見出し画像

転職時に気をつけたい確証バイアス~後悔しない転職のために~

こんにちは。me:Riseキャリアコーチの志賀です。(>>コーチ紹介インタビュー)

「今後のライフイベントを考慮し、収入を増やしたい」
「スキルが身につけられる仕事に就きたい」
「個人の裁量が大きい職場で働きたい」
「完全リモートワークの仕事がしたい」

キャリアの多様な選択肢が生まれている今、転職を考え始めるきっかけは、実にさまざまです。

4月は、新しい季節であると同時に、自身のこの先のキャリアを見つめ直したり、転職について考えたりするタイミングが訪れる瞬間もあるかもしれません。本記事では、後悔しない転職のために、選択プロセスで役立つ観点をご紹介できればと思います。

***

転職前に知っておきたい「確証バイアス」

「その転職で得られるものは何か?」ということを考える人は多いと思いますが、実は、同じくらい大切なのが「その転職で失うものは何か?」ということです。

私たちは、自分が得たいと思っているものには、自然と意識が向きますが、すでに満たされていたり、自分にとって当たり前に存在しているものには、目が向きにくいもの。

「失ってはじめて気づく」とは、誰もが聞いたことのある言葉かと思いますが、転職においても、これが当てはまってしまうケースがあります・・・

なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか。
それは、誰もが持っている「確証バイアス」により、偏った側面からしか、物事を見ることができなくなってしまうことがあるからだと考えています。

「確証バイアス」とは、自分が持っている考えを肯定するような、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向のことで、心理現象の一種と言われています。

note画像1

転職という大切な選択で、偏った判断による後悔は避けたいものですよね。

そこでまずは、この「確証バイアス」の存在を知り、その転職により、何が得られるのか?だけでなく、何を失う可能性があるのか?ということにも、しっかりと目を向けておくことが大事になります。

もう少しイメージを持っていただくために、2つの事例を一緒に見ていきましょう。

事例①「地方企業への転職」

コロナ禍では、大都市圏から地方への移住、転職を検討する人が増えています。在宅時間が長くなったことから、自分にとって理想の住環境や、時間の使い方を見つめ直す機会が増えていることが考えられます。

「地方企業に転職して、働く時間を短縮し、家族との時間を大切に過ごす」ことを叶える転職をした場合、何を失う可能性があるでしょうか?

例えば、現状の給与水準、昇進・昇格のチャンスが失われたり、これまで培ってきたビジネス慣習が通用しなくなる、という可能性もあるかもしれません。

『働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的なキャリア行動』(中原淳 他[2021])では、転職前後の不満に関して、興味深い記述がありましたので、引用させていただきます。

「地方転職」に惹かれる人の特徴的に多いきっかけの一位は「労働時間を短くしたい」、それを転職したあとの不満の一位は「所得が下がった」です。当たり前ですが、労働時間が短くなれば、所得も低下します。そもそも地方企業は都市部の企業と比べて規模が小さく、成長も緩やかなことが多く、相対的に所得が上がりにくい構造になっています。

事例②「ベンチャー企業への転職

大きな組織の中で働いている方が、組織の意思決定スピードへのもどかしさや、部門をまたいだコミュニケーションの複雑さなどから、自由度や風通しの良さを求めて、ベンチャー転職を試みるケースがあります。

ここで、失われる可能性のあるものは、何が考えられるでしょうか?

例えば、現職企業の肩書き、安定した顧客基盤、安定した経営への安心感、手厚い福利厚生、細やかな教育体制などがあるかもしれません。

前述の著書では、ベンチャーへの転職前後の不満について、以下の記述があります。

「ベンチャー転職」に惹かれる人の特徴的に多いきっかけの一位は「上司を変えたい」ですが、実際に転職後の不満を見ると、「組織に一体感がない」という特徴が一位に来ています。厳しすぎる上司に嫌気がさしてベンチャー企業に転職したら、マネジメントが緩くてバラバラの組織で働くことになった、といったケースが想像されます。

大切なのは、転職によって「得られるもの」と「失うもの」の両側面に目を向けておくこと

2つの事例を通じて、希望が叶えられる一方で、失われる可能性のあるものを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。もちろんですが、「失うもの」があるから、その選択をしないほうが良いということではありません。どんな選択にも、得られるものと同時に、手放すことが必要なものはあると思います。

転職という大切な選択を、より納得感のあるものにしていくために大事なポイントのひとつは、建設的に判断するための材料を多面的にそろえることだと考えます。そのために、できる限り確証バイアスを取り除いて、その転職によって「得られるもの」と「失うもの」の両側面に、しっかりと目を向けておくことが役立ちます。

不満とは、自分が想定していなかったときに起きやすくなるものです。裏を返せば、事前に想定していることは、それも踏まえての選択ということになるので、不満に発展しにくいです。また、ネガティブなものでも、想定の範囲内であれば、事前にカバー方法を考えておくこともできるでしょう。

***

いかがでしたでしょうか。今回は転職のテーマでしたが、「確証バイアス」は転職に限らず、さまざまな場面で現れるものです。コーチングセッションでは、問いによって、自分一人では気がつきにくい「確証バイアス」を外し、客観的に、そして多面的に状況を検証していくお手伝いもさせていただいています。



🔔オンラインキャリアコーチングサービスme:Riseでは、コーチによる無料カウンセリング(15分間)を実施しています!

2022年12月31日までの期間限定で、コーチとの1対1の体験コーチングセッションを特別価格60分間¥5,600でお受けいただけます。(通常45分間¥8,800税込)

・「いつかできたら…」「もしチャンスが来たら…」と受け身の人生を送っていることに不満
・やりたいことはあるけど、やり抜く力 GRITが弱くて、すぐ挫折しがち
・現状のキャリア、人生に何か変化を加えたい
・思い描く未来がありながらも、なかなか舵を切れない
・仕事も、人生もつまらないまま終わりたくない
と思っている方

プロのコーチが伴走してもらいながら、行動してみませんか?


🔔me:Riseのニュースレターで、キャリアデザインに関するコンテンツやキャンペーン・イベントのご案内、ニュースレター読者様限定のme:Rise主催セミナー割引などの最新情報をお届けしています。
ご希望の方は、ニュースレター登録(無料)またはme:Riseのホームページ内の登録ボタンからご登録ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?