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リクルートで教わった「キャリア」の考え方

私は29歳から35歳までの6年間。リクルートで働いていました。
その期間で学んだことは今でも自分の糧になっています。

その中でもキャリアについての考え方や学びは、
これから日本のサラリーマンが直面する課題や悩みの解決の
ヒントになるのでは?と思います。 

そこで今日はリクルートで学んだ、これからの日本で通用するキャリアの考え方についてお伝えしたいと思います。

リクルートへ入社

私は新卒から4年間、国家公務員をしていました。
「日本の国の課題解決がしたい!」という熱い思いを持ち、
意気揚々と国のある省庁に入省(入社)したまでは良かったのですが、
あまりに熱い思いを持ちすぎていたせいか、同期や先輩社員を見ていて、

「こんな風にはなりたくない」
「前例にとらわれず挑戦したい」
「ビジネスの世界で自分の力を試したい」

そんな思いが強くなり、転職することを決めました。
転職先として真っ先に浮かんだのが「無形商材を扱い、営業のプロを育成してくれる変な会社」と言うイメージだった「リクルート」でした。

リクルートでぶつかった壁

リクルートへ入社する前、私は成功するイメージしか持っていませんでした。
国家公務員として仕事をしていた際は、事務処理能力の速さと程よい確実性に自信を持っていました。

またリクルートに入社する半年前から、リクルート出身者が立ち上げたベンチャーの事業運営を週1回手伝っていて(もちろん無給で)、その事も自分の自信につながっていました。

しかし、いざ入社してみると、

「若い社員が多い」
「何故かいつも騒がしい社内」
「黙っていても向こうから弄りに来る人たち(当時はプライドが高く弄られたくなかった)」

どれもこれも初めてで、「すぐに慣れるだろう」と高を括っていた私の鼻は早くもバキバキに折られることになりました。

営業として入社した私の最初の仕事は新規のテレアポです。

国家公務員時代は企業に電話をかけて煙たがられた事がありませんでしたが、
新規アポイントの電話はそうは行きません。
受話器越しに罵倒されたり、ガチャ切りされたりする事も多く、
入社して最初の3ヶ月間は毎日何らかの壁に正面衝突していました。

テレアポでは受話器の向こうの見知らぬ人に罵倒され緊張のあまり下着まで汗で濡れていました。社内では25歳の新卒2,3年目がMVPを獲得し、自分の営業成績はボロボロ。そんな状態の時に、「誰も自分の話を聞いてくれないし、自分という存在は世の中に不要なんじゃないか? 」と思っていました。

夜21時を過ぎて、自分は帰宅しようとしている時、高成績の先輩方はまだまだ仕事をしていました。自分には顧客もいないし、仕事もない。そう感じながら帰りに新橋駅のホームで電車を待っている時、電車が遠くから近づいて来るのを見て、
「このまま引かれたら楽になるのかなぁ」なんて自殺することまで考えた事があります。

もう死んでしまおうと、ホームで一歩前に踏み出したところで、急に頭に国家公務員を辞める際に1万円のご祝儀をくださった課長や応援してくれた同期、両親の顔が浮かんできました。

「自分は何をやっているんだ!」とハッとして、涙が止まりませんでした。
今日この文章を書けているのは、あの時頭に浮かんできたあの方々のおかげです。

今思えば、新規開拓中に顧客が居ないのは当たり前で、やったことが無いことに挑戦している自分を褒めても良かった。と思うこともできます。しかし、当時の私は絶望していました。

先輩社員に教わった「キャリア」の話

苦しみながら仕事をしていると、表情も暗く、声のトーンも下がってしまい、ますますうまく行かなくなります。

そんなときに先輩が声をかけてくれました。
リクルートには先輩がワンツーマンで後輩を指導する、バディ制度があり、
私のバディであった宮田先輩と下記のような会話をしました。

※先:先輩、情:情熱の人材コンサルタント
先「情熱くん、会社は何のためにあると思ってる?」
情「え?会社は・・・事業継続して、顧客の役に立つためですか」
先「いや、そう言う事じゃなくて、君にとって会社はなんのための場所なの?」
情「え?なんのためって・・・」
先「オレは会社はただの箱だと思う」
情「え?箱?」
先「そう。特にこのリクルートっていう会社は従業員の将来の雇用なんて考えてなんじゃん。人材輩出型と言えば聞こえがいいけど、要は機会は提供するから、後は君次第だって言っているわけじゃん」
先「会社は制度や仕組みを用意するから、その制度や仕組みを使って育って出ていけってことだろ?て言うことは、このリクルートっていう箱をどう使って自分のキャリアをどう築くかはお前次第ってことだと思うよ」

この話をされたときの私には、
「会社は箱」
「箱を使って成長せよ」
「自分のキャリアは自分次第」
この3つのキーワードは新鮮でかつグサッと心に刺さるものでした。

「そうだ。わざわざ安定したキャリアを捨てて挑戦するために来たんだ。こんな風に悩んでいては時間がもったいない」

そう思って前向きに挑戦する気持ちができたことを今でも覚えています。

これからの日本のサラリーマン

日本では長らく、終身雇用を前提とした年功序列や定期昇給制度を運用してきました。しかしこの終身雇用が今、足元から揺らいでいます。

日本最大の企業であるトヨタや財界のトップである経団連会長が終身雇用の限界について下記のような発言をされています。

「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」(トヨタ自動車社長 豊田章男氏)

「終身雇用は制度疲労を起こしえいる。終身雇用を前提とすることが厳しくなっている」(経団連会長、日立製作所会長 中西明宏氏)

「会社が定年まで面倒を見てくれる」
「会社に所属をしていれば食いっぱぐれることがない」
「会社の中で昇進を目指すことこそがキャリアを作る事である」

上記のような前提が崩れ去ろうとしています。
日本のサラリーマン制度の常識が変わり、新たな時代を迎えようとしています。

それでは、私達はどのように新しい時代を迎えればよいのでしょうか?

これからの日本のサラリーマンは、このような変化を恐れるのではなく、敏感に受け取り、自らのキャリア(人生)を自らの手に取り戻す(キャリアのオーナーは自分だ!と言う考え方をする)時が来たと私は思っています(だからこのブログのテーマは「人生を取り戻せ!」になっています)。

私がリクルート時代の先輩に言われた3つの前提。
「会社は箱」
「箱を使って成長せよ」
「自分のキャリアは自分次第」
このことを理解し、新しい時代が来るのを待つよりも、人生(キャリア)を自分の手元に取り戻し、こちらから迎え撃ちにするくらいの気概を持って新たな挑戦をしていく必要があります。

まとめ

本日は、リクルートであった私の経験と先輩のアドバイスをもとに、キャリア(人生)を自分のもとに取り戻す必要性について書いてみました。

人生を取り戻せ!と言われても、何から手を付けてよいのか、どう考えればよいのか、迷う方も居ると思います。そんなときは是非お気軽にご相談ください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。一人でも多くの方がウキウキ、ワクワク働く社会を実現します。週一更新LINE@【LINE】 https://line.me/R/ti/p/%40078qhmzv