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キャリアとして、ワーキングホリデーはアリ?ナシ?

最近、ワーキングホリデーの話題を目にする機会が増えているかと思います。理由としては、日本で働いていても給与が上がらず、為替の影響もあって海外で高い給与を貰いながら、英語力を身に着けた方がいい!という流れです。実際、20代の方から「ワーキングホリデーに行こうと思っているけど、キャリアのプラスになる?」と相談を受けることがあります。

早速、タイトルに関しての結論を言うと、ワーキングホリデーはキャリアアップの手段としてはおススメしていません。ただし、目的や状況によっては良い経験になることもあるので、その点も踏まえてお話しします。
※ワーキングホリデー自体を否定するものではありません。あくまで、キャリア形成の観点でご説明させていただきます。


1. ワーキングホリデーについて

前提として、簡単にワーキングホリデーを説明しておきます。ワーキングホリデーは、主に18歳から30歳までの若者が対象(国による)で、1年間程度、特定の国で働きながら滞在できるプログラムです。生活費を稼ぎつつ、その国で生活し、異文化を体験できるため「旅行や語学学習、好きな仕事も経験できる」という側面があります。

ワーキングホリデーに行くことで、異文化体験や新しい環境で自分をリセットする機会としては非常に有意義で、旅行が好きな方にとっては、自由な時間を使って様々な場所を訪れることができるのも大きな魅力です。


2. ワーキングホリデーをお勧めしない理由

社会人以降の方で、ワーキングホリデーに行く目的の一つとして、
英語力を身につけて(有名な)外資系で働きたい
②英語力を身につけて、給与UPしたい
③海外で働いてみたい
④今の仕事が合わないから、環境を変えて考えたい
というものがあります。
しかし、どれもワーキングホリデーに行く必要性はありません。むしろ、リスクです。

2-1. ワーキングホリデーで得られる仕事の多くは専門性が低い

ワーキングホリデーで働ける仕事の多くは、現地のカフェやレストラン、ファームなどの肉体労働が中心です。これらの仕事は現地の生活費を稼ぐためには十分かもしれませんが、専門的なスキルを習得する機会はほとんどありません。そのため、「外資系企業に転職したい」や「海外駐在したい」というキャリアの目標があるなら、ワーキングホリデーに行かず、日本で働きながらスキルを高め、語学の勉強をした方が確実です。

2-2.ワーキングホリデーに行って、語学力が身につかないリスク

大前提、ワーキングホリデーに行っても、自然に語学力は身につきません。これは海外駐在も同じで、海外に住んだとしても「覚悟」を持って日々勉強をしなければ、語学力は身に付きませんし、向上もしません。
私自身、英語圏の国に駐在していたので、断言しておきます。

そして、既に社会人として働いている場合、ワーキングホリデーに行ったが、語学力が全く伸びなかった場合、どうでしょう?
当然、外資系や駐在員ポジションを狙うことは難しくなりますし、語学力関係ない企業であっても、「1年遊んでたんだ」という見方をされ、マイナスな印象を持たれる可能性があります。


3. 実際の相談例(参考)

「中堅企業に3年間勤めているが、仕事が面白くなく、海外旅行が好きだから、ワーキングホリデーに行って、語学力を身につけて、海外駐在できる会社に転職したい」
この時、私はワーキングホリデーをしない方がいい旨を上記理由からお話しました。
そもそも、日本の企業において海外駐在のポジションは、留学経験必須ではありません。実際、留学経験ない人はかなり多いです。仕事を辞めて、ワーキングホリデーに行って、語学を必死で学ぶくらいの本気度があれば、普通に日本で働きながら勉強したら、十分、語学力は身に着けることは可能です。


5. ワーキングホリデーより現地採用の方が良い

ワーキングホリデーよりも現地採用の方がキャリアにとって有利です。現地採用であれば、渡航前に仕事が決まっている状態で海外に行けるため、安定感がありますし、専門性のある仕事を得やすく、キャリア形成にプラスとなります。語学力が多少不安な場合でも、現地で仕事をしながら語学学校に通うことができるので、実務と学習のバランスを取ることも可能です。勿論、ワーキングホリデーより、多少語学力を求められることになりますが、ハードルが低い国もあります。


8. まとめ

結論として、ワーキングホリデーはキャリアアップのための選択肢としてはおすすめできません。特に、すでに働いていて「海外で働いてみたい」「外資系企業に転職したい」「語学力を身につけたい」と考えている方には、ワーキングホリデーよりも日本で働きながら英語を学び、外資系企業への転職や海外駐在のポジションを狙う方が確実です。

しかし、もしあなたが「海外で自由に働きながら生活したい」という目的でワーキングホリデーを考えているのであれば、それは素晴らしい経験になると思います。
ただ、キャリアにとって大きなプラスになるかどうかは、事前にしっかりと自分の目標と目的を確認し、相応の覚悟を持つことが重要です。ワーキングホリデーは決して甘いものではありません。

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