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シュロスバーグの4Sモデルで考える転機を乗り越えるためのセルフ点検のススメ

こんにちは。
me:Riseのキャリアコーチの小泉です。

4月から昇格や昇進、あるいは転勤、異動、転職など、新しい環境や立場でキャリアをスタートしたり、産休・育休からの復帰やお子さんの進学などでライフスタイルが変化したりと転機を迎える方が多い時期かと思います。

キャリアコーチングでも時期を問わず「転機」にまつわる内容は、取り扱うことの多いテーマの一つですが、年明けからこの時期は特に新しいご相談が増えてくる時期でもあります。

そこで今回は、
「転機を乗り越えるためのセルフ点検」方法をご紹介したいと思います。

人生はさまざまな転機の連続

これまでのキャリアで転勤や異動、転職などを経験したことのない方でも、例えば組織変更で役割を交代したり、担当業務が変わったり、プロジェクトメンバーが入れ替わったりと変化や影響の大きさの差こそあれ、転機をいくつか経験していると思います。

私も振り返ると転機の連続です。例えば、
ー商品開発部隊に配属され、ゼロから機構設計を学ぶことになったこと。
ー商品のモデルリーダーになったこと
ー全社プロジェクトに参画することになったこと
ーソフトウエア設計の担当になったこと
ー結婚、妊娠、出産したこと
ー育休を取得したこと
ー事業企画/事業戦略部に異動したこと
ー上司が変わったこと
ー人事に異動したこと
ー担当業務が変わったこと
ー会社を辞めたこと
ー友人の会社を手伝い始めたこと、辞めたこと
ーベンチャーで働き始めたこと、辞めたこと
ーフリーランスになったこと

社会人になってからの転機として、すぐに思い浮かぶものだけでも、ざっと10個以上が出てきます。

「転機」とは

元全米キャリア開発会長で、メリーランド大学のカウンセリング心理学名誉教授のナンシー・K・シュロスバーグ氏は、

人生はさまざまな転換(転機)の連続からなりたっており、
それを乗り越える努力と工夫を通してキャリアは形成され開発される

      「キャリアカウンセリング」宮城まり子著 駿河台出版社より

として、誰もが経験する「転機」について着目し、

転機によるマイナスの影響を最小限に抑えられるよう、
転機に論理的に対処することが大切

として、転機を乗り越える方法を体系化して提案しています。

私自身、先ほど挙げた転機を振り返ってみると、うまく乗り越えた転機ばかりではなく、今思えば、十分にチャンスを活かしきれなかったと思う転機もあり、残念な気持ちも沸いてきます。しかし、それぞれのタイミングではその都度、真剣に悩み、考え、学んだり、試行錯誤したりしてきたことで、キャリアの幅を拡げ、今につながるスキルや経験が身についてきたと実感します。

その「転機」とは、シュロスバーグ氏は、
ある出来事が起こること(イベント)
だけでなく、
予期したことが起こらないこと(ノンイベント)
と定義しています。

・ある出来事が起こること(イベント)とは、
 卒業、就職、失業、結婚、出産、転勤、異動、転職、昇進/昇格
 などで、予期していたことも予期していなかったことも含まれます。
一方で、
・予期したことが起こらないこと(ノンイベント)とは、
 予定通りに卒業できない、
 満足できる就職先がみつからない、
 期待通りに昇進できないなどのケースが当てはまります

そのような視点で考えてみると、変化が早い現代では、常に私たちは転機に直面しているともいえそうです。

では、その転機を乗り越えるには具体的にはどのようにすればよいのか、を次に紹介します。

転機を乗り越える方法

<ステップ1:リソース(資源)の点検(4Sの点検)>
直面した転機に対して、自分の利用できる4つのリソース(資源)を点検することで転機を客観的に見ることができ、乗り切るための具体的な行動計画に繋げます。4つのリソースのそれぞれ頭文字をとって「4S」と呼ばれます。

① 状況(Situation)
・転機の元となるきっかけは何か?
・転機は予期していたことか?想定外のことか?
・転機は一時的なものか?長く続くものか?
・同じような転機を乗り越えた経験はあるか?
・転機に伴うストレスの大きさ
・転機は自分にとってプラスと見るか、マイナスと見るか?
・転機は自分にとって良いタイミングか?悪いタイミングか?
・転機に対して自分がコントロールできるところがあるか?それはどこか?

② 自分自身(Self)
・将来、自分はどうしていきたいと思っているのか?
・自分の人生にとってこの転機はどういう意味があるか
・転機に自分のスキル、経験は活かせるか・仕事やプライベートのバランスをどう考えているか?
・変化への対応能力はどの程度ありそうか?

