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生きることは選ぶこと、選ぶことは生きること

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
働く人が自分らしい人生をイキイキと過ごせるための支援をしています。

キャリアを考える機会を提供する際、よくお話するのは「生きることは選ぶこと、選ぶことは生きること」というフレーズです。人生は選択の連続でできています。私たちは日々の小さなことから、人生の転機となる大きな決断まで、いろんな選択をしながら生きています。大きな選択をする時は、悩んだり迷ったりします。

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自分で選ぶことに慣れている人もいれば、選ぶことを「ちょっと怖い」と感じたり、選んだことに「これでいいのか」と不安に思ったり。。。「これが正解だよ」って言ってもらったら安心だけど、そんなこと言ってくれる人はいないし、正解は誰にもわからない。だから人はいろいろ考えて選択した道を信じて歩んでみたものの、「ちょっと違うな」と思うことはあるものです。

そんな時、あなたはどうしていますか?


どんなに考えて選んでも違うことはある

洋服を選ぶとき、商品をいくつか手に取ってそれを着ている自分をイメージして「これはいいかも!」と思っても、実際着てみたら「ちょっと違う・・・」こと、ありますよね。店員さんが勧めてくれるコーディネートがステキ!って思っても、着てみたら自分には似合わなくてがっかりしたこともあります。「ほんと、試着って大事!」

では仕事はどうでしょう?人生で長い時間を費やす仕事をどう選んだらいいのでしょう。就職・転職では、たくさんある求人から自分に合う企業を探していきます。まずは自己分析をして自分を知り、業界職種研究をし、興味関心が持てる企業を見つけます。その会社を研究し、評判を検索し、できる限りの情報を集めます。そうやってミスマッチを防ぐ努力をしますよね。採用する側も、応募者を知るために、書類提出を求め、面接を何度も重ねていきます。こんなに時間も手間もかけてお互いを知る努力をしても、実際入社すると「ちょっと違う・・・」ということはあるものです。

そういったミスマッチをなくすために「インターンシップ(職場体験)」があるはずなのですが、日本の就活において「インターンシップ」は単なる会社説明会になってしまっていて、機能していないのが実情です。私は応募側・採用側のお互いの幸せのために、就職・転職時には「インターンシップ」ができるといいと思っています。が、その話はまたどこかで。

洋服や靴のように試着できればいいけど、就職はなかなかそうはいきません。一生懸命考えて決めたのに、「ちょっと違う」という違和感をどうしたらいいのでしょう?

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「その選択の意味」を考えながら自分の指標をつくる

キャリア(人生)の選択で大事になのは、その選択に意味を見出すことだと思います。意味づけすることで、次のよりよい選択につながっていきます。自分の選択があっていたのか、間違っていたのかは、誰にも決められないことです。「ちょっと違う」という違和感に対して、自分ができるのは『その理由を考えること』と、『その選択が自分の人生にどんな意味があったか』を見出すことだと思います。

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少し違うなと思った自分の感覚をまずは大事にしましょう。そしてその感覚をしっかり分析していきます。

【違和感の理由を考える】
・何が違うのだろう?
・特に感じる違和感は何だろう?
・自分がイメージしたものは何だったのだろう?
・それは本当に違うのだろうか?
・自分が望んでいるのは何なのか? 等々

「ちょっと違う」というあいまいな表現ではなく、何がどう違うのか?どうしてその違いに気づいたのか?どういうものだったらよかったのか?を言葉にしていきます。仕事なのか、環境なのか、人なのか。要素はいろいろあるはずです。自分が勝手に思いこんでいたことはないのか?収集した情報は十分だったのか?多角的に分析します。違和感を感じた時が、自分を知るチャンスなのです。自分の感覚を言語化していきましょう。

そして同時に考えてもらいたいのは、「この選択が自分にとってどんな意味があったか」です。選択した結果を後悔しても、それはすでに過去の出来事ですから時間を取り返すことはできません。次に進むために必要なのは、この選択に意味づけをすることです。

【自分の選択に意味づけする】
・自分が望んでいることがわかった
・〇〇に気づかせてくれた
・◇◇の知識につながった
・~~を理解するきっかけになった
・☆☆の視点に気づいた 等々

自分が行ったキャリア(人生)の選択は、自分にとってどんな価値があったのか?この経験で何が得られたのか?ポジティブに意味づけして根づかせていきます。このプロセスを踏まずに次の選択に行ってしまうと、また「ちょっと違う」が繰り返されることになりますし、「ちょっと違う」を選択のミスとして捉えてしまうと、次の選択が怖くなってしまいます。

そうならないためにも、この選択の違和感を分析し、ポジティブな意味づけをして、次の選択に活かしていきます。

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選択は自分の指標をつくるチャンス

私たちのはたらく時間は、どんどん長くなっています。社会はどんどん複雑になり、変化も激しいです。そんな中で、私たちは日々の小さなことから、人生の転機になる大きなことまで、選択していくことになります。

正しく確かなことなんて、あるのでしょうか?
正しさ、確からしさは、人によっても違います。


他人の指標を求めていくより、自分の指標を作っていくことのほうが、自分らしい生き方や働き方には大切です!何かを選び、その選択の結果を分析し、選択に意味づけをして、また次の選択に活かすサイクルを回していくことだと思います。長い人生、何度もこのサイクルを繰り返しながら、選択の指標を作って自分らしいキャリア(人生)を描いていきましょう。


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