年下上司と接するときの3つのポイント
こんにちは。me:Riseキャリアコーチの中田です。(コーチ紹介インタビュー)
新年度に入り、新しい会社、部署、ポジションで働かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近企業研修やコーチングの中で、年上部下とのつきあい方や年下上司との接し方について相談をいただくことが増えてきました。
これまで多くの日本企業は一斉雇用・年功序列を前提として、
入社年次の早い人から昇進することが暗黙の了解のようになっていましたが、最近は中途採用の方が増え、人事評価制度の変更、会社の吸収・合併、あるいは再雇用制度の普及等により
自分が想定していなかった「年上部下」や「年下上司」に遭遇して戸惑っている方も多そうです。
今日はその中でも「年下上司」との接し方のポイントについて
私が経験した事例を用いながらお伝えできればと思います。
1. 自分の本音を認める
コーチングセッションで、30代後半の男性Sさんが言いました。
「今の本社の人事部署で今後もがんばるより、昔の上司が来い来いと誘ってくれている関係会社に転籍しようかなと考えているんです。」
キャリアの悩みかなと思いながら話を聞いていましたが、なんだか歯切れの悪いSさん。
「Sさん、転籍したいと仰っているものの、Sさんの言葉からは本社の仕事の方に魅力を感じているように聞こえますよ」
とお伝えすると、Sさんが言いました。
「今の上司とウマが合わないんです・・・。」
聞くと、数ヶ月前に会社の組織改変があり、グループ会社を含めた人事機能が統合され、
Sさんの上司に、かつての後輩の女性、Kさんが着任したそうです。
Kさんといかにウマが合わないかを話し続けるSさん。
最後にボソッといいました。
「僕の方が能力があるはずなのに、彼女が昇進するのが許せないんです。」
コーチングのテーマとしてはキャリアの悩みで始めましたが、
実際の核心の悩みは
「能力が自分より低いと感じる元後輩が上司になったことで、今の部署に留まることが自分として許せない」
ことでした。
本音を口に出したSさんは、口に出して少し気まずそうにしながらも
なんだかホッとした表情を浮かべていらっしゃいました。
「そう、自分は今の状況を受け止めきれていないんです。嫌だと感じていたのが話してよく分かりました。」
2.今の状況を受け止める
事例に戻ると、本音に向き合えたSさんは、今の会社に留まる場合は後輩が上司になることは事実なので受け止めるしかないと吹っ切れたようでした。
「先日彼女を含めたチームミーティングがあったのですが、とても感じ悪く接してしまったんですよね。悪いことしたな。」
とSさん。
自分の本音(気持ち)に気づけたことで、その気持ちから行った自分の言動と相手への影響を冷静に振り返ることができるようになりました。
その後、セッションでのやり取りを通して、Sさんは今の会社で働き続けることを選び、
「彼女を全面的にサポートしたいと次の打ち合わせで直接伝えるようにします。」
と、笑顔で話されていました。
3.プロフェッショナルな部下としてチームに貢献する
状況は受け止めたけれど、ついつい年下上司の至らないところが目についてしまう、
昔の感覚が抜けきれずに先輩として接してしまう、という方を見てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・。
見ている方もなんとなく居心地が悪いですよね。
ここで大事なのは部下としての役割に徹する=プロフェッショナルに行動する、ということです。
前職では、“プロフェッショナル部下”のお手本のようなAさんと幸運にも一緒に働くことができました。
Aさんの行動をいくつか挙げると・・
年下上司に敬語を使う(=上司として尊重する)
年下上司にアドバイスをするが、上司の判断を尊重する
年下上司と日頃からコミュニケーションをとりサポートする
自分の経験を(自慢ではなく)惜しみなくチームに提供する
目線は常に「チームのため」「お客様のため」
このような行動をされていました。
おそらく上司も気を遣っていたとは思いますが、
チーム目線で色々なアドバイスやサポートをしてくださるAさんのおかげで
山場を切り抜けられたことが何回もあったと感じます。
何よりも、メンバー皆から慕われており、気軽に相談できるチームのメンターのような存在でした。
その後、Aさんは関係会社の役員に抜擢され、今度はチームを率いるポジションとしてご活躍されていました。
以上が、年下上司との関わり方で大事にしたい3つのポイントになります。
最後に、年下上司の下で働くことへの戸惑いや、やりづらさは大なり小なり感じることがあると思いますが、
是非、年下上司が皆さんのことをどう思っているか、
皆さんと働くことに上司も戸惑いを感じているとしたらどのようなことか、
相手目線に立って一度考えていただくことをおすすめいたします。
これから一層転職が増えることが予想される中で、年下上司、外国籍の上司・部下、など、
これまで想定していなかった人たちと今後働かれる機会があるかもしれません。
そのような環境で大事なのは、まず自分がどう感じているか、自分の本音を認識し受け止めた上で
相手を知る、相手に歩み寄っていく、一緒にチームを良くしていこうという姿勢ではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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