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読書記録『明日も一日きみを見てる』角田光代
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タリーズにて
角田光代さんが愛猫トトとの日常と時々起こった小さな(時に大きな)事件をまとめたエッセイ。
〝じっとりとした〟猫のトトがなんとも愛らしく、角田さんの深い深い猫愛が染み渡る一冊。
なんてことない一文で、心がぎゅっとなったり落涙したりした。うっかり電車の中でさえも。猫飼いなら誰でも、きっとそうなる。
特にあとがきには心を、動かされた。全文引用したいほどだけれど、特に好きな部分を書き写す。
今日が昨日とおんなじで、明日も今日とおんなじで、だから一年後も今日とおんなじだというのは、以前の私にとったらものすごく窮屈で退屈で閉塞感があることだった。でも今は、違う。どうか明日も一年後も、今日とおんなじであってほしい。
それはつまるところ、トトが老いもせず、痛みもせず、今日と同じに駆けまわり、今日と同じに眠り、今日と同じにじっとりしてほしいという、かなわぬ願いでもある。
内容と構成はもちろん、文体のリズムがほんとに心地よくて、改めて好きだなあと思った。おんなじと同じの使い分けとか、神か。
また、後半の「宿命と猫界革命事件」を読み、いつかニュースで見て「おお!」と思いながら忘れてしまっていたAIM研究について調べてみた。
すると、フェリシモ猫部が奇しくも今日からチャリティーグッズ第2弾を発売するらしい。「おお」と思い物色してみたが、そこまで心惹かれるものがなかった。そこで、遅ればせながら、ごく微力ながら、直接寄付をした。
最後にもうひとつ、角田さんのことばを。
一匹の猫と出会うと、人は全世界の猫の幸福を願うようになる、と私は思っている。
私も、心から思っている。
全猫よ、幸せであれ。
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