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モヤキャリ相談室VOL11

求人広告に書いている条件は信用するな!?

Agent時代にお世話をさせて頂いた人から、久しぶりに連絡があった。
きっかけはこのblogを見てというから驚いた。
久しぶりにお会いすると、深刻な顔をしていた。

「今の会社でポストが空くの待つのがいいのか、それとも、転職をした方がいいのか迷っているんです。そして、自己応募をした会社から内定をもらったのですが…」と話が続く。

何かあったのかと思って話をそのまま聞き入っていると、「求人広告に書いている内容と違う労働条件通知書をもらったので、相談したいんですけど…この内容を見てどう思いますか??」
求人票と労働条件通知書を見せてもらった。

「今は人事の仕事をしているんですよね。いろいろな人に相談したいんですけど、家族に内緒にしているので…話しづらくって…」と申し訳なさそうに話をした。

条件だけをみると問題はなかった。
しかし求人広告をうまく使ったもんだなと感じた。
年収表記にしておけば、残業代、深夜残業代を含む形で出せるという点である。
ココがお互いの認識のズレの始まりだったりするんです。

疑問に感じたら、質問をしてみよう!

私は「この会社と話し合いをもちましたか?」と質問をすると、
彼は「いいえ。一方的に労働条件通知書が送られてきて、◯◯日までに内定受諾をするかしないかの連絡をください」と一方的に送られてきたという。

私は「疑問に思ったことや、条件に?がつくのであれば、人事へ相談をしたらどうでしょうか?」
彼は「現職があることもあり、時間を作ることが出来なかったりしますし…」という。
「そうしたら、人事へ電話でもメールでもいいじゃないですか?
何か言わないと始まらないですよ。」と私が間髪入れずに即答をしてしまった。

彼は少し考えこんでから、「それしか方法はないのでしょうか??」と答える。
「そうですね〜、直接対話するしかないと思います。」と私が答えた。
「何か引っかかる点はありますでしょうか。」と矢継ぎ早に聞いてしまった。

そうすると、顔の表情がこわばって「家族のことを考えるとね。ちょっと引っかかるんですよね。」
「年収が下がることですか?」と聞くと、無言でうなづいた。
「これから家のローンや学費がかかると思うと、現状維持か、ちょっとだけDOWNならいいんですかね。」
「実質年収を割り出してみましょうか?」というと、私はすぐに電卓とメモ帳を取り出していた。

労働条件通知書だけが問題ではない!

彼に対しての私の質問が続き、あっという間に試算表が出来上がってしまった。
これから5年先ぐらいまでを見通した時の賃金の上がり幅、家計の支出の増加などを見て、
「一度奥様に相談をされてから、企業へ回答をしてみたらどうですか?」と伝えた。

「う〜ん…転職をしないほうがいいのかもしれないなぁ。」と彼は独り事のようにいった。
「決断をするのはあなたですし、家族の支えがあって仕事も出来る環境ではないでしょうか?一度、腹をわって話をしてもいいのでは?」と言い切る前に、彼は言葉をかぶせてきた。
「いや、相談してよかった。転職をしたいのは妻に伝えるけど、今回の内定は断ろう」と断言をした。

「それが結論ですね。私もAgentの立場ではないですし、あなたが決めたことならいいじゃないですか。」と答えた。
そうすると、「この前の転職もこんなことしませんでしたっけ??」と彼から思い出すように言われた。

確かに言われたとおりである。
「結婚を控えていて、年収の維持を希望したいんです」といって、あーでもないこーでもないといった記憶が蘇った。

彼は思い出すように、「そうだ!そうだ!あの時言われたのは、5年後の賃金を目安に考えて欲しいと言っていましたよね。」
「現職にとどまりポストが空くのを待つのか、ポストを取れる実力主義の会社にいくのかが1つ目のポイント」
「その後は、5年後のキャリアのイメージが出来る職場環境であることが2つ目のポイント」
「右肩上がりにはならないけど、決して安売りをしてはいけないということが3つ目のポイント」でしたよね。
とスッキリした顔をして続けてこういった。

「転職をしたら年収がダウンするのは前提だけど、今の会社と同じ水準までどれくらいかかるかを考えてくれ」って、
いっていませんでしたっけ…と半分笑いながら言っていた。

「全くその通りですね。いや〜でもよく思い出しましたね。」とお互いに笑ってしまった。

転職するときは慎重かつ大胆に

隣の芝生は青く見えるといいますが、まさしくその通りです。
年収がアップするのが転職ではありません。
現年収になるということは、会社に信用貯金があって、仕事に対する対価です。

転職をするということは信用貯金がなくなることになります。
そうすると現年収以下になる可能性が高いということを知っておいてください。

ベンチャー企業から大手上場会社への転職の場合は年収がアップするケースもありますし、その他にも業界の平均年収が高いと異業種から転職をしても年収がアップすることがあります。

年収がアップするのは極稀にあることであり、日常茶飯事ではありません。
広告や転職サイトのバナーにだまされないようにしましょう。

チャンスはいつ訪れるかわかりませんし、仕事関係者から話が来ることもあります。

人脈を戦略的に作っておいて、より上のステージに上るために会社を利用する方法があります。

フリーランスやノマドなど、組織に頼らない時代になっているのは確かですが、まだまだ日本社会は組織が一番、個人が二番という社会です。
プロジェクト型のジョブワークになるまで何年かかるかわかりません。

今できることは自分のブランドを作ることをオススメしています。
◯◯といえば、××さんと言われるレベルまで自分を戦略的にブランディングすることが必要ですし、社内ノマドを目指すには、会社の信用預金をおもいっきり貯める必要があります。

すぐにできることではありません。
個人差がありますけど、年単位の計画を作ったあと、4半期ごと、月別の計画を立てましょう。
そこから、戦略的にブランディングをして、人脈を作ることオススメします。

簡単に隣の芝生が青く見えるからといって、転職という選択肢を選ぶのはよくないかもしれません。
これからの時代は正解がありませんから、個別に戦略を作り、トライアンドエラーの繰り返し。

上のステージを目指すなら、ワークライフバランスだとか、ブラック企業だとか非難する前に、自分自身で戦略を立てて、その負のスパイラルから抜け出すことを考えるべきではないでしょうか。

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