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キャリアコンサルタントの自立の方法: ビジネススキルの重要性

ここまではキャリアコンサルタントとして自立していくために、いくつかの自立の方法を紹介しました。

以前は派遣社員からスタートしたり、業務委託で自立する方も多かったのですが最近は副業をしながらローリスクで自立したいと考える人も増えています。

そうした中で自立したキャリアコンサルタントとして活躍するために欠かせないのが、「したいこと」でははなく、これまで培ってきた「できること」です。言い換えるとこれまでのキャリアやビジネススキルだと僕は考えています。

キャリアラボの面接ではそうしたスキルを見ていますし、いろんな方の自立のサポートをしてきて実感していることでもあります。

ここではキャリアコンサルタントの自立に必要な「ビジネススキルの重要性と具体的に使えるスキル」について解説をしていきます。


ビジネススキルが重要なわけ

なぜ、ビジネススキルに焦点を当てる必要があるのでしょうか?単純に言えば、キャリアコンサルティングの知識だけでは仕事にならないためです。身も蓋もないですが、キャリコンの資格を取得しても仕事の依頼が自動的にやってくることはよほど運が良くない限りほぼありません。

キャリアコンサルタントのビジネスモデルが確立していない

理由のひとつはキャリアコンサルタントのビジネスモデルが確立していないことです。活動領域が広いといえば聞こえはいいですが、実際には金額やビジネスモデルそのものが業界内でも確立されていません。いくつかキャリアコンサルタントが集まる団体もありますが、独立後に仕事をしていく場合、自分でどうすれば自立できるかのルートを確立していく必要があります。

パンを作る技術とパン屋を経営する技術は別のもの

例えば、キャリアコンサルタントとして自立していくために必要なスキルをパン屋さんで考えてみましょう。あなたはパン作りの技術をとことん磨いたパン職人です。日々、美味しいパンを作ることに余念はなく、時間があればパンを作る技術も磨いています。

では、そんな美味しいパンが作れるお店が大繁盛かというとそうではありません。

なぜなら、パンを作る技術とパン屋を作り、経営する技術は別のものだからです。
パンを作る技術が上手くなっても、パン屋を経営する力がなければパン屋は潰れてしまいます。

キャリコンの技術と経営するためのビジネススキルは別のもの

同じことがキャリア支援にも言えます。キャリアコンサルティングの技術と、キャリアコンサルタントとして自立し、自分という会社を経営していくビジネススキルは別のものです。いくらキャリア面談の知識を高めても、自立して自分を守るスキルがあるからキャリコンとしての自立が可能になります。

ビジネススキルの学びの機会の不足

残念ながら、現行のキャリアコンサルタントの取得では、自立に必要はノウハウやビジネススキルを学ぶことはあまり多くありません。キャリアコンサルタントとして活躍するための専門的な知識の取得が中心になるためです。そのため、これまで学んできたビジネススキルを棚卸し、自分がどういう分野であれば活躍できるのか整理する必要があります。

自分の武器になるスキルを見つける

転職と同じで職務経歴やこれまでのキャリアを振り返る

自らのキャリアを活かして、ビジネススキルをどのように活用できるのでしょうか?

転職時に作成する職務経歴書は自分の強みの棚卸しがとても有効です。キャリアコンサルタントで新しく仕事を始めるということは、ほとんどの方は異職種に転職をすることと同じです。そのため、転職と同じように自分のこれまでを整理するのが有効なのです。

自分一人だとなかなか自分の武器に自信が持てない方もいらっしゃいます。自分で見つけにくい場合は、自分が活躍したい分野の現役で仕事をしている方に相談するのがおすすめです。

自立の仕方が「起業」ならもう少しスキルが必要になりますが。多くの方の場合、フリーランスで仕事を受けたり、どこかの組織に所属することが一般的です。その場合は、起業するスキルと考える必要はありません。

キャリアコンサルタントとして自立するために使えるスキル・知識

ここではキャリアコンサルタントとして仕事をしていくためにアピールできそうな力を大きく6つの項目に分けてみました。

上記の表はキャリアラボで作成している独自のものですが、転職時の採用で確認することをベースに独自で類型化しています。

ざっくりと簡単に整理すると以下の6つに分かれます。
 ①キャリコンのスキル・知識
 ②業界知識
 ③仕事の進め方
 ④人との関わり方
 ⑤相性
 ⑥今後のキャリア

6つのアピールポイントのうち、キャリアコンサルティングの経験がある方はあまりいません。業界の知識に関しては、人事経験や人材業界の経験があると、若者の支援に関しては使える知識が多くあります。ただ、多くの方が人事経験者や人材紹介会社出身ではないと思います。

未経験からのデビューで大事なのは「組織との相性」

未経験者の場合、大切になるのは所属する組織との相性です。これは人によってかなり異なりますが「仕事があるか?」という仕事の数で見ていたらおそらく期待外れになることが多いと思います。それぞれの組織で人材の育成方針や仕事の依頼の方法は異なります。

例えば、資料も含めて全部作成する必要もある会社もあれば、ある程度、資料などは作成されており最初はやることがかなり細かく決まっている会社もあります。

仕事の進め方も未経験者にも積極的に仕事を振る会社もあれば、丁寧に研修を積みながらデビューの機会を増やしていく会社もあります。担当者との相性もありますので、しっかりと組織の相性を見極めていきましょう。

自分の仕事の進め方や人との関わり方も整理する

同時に自分の仕事の進め方や人との関わり方などを整理していきましょう。こっそりとお伝えすると、デビューはした後に、2回目、3回目のリピートに繋がる方はそこがプラスに働いている人も多いです。例えば発言一つとってもこんな違いがあります。

自分のしたいことを整理する

最後に自分がどんな支援をしたいかです。例えば、キャリアラボの場合は若者支援をしている団体ですが、シニア層の支援をしたい場合には方向性が合いません。したいことについてはいろいろなところでいわれているのでここでは割愛しますが、今後自立していくためには、したいことを進化させていくことが大切になります。

まとめ

というわけで、自立したキャリアコンサルタントとして活躍するために欠かせないビジネススキルとその種類について解説してきました。もちろん、求められるビジネススキルは法人によっても異なると思いますので今回紹介したビジネススキルはあくまで参考にしていただけると幸いです。

次回は実際にキャリアラボの採用基準についてメルマガで発行した内容を元に解説をします。今回の記事がキャリアコンサルタントの仕事のリアルを知り、あなたのキャリアプランの参考になれば幸いです。

また、「こんなこと知りたい」ということがあれば気軽にコメントいただけましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

著者プロフィール 松田剛典

一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp 
ツイッター:https://twitter.com/goten_m

株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。キャリア支援の仕事を始めて約20年目。複数の大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで全国の高校大学を訪問する実践型キャリア支援家。年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座を運営。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房

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