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部下を信用して成長をうながす4つのポイント

仕事を任せる事で部下の成長をうながす

自分の仕事を任せられる部下を育成することがリーダーの1つの役目。
そして、今自分の仕事は部下に任せて、自分はさらに大きな課題へとチャレンジをする。
このサイクルを繰り返すことによって、組織がドンドン成長をしていく。

部下を育成するためには自分のルールを教えることがポイントになるでしょう。
ルールを理解している部下がいると、生産性も業績もアップすることになる。
部下に仕事を任せられるということは、責任は自分が取るという覚悟が必要だ。

信頼関係を強固にするためには、お互いにいろいろなことを知る必要があり、
能力、ストレス耐性、適性などを総合的に多面的に判断をすることと、
腹を割って話せる環境を作ること、意見を言い合える環境を作ることも必要だ。

優秀なリーダーはこういう状況を創りだして、自分が発揮できるパフォーマンスにレバレッジをかけていく。
その度合が組織の業績となって表れることになる。

これまでに多くの経営者や管理職の方に話を聞いた結果、優秀な人材が育つ組織のリーダーに共通点があるのではないかと考えるようになった。

そのためには「仕事を部下にふる」という意識ではなく、「部下の成長をうながすために仕事」があるという感覚を持つことである。

そういったリーダーは部下の成長に関しては、人一倍の関心を持つ。
そして部下の成長を自分のことを我が事のようにして喜ぶ。
もちろんビジネスとして組織を運営していく以上、組織の業績を上げるという命題を忘れていはいけない。

業績よりも部下の成長を願うリーダー達

業績を上げることに執着しているリーダーよりも、人を育てることに熱意を注ぎ、人の成長そのものに喜びを感じるリーダーの方が、結果として業績を上げることに成功しているケースが多い。

前者のリーダーは業務を効率的に進めて、組織のパフォーマンスを上げたいという理由から部下の成長を願っているからである。

一方、後者は組織のパフォーマンスを上げたいという気持ちが、それ以上に部下の成長そのものを自らの喜びとして味わうために部下の成長を願っています。

リーダーは組織の運営という視点でモノゴトを考えるが、部下は組織の一構成員としてではなく、1人の人間として関わっててもらいたいという気持ちがある。

大きな違いは部下をチューンアップするための部品としてみているのか、どうやって戦力化をして、チーム力を上げていくことを俯瞰的に考えているかの違いである。
部下の成長を我が事のように喜んでくれるリーダーはほとんどいない。

そのため、そういった上司は部下にとってかけがえのない存在となり、強い信頼感を覚えるとともに、伸び伸びと成長性ていくための心理的な土壌を形成することができる。

家族的な存在になり、コミュニケーションも活発化している。
コミュニケーションが取れない時にはノートを使って意見交換をしたり、個人メールにいろいろな相談事や悩んでいることなど、いろいろと話しをすることができる関係を築いている。

リーダーがいずれの動機から部下の成長を願うのか、
これによって部下のリーダーに対する印象やモチベーションは大きく異なる。

正社員、契約社員、アルバイトなどいろいろな雇用形態でいろいろな組織で働いたことがあるが、上司とのかかわりの中で、そういった部下に対する動機の違いを感じることが多くあった。

そういった動機の違いは、指示の出し方、いい方、メールの文面、フォローの仕方、表情や言葉じりなどに随所に表れる。
上司の側からすると部下がどのように感じているかは思っていない。

しかし、部下はそういった動機の違いを敏感に感じ取って、上司に対する印象や信頼関係を形成していくことになる。
「情動伝染」という心理学の言葉がある。

わかりやすい例としては、部下が失敗した時である。

上司はいろいろと教えるために叱っているつもりですが、部下としては失敗してしまったことを責められてしまい、謝罪をしなければならないと考えている。
必死に言い訳を考えるけど、火に油を注ぐ状態になる。

