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ドラマ「逃げ恥 新春スペシャル」から考える、イクメンと呼ばない父親問題

話題のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ 新春スペシャル」は、男性の子育て問題を正面から扱ったドラマでした。
ドラマには、男性が子育てに本気で関わろうとする時に出てくる、日本社会のジェンダー問題が、たくさん詰まっていました。

たとえば……
・やる気から、妻に「手伝うよ」と言ってしまって、炎上する問題
・育休を取ろうとすると、女性はある程度、周囲から理解を示されるのに、男性は男だというだけで大反対にあってしまう問題
・親世代が、「男は大黒柱」という古い価値観を押しつけてくる問題

ドラマの中でどうなったかは実際に見ていただくとして、それぞれの問題は、男女の社会的な役割(ジェンダー)への理解や価値観が、世代や立場で大きく違うことから起きる問題です。
別の視点からみると、日本社会でのジェンダーが揺れ動いて変化しようとしている時代だからこそ、ようやく社会問題になったともいえます。

日本では、2010年に「イクメン」が流行語大賞のTOP10に入り、それ以来「子育てする父親」が、好意的に社会に受け入れられてきました。
でも、それに対して母親を「イクウーメン」とは呼びません。
つまりイクメンは、男性だけを表す、ジェンダー非対称の言葉なのです。
(ちなみに今回の逃げ恥スペシャルでは、イクメンという言葉を一度も使っていませんでした。さすが、脚本・野木亜紀子さん!)

「イクメン」がメディアや政策で使われる時は、「父親が子育てする」ことは推奨されても、「父親が子育てのために、働き方を大きく変える」ことについては、あまり考えられていません。
父親が働き方を変えるといっても、せいぜい「残業しない」くらいで、母親のように「育休で長期間、休む」とか、「子どもが保育園に通う間は、短時間勤務する」とかは考えられていない。

この父親と母親についてのイメージの差が、まさしくジェンダーです。

だからドラマでも、平匡さんが育休を1ヶ月取ろうとするだけで、上司から嫌みを言われてしまったりする。

2020年は、在宅勤務という働き方が広まりました。
2021年は、さらにジェンダーの壁を超えて、ケア(子育てや介護)を、ひと(命)を、大切にする働き方ができる年にしていきたい!
そのためにも、父親をイクメンと呼ばず、母親も含めた「親の子育てと働き方」として、もっともっと考えて、発信していきたいと思っています。
ぜひみなさんも一緒に、考えていきませんか。

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