問
*こころとからだのしくみ:12問
*介護の基本:16問だったが第29回試験以降10問に減少
*介護過程:8問
*生活支援技術:20問だったが第29回試験以降26問に増加
*医療的ケア:第29回試験から新規追加され5問
*総合問題:事例4題(=計12問)

▼以上、受験勉強に直接役立つ情報ではありませんが、事前にこのくらい出題されるんだな程度の心構えにはなるかと。おつかれさまでした❗❗

⭐⭐⭐次回は『問題の出題形式』を取り上げます。よい週末を⭐⭐⭐

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?