見出し画像

認知症とは何か、と火曜日のアンバサダー

こんにちは(^^)
ふじもんです!

早速ですが、今回のアンバサダー連載から「認知症の基礎知識」について解説してまいります。
よろしくお願いしますm(_ _)m

前回の記事にも書かせて頂きましたが、2012年の高齢者(65歳以上)の約7人に1人が発症していること、2025年には約5人に1人が発症するという統計になっている認知症。
(データは平成29年版高齢者白書・内閣府発表より)

超高齢化社会に突入する日本で暮らす人にとっては必要不可欠な知識です。
また、介護会社に入社してすぐの社内研修でも取り上げられる介護職員としても重要なテーマでもある認知症。

ぜひ、最後までお付き合い頂ければと思います。


認知症のイメージは?

皆さまが思っている「認知症の人」はどんなイメージでしょうか?
認知症について知っていることは何でしょうか?

優しい?
意外と普通?
同じことを何度も言う?
近しい人にケアをして欲しい?

ネガティブなことを想起しますか?
それともポジティブなことが思い浮かびますか?

もしかしたら、ご家族、身近な方に認知症の方がおられてその方のことを思うかもしれません。

実際に自分も介護の世界に入る前に、身内が認知症になりその当時の僕の認知症に対するイメージは前述したものでした。

しかし、介護職員として働く前のスクーリング(短期間で介護の資格が取得できる学校のこと)で勉強したり、働いていく中で認知症の方と接する機会を頂き、認知症の方たちへの印象や知識、抱く想いなどは変わっていった部分もあります。
ただ、変わらないこともあります。


認知症とはなにか?

そもそも、認知症とは何でしょうか?

認知症とは「獲得した複数の認知・精神機能が、意識障害によらないで日常生活や社会生活に支障をきたすほどに持続的に障害された状態」

と日本神経学会では定義されています。

つまり、認知症とは病気の呼称ではなく、認知機能が低下してしまい日常生活に継続的に支障が出てしまっている状態のことを指しています。
また、年齢を重ねていくうちに忘れっぽくなってしまうといったような「加齢による物忘れ」とも違います。

では、具体的にどういった状態になるのでしょうか。

認知症の様子


例えば

認知症でない人が、家から会社まで出かけるとしましょう。

朝起きて、ご飯を作って食べて、歯を磨く。
そして服を選んで着て、ドアのカギを閉める。
電車に乗るために駅まで歩いて、目的駅に着いたら降りて、また歩いて職場まで向かう、といった流れを自然に判断でき、実行できるでしょう。

しかし、認知症の中核症状である失行(次回以降、詳細に解説します)がある方は、パジャマからの着替えが一人で出来なかったり、歯磨きをするのが難しくなってしまいます。

歯ブラシを持つ握力などがあるにも関わらず、目的に沿って動作を行うことが難しくなってしまう状態(ここでは失行が出ている状態)にあります。

これが、認知症(認知機能の低下により、日常生活に継続的に支障が出てしまっている状態)です。

口腔ケア


認知症と老化による物忘れの違い

「加齢による物忘れ」と認知症は何が違うのでしょうか。
これには変化の出方や原因に違いがあります。

例えば、会話に関していえば、「加齢による物忘れ」では会話の内容を忘れてしまうというような、出来事の一部を忘れてしまう「ど忘れした!」といったイメージです。

つまり、会話したこと自体は覚えていて、大まかな話題や誰と話したか等は覚えているのに内容を思い出せない…。といった状態です。

一方、認知症の方は、会話したこと自体を忘れてしまうといったように、出来事そのものを忘れてしまう状態です。
これは中核症状の記憶障害を発症している状態です。

認知症の方が同じ質問を何度も繰り返すのは、自分がご飯を食べたこと、質問したこと自体を忘れてしまっているからなのです。


中核症状とBPSD(行動・心理症状)

介護の世界では認知症の症状を大きく2種類に分類して考えます

1つは中核症状
もう1つは行動・心理症状(BPSD)です。

中核症状は、程度の差はありますが認知症の方にほぼ共通して現れる症状となります。

認知症の原因となる病気(アルツハイマー病、レビー小体病等)がいくつかあり、それらの病気の影響により脳の一部が萎縮、変性したり、血の巡りが悪くなってしまい、認知症を発症します。

大まかに言えば、脳の萎縮などが原因で、脳の機能がストップすること等によって引き起こされる症状が中核症状です。
そのため、程度や種類の差はあれど認知症の方にほぼ共通して現れる症状です。

例に挙げた、着替えや歯磨きが出来なくなってしまう「失行」や、会話したことそのものを忘れてしまう「記憶障害」がこの中核症状に当たります。

更衣介助


一方、行動・心理症状(BPSD)の出現は個人差があり、また、同じAさんであっても住んでいる環境、その日の体調などによって現れ方が変化することがあります。


今回はここまでにします!
次回の記事では中核症状について、その次は行動・心理症状(BPSD)をより詳しく説明していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の記事もよろしくお願いしますm(_ _)m

地域のチームケア


参考資料:
・介護職員初任者研修課テキスト②ーコミュニケーション技術と老化・認知症・障害の理解ー
日本医療企画発行

・介護の基礎知識ー認知症の知識と対応のヒントー
ベネッセスタイルケアHP

素材:介護アンテナ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?