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ファイアパンチを読んだ

感想です。ネタバレはたぶんあります。注意。



藤本タツキ氏の『ファイアパンチ』、面白かった。面白いんだけど、
ずっと怖かった。人間の真っ黒い部分をずっとずっと見ているみたいでずっとつらかった。

以前ジャンププラスで1話だけ無料で読んで、
内容がダーク過ぎて病む…無理や…と思ってしばらく読めないでいた。

人肉喰うという世界観、肉体再生しながら延々炎に焼かれ続けるアグニとか…。
なるほどなぁ~~~再生能力と消えない炎かぁ~作者天才だな~~~と思ったけど

怖いって。

作者の発想悪魔か?????

燃える皮膚、というか筋肉とか骨格とか絵が凄すぎて本当に怖いんだよ。ぼかして描かれてたら、いやこれ漫画だしなぁ、って恐ろしいと思わなかったかもしれないけど絵が…絵が………。

というか主人公が燃え続ける設定ってそれを描き続けるのめちゃくちゃ大変なのでは。これ映画じゃできないよな。

最初から最後まで絵が凄かったなぁと思う。ずっと怖かったな。


トガタが出てきた辺りからなんとなく怖いのが和らいだ。そう、和らいだ。フィクションの力ってそういうことなんだなと思った。

登場人物の中ではトガタが一番好きかもしれない。トガタは飢えて死ぬこともないし、強いし、再生能力もあるから殺されることもない、ぼくらは安心して傍観者でいられる。傍観者でいることが一番楽なんだよな。怖い。



ルックバックとチェンソーマンでも信仰や宗教を微量にほのめかしていたけど、ファイアパンチではその危うさがドストレートに描かれている。
ほんとに、こういうのストレートに描いてくれる作家がいるって素晴らしいことだと思う(何様)
宗教とか絡むと敬遠されがちだし、批判されそうだけど宗教とか関係なく日常の中で我々は何かを信じてるし、自分の意思に反して物事を決めたりしてるわけで。

とは言っても…正直なところ、『ファイアパンチ』はスケールがでかすぎてついていけなかった。というかダメージがでかすぎて意識朦朧としながら読む感じだった。

主人公イコール正義のヒーロー!という読者の崇拝信仰みたいなものを完全にブッ壊す作品だった。主人公としてやって欲しくないことどんどんやっちゃう。アグニの意識のないところでいつの間にか人を殺したりする。やめてくれって思うけどそれが人間なんだなとも思った…。怖い。


とにかく想像の斜め上をずっと行き続けた作品だったなぁと個人的には思った。トガタのようなキャラを入れ込むのめちゃくちゃ格好いいなぁ。

読んでてつらすぎて全くアグニと向き合えていないので、じょじょに…10年後とか…?また読みたい、いや、つらいな…。




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