上司は叱っていると認識をしているが、部下は怒られていると認識をしてしまうことで、上司への信頼関係がなくなっていることがわかる。

部下に勝ちかた、成功体験をつませる

ある人の感情が他人にも伝染をしていくことを意味する。
情動伝染は意識的におこなう「共感」とは異なり、無意識のうちに相互の感情に影響をもたらす反射的作用である。
こういう情動伝染によっても、上司の気持ちは無意識のうちに部下に伝わっていく。

そして部下の成長を自らの喜びとして感じるリーダーに特徴的なのが、部下に勝ちかた、成功体験をつませて美酒を味わう気持ちが強い。

プロジェクトを達成する、大きな契約を決める、業務目標をクリアするなどといった勝ちの味を部下に知ってもらおうとするから、いろいろな角度から助け舟をだす。

そして、部下が勝ちの味を味わうことができると、一緒になって喜ぶ。
喜びを共有してくれる人間が多いほど大きくなるから不思議な力である。

部下と喜びを共有し、その喜びが増幅され、部下の「勝ち」の味を何倍も美味にする。

そうやって勝ちの味を知ってしまうと、その部下はまた次の勝ちを味わいたくなり、モチベーションも上がっていくことになる。

また、目標をクリアするためにはどうしたらいいのかというのを必死に考える。

過去の成功体験、思い込み、先入観に左右されることなく、新しいことにドンドンとチャレンジをしていくことになる。

部下自身が勝手に自分の道を歩き出す

このように業務を効率化するために部下を成長させようとするリーダーと部下の成長そのものを我が事のように喜ぶリーダーとでは、そのもとにいる部下の成長意欲も成長スピードも大きく異る。
その違いが組織のパフォーマンスや業績にも表れる形になる。

いろいろな上司のもとで仕事をしてきた私ですが、中でも上司の部下とのかかわり方には感銘をうけている上司がいる。

私がまだ社会人としてデビューしたばかりの頃でした。
今日中に制作しなければならない資料を、私が指示を間違えて解釈してしまい作成をしたものを、上司に対して提出してしまったのだ。

上司はそれを見て「こりゃ〜今日は徹夜になるかも知れないなぁ〜。おいっ!一緒にやるぞ」といって、資料の作成を上司と一緒にやり始めた。

仕事の早さには驚くばかりであったけど、深夜までかかって何とかデータを作成し終えた。

そしてその後上司と二人でオフィスを出て、タクシーを捕まえた。
行き先が別々でしたが、上司は私をタクシーに乗せたあと、「うれしかった。ありがとう!」という言葉を、ドアが閉まる直前にいってくれた。

ミスをした私は申し訳ないという気持ちでいっぱいだったことは今でも昨日の事のように覚えている。

今思えば、私にとっては深夜残業がはじめてであり、新人が深夜残業をしてでも1つの仕事をやり遂げたということに上司は喜びを感じていたのではないでだろうか。

この上司は部下の指導に手厚く、時には厳しく、部下にドンドンと新しい課題を与えて、それを達成するためにはいろいろな助け舟を出して、達成をした時には我が事のように喜んでくれた。

「おっ〜!よくやったなぁ!一時期は諦めかけていたのに」
「おっ〜!こういう資料がちょうど欲しかったんだよね。ありがとう!」などと、叱るときはちゃんと叱り、褒めるときは褒めていた人だった。

言葉を掛ける際には喜んで嬉しそうな表情や、叱るときの厳しい顔は、言葉以上にメッセージを発していたと今となればそのように考えられる。

チームのメンバーはこの瞬間に勝ちの味を味わい、そしてまたこの勝ちの味を味わおうとしてモチベーション高く仕事に取り組む。

大きな安心感があり、伸び伸びとやりたいように仕事ができた。
自分の仕事が終わっても、上司の役に立てることはないかと新しい仕事を引き受けにいく。
そんな空気が自然にチーム内に漂うことになる。

そのため、チームのモチベーションとパフォーマンスは非常に高く、この上司からいろいろなことを学ばしてもらった。
最初に管理職についた時はこの人のマネしかできなかったけど、それをちゃんと実践してみることで自分なりの色ややり方がでてきたのではないかと感じる。



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