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デフフットサル女子日本代表チームのメンタルトレーナーが「世界一」を目指すチームの進化の軌跡をコーチング視点で振り返ってみた

me:Riseキャリアコーチの高橋基成(プロフィール)です。私はキャリアコーチと並行して、スポーツメンタルコーチとして今回取り上げるとある競技の日本代表チームや高校球児などを幅広くサポートしています。

今回は、私が2017年からメンタルコーチとしてサポートしているデフフットサル女子日本代表でのサポート事例から、キャリアコーチングに触れてみたいと思います。

まず、デフフットサル日本代表って何?と思った方もいらっしゃると思いますが、「デフ(=Deaf)」とは耳の聞こえない、聞こえづらい人たちのことです。フットサルという競技はご存知の方も多いと思いますが、5人制サッカーとも言われていますね。耳の聞こえない、または聞こえづらい人たちで結成されているフットサルチームです。

ご存じない方も多いと思いますが、日本には聴覚に障害がある方々のフットサル日本代表チームがあり、私は女子チームのメンタルトレーナー兼手話通訳としてチームに帯同しています。

2019年11月9日~16日にスイス・ヴィンタートゥールでデフフットサルワールドカップ2019(以下、W杯)が開催されました。フットサル日本代表チームは、アジア予選で女子日本代表が優勝、男子日本代表は準優勝で出場権を獲得し、「世界一」を合言葉に練習に取り組んできました。

W杯の女子日本代表の結果は、惜しくも優勝国ブラジルに準々決勝で敗れてしまいましたが、順位決定戦では2連覇中だったロシアを相手に6−2と勝利し、前回大会を上回る5位で大会を終えました。

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(画像提供:一般社団法人日本ろう者サッカー協会

4年前のW杯開催から1年後となる今から約3年前に新チームが結成され、このW杯では「世界一」を目標に強化を図ってきましたが、このチームの進化の過程を、me:Riseが大切にしたい5つの要素に当てはめて、振り返ってみたいと思います。

<オンラインキャリアコーチングサービスme:Riseが大切にする5要素>

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<デフフットサル女子日本代表チームの3年間の軌跡>

1. 課題の明確化

デフフットサル女子日本代表チームは、3年前に「世界一」という目標を掲げました。その目標を達成するために、現チームの「課題の明確化」に取り組みました。一番顕著に感じるのは欧米選手との「体格の差」です。体格の差を埋めることは、体の小さい日本人にとっては簡単ではありませんでした。他に、どんな課題があるかのかを言語化し、優先順位を決め、整理をしていきます。課題が多いと頭を抱えたくなってくるかもしれませんが、「課題は当人にとって伸びしろでもある」と捉えることができます。

伸びしろを伸ばしていくために、世界に勝る「自分たちの強み」は何かに目を向けていくことになります。

2. 自分を知る

日本の選手たちの強みは、「スピード」と「スタミナ」、そして「勤勉さ」にありました。
欧米の選手は、体は大きいですがスピード・スタミナがなく、早い展開で攻守の切り替えが起こるフットサルの展開には慣れていないと監督は分析をしていました。だとしたら、日本代表はその部分で世界を上回れると気づきました。一番の課題だった「体格の差」ばかりに囚われていたら、このような新たな視点は持てなかったかもしれません。

「原因」にばかり目を向けると、自分を信じられなくなってきます。逆に自分自身の「強み」や、「本当やりたい(やれる)」ことに目を向けていくとで前向きにチャレンジしていく気持ちが溢れてきます。

3. 可能性を広げる

新チームがスタートし、新たな挑戦が始まりました。3ヶ月に一回の合宿の中で、「スピード」「スタミナ」「勤勉さ」を生かした豊富な戦術をチーム浸透させていくことになります。今までのレベルをさらに引き上げる挑戦です。

練習の成果は徐々に徐々に積み上がっていくのですが、最初は今までにない練習の強度に、体と気持ちがついていけずに辛い思いをしたり、戦術の理解に時間がかかったり、私はついていけるだろうかと悩む選手もいました。

私の役目としては、手話通訳として戦術理解の一助となり、気持ちが折れそうになった選手に寄り添い、励まし、メンタルコーチとして選手の心を支えていきました。

何事も新しいことに挑戦していると、失敗もつきものですし、初めからうまくいくとは限りません。しかし、「その失敗から何を学ぶか」によって、何事にも代えがたい貴重な経験にもなりますし、さらに洗練された気づきを与えてくれる機会ともなり得ます。その挑戦を支え、応援してくれる人が大勢いることにも気づくチャンスです。

達成したい目標を実現するために、「行動する(挑戦し続ける)」ことが、皆さんの可能性を広げていくことになります。

課題を整理し、目標は作ってみたけど、忙しくて実際行動できていない……。この状況、実は多くないでしょうか。

私たちコーチは、その挑戦からの学びを一緒に探求し、近くで皆さんの可能性を信じ応援する存在でもあります。

4.未知の世界を知る

新しい挑戦をしていくと、自分が今まで経験したことのない世界を知ることになります。それは、場所や経験だけでなく、新しい考え方や視点、自分の中に眠っていた思いや感情など、自分の潜在意識に気づくきっかけでもあったりします。

デフフットサル代表は、国内トップリーグのチームとのトレーニングマッチも重ね、チームのレベルも選手も意識も高まり、4年前とは違うチームへと変貌を遂げていきました。2019年2月に行われたW杯予選では全勝優勝を果たし、W杯への挑戦権を得ることができました。新しい挑戦をし続けたことが、次への挑戦権に繋がっていきました。

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(画像提供:一般社団法人日本ろう者サッカー協会

国際大会で結果につながったことは、選手たちの自信になり、それとともに国際大会での経験から、新しい課題(のびしろ)を再確認することも繋がっていきます。

そして、今回のスイスワールドカップ2019で掲げた目標「世界一」を目指して戦うことになりました。

「未知の世界を知る」ということでは、アジアとは違うフィジカルの強さをW杯でまたしても経験することになります。
しかし、自分たちがやってきたことを見失ってはいけない。自分の強みを生かし、強化してきた切り替えの早さとスピードを生かした戦術で戦い続けました。

準々決勝でブラジルには敗れたものの、2連覇していたロシアを相手に6−2で勝利し、史上最高5位という結果で大会を終えることができました。

新しい世界を知り、新しい可能性を見つけ、その中で挑戦し続けることで、自分自身の自信と成長に繋がっていきました。

5. 行動する

結果は必ずしも自分でコントロールできるものではありません。「世界一」を達成できなかった悔しさも残っています。この時大切なのは、次に向けて「行動し続ける」ことです。

W杯に向けて、A選手は、聞こえない選手としては初めて日本トップリーグへの入団を志願し、高いレベルで揉まれることでレベルアップを図ってきました。また、B選手はW杯を終えて、世界で互角に戦う舞台を求めて、海外挑戦の準備をしています。

「聞こえない」という障害がありながら、彼女たちは自身の目標を実現するために、行動(挑戦)し続けています。その先、どんなことが起こるかは誰にもわかりません。未来を変えるには、今の現状から一歩踏み出し「行動していく」ことです。

「忙しい」「時間がない」という理由や、「できるわけがない」という限界は、自分で決めつけているだけに過ぎないと私は思います。

今回は、スポーツを通じて、私たちコーチが大切にしたい要素をお伝えしてきました。スポーツの場でも、仕事の場でも大切にしたい要素は同じです。「やらなければ」という思いを「やってみたい」に変え、自分らしく挑戦していくことが、皆さんのキャリアアップの力となり、人生を一層豊かにしていくのではないでしょうか。

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