③ 支援(Supports)
・自分が必要とする支援をしてくれる人はいるか?(上司、同僚、家族など)
・この転機によってこれまで得られた支援の機会が得られなる、または
減ってしまう支援はあるか
・必要な情報、知識を得る手段はあるか(学ぶ機会や人脈)
・精神的な支え、励まし、応援をしてくれる人はいるか
・必要となった場合、経済的支援など実質的な支援が得られるか

④ 戦略(Strategies)
・転機への対応として考えられる手段/方法はできる限り検討したか
・転機の持つ意味について色んな視点で捉えてみたか
・転機による精神的なストレスの軽減を検討しているか

<ステップ2:変化を受け止める>
ステップ1で点検した内容や点検する過程で気づいたことを踏まえて、転機をどう受け止めるか、複数の戦略から実行する一つを選んだり、新たに考え直したりしながら、転機を乗り越える為の具体的な行動計画に落とし込んで実行します。

語弊を恐れず、わかりやすく自分をロールプレイングゲームの主人公(プレイヤー)、転機を戦う相手に例えると、
 ステップ1は、戦う前に自分のレベルや装備の確認をすること
 ステップ2は、「戦う」か「防御する」か「逃げる」か「道具を使う」か
 を決め、実際にプレイすること
といえます。

私自身の経験した「人事部への予期せぬ異動」の例で当時を思い出しながらステップ1~2を試すと、こんな風になります。
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例)<ステップ1:リソース(資源)の点検(4Sの点検)>
① 状況(Situation)
転機のきっかけは、事業部のビジネスの方向性が変わり、組織が解散になったこと。自分にとっては想定外。転機の影響はしばらく続きそう。
とはいえ、同じように職種変換、職場異動の経験はある。
転機に伴うストレスの大きさはそこそこ。MAX100だとすると70くらい。転機はマイナスではないと思う。ぜひプラスに活かしたい。
転機のタイミングとしては望ましくない。なぜなら、子供が小学校入学直前。自分の環境はあまり変えたくない。
転機に対して自分がコントロールできるところとしては、異動オファーを受けるかうけないかの意思表示と仕事内容の希望は出せそう。最終決定は人事マター。自分ではコントロールできない。

②自分自身(Self)
将来、両立支援にも課題感あり、働き方の多様化に興味関心がある。ライフスタイルの変化に応じて働きかたを柔軟に変えながらキャリアを積み重ねていきたい。専門性を高めたい。社員のサポート、人材育成にも興味あり。
そういう意味でも、今回の異動は自分にとって、可能性を拡げ、専門性を高めるチャンス。働き方の多様化への取り組みに関われるチャンスもあるかも。そういえば、10年目研修で出てきた適職は「人事」だったことを思い出した。これまでの設計や企画部門での業務経験とプロジェクトマネジメント経験、事業部門内の人脈や業務内容の理解は人事での仕事にも役立てられそう。異動を機に仕事中心の生活を少し見直せたら理想。変化への対応能力はある方ではないか。これまでも未経験職種にチャレンジしてきた経験あり。

③ 支援(Supports)
10年前に人事に異動した同期が相談に乗ってくれるというし、異動先には人事以外の職場から異動した大先輩が2人いるので、参考になりそう。
ゼロスタートを承知での異動オファーの為、教えてもらえたり、サポートしてもらう環境はあり。現上司もいつでも相談に乗ってくれるとの話。
異動したからといって失う支援などはなさそう。研修もあり、学ぶ機会は十分に用意されている。現上司は応援してくれているし、家族も支えになっている。
会社を辞めるわけではないが、年収が減ったり、万が一辞めたくなっても
夫に頼れば経済的には困らない。

④ 戦略(Strategies)
時間のない中、他の異動先の可能性も含めて検討したと思う。今後長く勤めるという観点や転職の観点からも考えてみた。
うまくいかなくてもともとだと考えれば、ストレスも大きくない。
上手くいかなければ、他に異動先として検討している部署への再異動も可能性は残されている。

例:<ステップ2:変化を受け止める>
ステップ1を点検し、整理していく中で今回の異動オファーを断る理由はなさそう。不安な点もあるが、念の為に数年前に人事に異動した同期にヒアリングさせてもらうことで、ある程度解消できるかもしれない。人事部長にも返事をする前に、自分の思い描くキャリアプランや取り組みたい事、働きかたについてなど伝えたい事を事前にまとめて伝えておこう。
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こんな感じになると思います。

***


いかがでしたでしょうか?

今回はキャリアカウンセリングの場でも用いられているキャリア理論から
「転機を乗り越えるセルフ点検」のひとつの手法を紹介しました。
その他、転機の深刻さを評価するポイントや転機による変化対処する本人の対処能力を振り返るポイントなども併せて見ていくとより効果的ですが、ご興味のある方は、以下に紹介している書籍を御覧いただければと思います。

参考文献:「キャリアカウンセリング」宮城 まり子 駿河台出版社


こうして転機を迎えた時に、さまざまな観点から点検することを通じて、
転機と自分の状況を客観的に見ることができます。
そうすることで、自分と転機の理解を深められ、予期せぬ受け身の転機でも、うまく乗り越え、より転機を活用していけるようになると思います。

とはいえ、自分一人では、時間もないし難しいな‥という方は、
私たちキャリアコーチが考えるお手伝いをいたしますので、
いつでもお声がけください。

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