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シリーズBの資金調達はマラソンと格闘技の混合競技みたいだった

こんにちは。現在、音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」で働いている、AYAです。Voicyには2021年9月にジョイン。Voicyに辿り着くまで、メガバンク(SMBC)や戦略系コンサル(BCG)、メガベンチャー(LINE)の3社を経験した私。

実は…Voicyに入社して約半年、2022年7月13日に資金調達の発表がありました!🙌 新しいチャレンジを続けるチケットを貰えた、非常に嬉しく、気の引き締まる発表です。

まず何より、これまで音声というサービスをゼロから作って道を切り拓いてきてくれた、Voicyに関わってくださった全ての皆さんのおかげで、資金調達が実現できたことに心から感謝です。

この資金調達、ちょこっと中の人として、色々なチャレンジを経験させてもらったので、今日はこの体験について書いてみたいです。入社してすぐに事業に真剣に向き合うことができた最高のスタートだったよ、という話。

ちなみにタイトルにある「マラソン」は走ったことありますが、「格闘技」は実際にはしたことがないので、想像です。あくまでイメージです。


Voicyにジョインした日

Voicyにジョインした日、つまり初日、代表の緒方からカジュアルなトーンで話しかけられた会話の一部から増資検討チームに参加。
「そろそろ資金調達が必要やねん。中川(←あだ名:ゆきぽよ)が動いてるから手伝ってくれる?」

そもそも入社初日、事業のこと余り分かっていない人間に、すごいことを投げる代表の胆力(?)😅

ここから、前回の資金調達時のことや、その後の展開について、急いでインプットする日々がスタートしました。このタイミングでは、まず私にできることは限られているため、とにかく「新しい目」として、外部の人が分かりやすい整理の役に立とう、というスタンスでした。

この時、1つ1つ丁寧に説明をしてくれたのが、中川さんこと、ゆきぽよ👇

入社以来、色々と相談させてもらうことが多く、困ったらゆきぽよ状態の私で、勝手にバディのような気持ちでいます😆

右往左往する日々

スタートアップあるある、ですが、VoicyもシリーズAの時に描いていたビジネスモデルと現実は変わっていました。(←想定通り)
Voicyの場合、既存のサービスをデジタル化したり、スマホ最適化するような事業ではないため、どのようなビジネスモデルがマーケットニーズとフィットしているのか?という点が非常に難しい部分。

そもそも「音声でワクワクするような世界を作りたい!」という純粋な気持ちで利用者数を徐々に増やしてきたVoicy。金を稼ぐ(事業)ということに対するプライオリティは低めなタイプ。
こういうタイプ、投資家からすると「ボランティアじゃ無いんだよ」っていう感じなんですよね…

更に、当初の事業計画と比べて、一時期の組織崩壊などの影響もあり、開発スケジュールなどにも影響が出ていた部分があって、機能開発が一部後ろ倒しになっていたため、収益をどのように生むプラットフォームなのか?というポイントが見えづらい状態でした。

(今は少し状況が変わってきていますが)
当時はSaaSモデルのスタートアップが軒並み高評価を受けていました。
とにかく顧客数を伸ばせば、どこかのタイミングで固定費部分を収入が上回り、損益分岐点を超えていき、そこからは明るい黒字の世界が見える✨ということで、VCなどの投資家にとって投資判断がしやすかったということだと思います。

一方で、固まらないVoicyのビジネスモデル。色々悩みました。

多くの人が使うインフラみたいなサービスを目指すの?
それとも、一部の特定層を狙ったサービスを想定して成長を目指すの?

YouTubeみたいに、ユーザー(リスナー)を伸ばして広告を入れるの?
Netflixみたいに、コンテンツ制作に多額の投資をして、リスナーに有料課金モデルを導入するの?
などなど。。。

加えて、投資家にプレゼンする度に色々と厳しいお言葉も受けるので、緒方さんも悶々としていました…。色々なご意見を受けるたびに、悩みが深まる日々。

こんな日々でも、ゆきぽよと話していると、まぁ仕方ないよね、なんとかなるよね、みたいな気分になれて… 誰と働くか?って本当に大事なことです。

不安と闘って出した結論

色々な可能性を議論する日々が続きました。
議論を進める中で大事にしたことは、緒方さんの考えている世界観を壊さない将来像を描こうということ。こっちの方が事業的に儲かるから、というような議論は絶対にしない、と。

一方で、「みんなが聞いて楽しい」といった抽象度が高いイメージをいかに具体化していくか?が大変な作業。なぜなら、ここを具体化していくということは、将来の幅を狭めることでもあるから。とんでもない素敵な可能性を捨てているのではないか?という不安との闘い。

そして…
結局、Voicyの強みに立ち返ることにしたのです。こんな風に書くと、なんだか薄っぺらい「よくあるパターン」の感じに収まってしまうのですが、投資家からも日々ボコボコにされ、稼ぐ状態にしなきゃ!と焦っていると、なかなか見失うものなんです😭

Voicyの強みとは?

Voicyの強みとは、やはり素敵なパーソナリティの方々がいらっしゃるということです。そして、そのパーソナリティに惹かれて日々、彼らのお話を楽しんでくださるファンの方々(リスナー)がいらっしゃる。

コメント欄も平和で、声だけなのに、パーソナリティとリスナーの皆さんとの関係がとても深かったり、強かったり。結果、企業スポンサーがつくチャンネルが生まれ、タイアップ放送(PR案件)なども始まっています。
更に、課金リスナーを対象とした有料放送(プレミアムリスナー)を展開するチャンネルも増えており、クリエイターズエコノミーとして機能するようになってきています。

そんなパーソナリティの方々が発信しやすい環境を強化しながら、ビジネスモデルを構築していくことがVoicyの在り方だと改めて腹を据えることに。

資金調達に"ほぼ確"が灯った時

さて、Voicyの強みを明確にしてみると、徐々に光が見え始め…
ある投資家の方からVoicyの強み、そして将来性を評価したいと言ってただけたのです。最初、緒方さんからこの一報をもらった時、ちょっと半信半疑になるぐらい嬉しかったのを覚えています!

ここから既存投資家との調整なども行い、先日(2022年7月13日)にリリースさせて頂いた通り、資金調達が実現しました。

ちなみに、様々な調整を終えた瞬間、いつも冷静なゆきぽよの目に涙が溜まっているのを見て、「あーようやく実現するんだ」と私も実感が湧いたことを昨日のように思い出します。あの涙、一生忘れることは無いと思う。

ロシアによるウクライナ侵攻に影響を受けたマーケット環境(株価下落)もあり、あと一歩遅れていたら…と思うタイミングでもありました。
Voicyの将来性を感じてくださった投資家の皆さんに応えるため、引き続きサービス拡充・向上に努めていきたいと思います!

振り返ってみて…

まず、事業の軌跡から将来像まで、こんなに本気で向き合う機会を入社早々に頂けたことは、本当に恵まれていたと思います。

そして、何枚スライドを書いたことか。。。
ゆきぽよには、何回、事業計画のスプシを作り直してもらったことか。。。

とにかく没になる覚悟で、ふわふわしている内容を見える化し、議論を進めることの重要性を実感しました。
緒方さんや社内のメンバーと議論を進めるために、ビジネスモデルのイメージや将来像をスライドに落とし、「この部分はもっと〜じゃないか?」「ここはもっと〜のイメージに近い」といった話ができるようにしました。スライド描くのが大好きオタクで良かったと思います。

具体的な叩き台があると、「何が実態とズレているのか?」「メンバー間で、どのポイントにおいて考えの差異が発生しているのか?」「もっと分かりやすくするためには何が足りないのか?」など議論が深まります。

分かりやすい先行のビジネスモデルがない、手探りでファーストペンギンであり続けようと思っている私たちだからこそ、正解を描くスライドではなく、議論の叩き台としてスライドを描く手間を厭わずに続けていきたいと思います。

ちなみに、資金調達に関しては、こちらのnoteもぜひ読んでいただきたいです👇

ではでは、また次回。

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