見出し画像

【読書コラム】自宅にいながら世界の超長期トレンドを知るための5冊

うちにいることを求められると、普段は外出することを億劫に感じている人でさえ、なんだか窮屈な気分になるようだ。

ミャンマーのアウンサンスーチーさんは1989年以降、「数年単位の自宅軟禁をなんども経験したんだよ!」とか言ってみても、まぁ特に誰の心にも響かないばかりか、物知りな人からは「スーチーさんの家って5000坪もあるじゃないか!」と怒られそうだ。

ただ、みんながうちにいる間に、世界は大きく変化しようとしている。

新型コロナウィルスによる世界の混乱というのは、確実に世界史の教科書に載るような大イベントだ。世界のルールの多くを変えてしまう。リモートワークによる働き方の変化なんて、きっとまだ序章に過ぎないだろう。

もちろん、なんらかの大きな変化が起こるだろうってことは多くの人たちが察知している。だから日々の世界の変化を読み取ろうとニュースを必死で追いかけている人も多い。しかし、いま起こっていることは超長期のトレンドだから、日々のニュースを追いかけても本質は見えてこないだろう。

超長期のトレンドを語る地政学

この読書コラムを書こうと思った理由のひとつは、日々の出来事に振り回されずに広い視点でモノを見るべきだと感じたからだ。あまりにも人々が近視眼的になりすぎている。目の前の事柄に関心を持ちすぎている。

思春期の若者が真剣に”人生”について悩んでいるのに、母親から”服装”とか”食事”などの細かなことを指摘されてイラっとしている状況に近い。壮大なテーマについて考えるべきタイミングでは、もう細かなことなんてどうでも良いのだ。

世界の超長期のトレンドを知るには、やはり地政学は欠かせない。

地政学なんていう学問は、平時にはほとんど役立たずなんだけど、世界の主役が変わろうとしている今のタイミングには非常に重要だ。本書を通じて、中国やアメリカなどの大国が動くということは、どれだけの社会的な変化をもたらすのかを感じておこう。

とはいえ、全く世界史についての知識がない方にとっては意味不明な箇所もあると思うので、基礎から学び直す時間がある人には、これもおすすめ。

この書籍の執筆者である山崎圭一先生は、Youtuberでもあり、古代から現代までの世界史の授業を計200本も動画でアップされている。読書と並行してYoutubeを見ると理解が進む。

要点だけに絞った授業は、板書も分かりやすくて世界史の学び直しには最適で、このところアチコチでおすすめしている。

企業の歴史を通じて世界史を感じる

大陸とか国家とかの大まかな流れを掴んだら、もう少し解像度を上げて、世界の超長期のトレンドが自分たちの日常生活にどのような変化をもたらすのかを感じたい。

とはいえ、いきなり個人レベルへの影響まで考えるのは時期尚早なので、国家に次いで大きな存在となっている企業を通して、超長期トレンドを見てみよう。

個人的には、任天堂とホンダのほうが身近な存在なんだけど、企業の視点から世界の変化を感じるには、ソニーの方がおすすめ。世界情勢や技術の進化をうまく取り入れながらソニーが成長していく流れを見ることは、これから起こる変化への対応の参考にもなる。

ただ、このソニー自叙伝は古い本なのでkindle版がない。

そこで、日本企業ではないけれども意外と身近なところにある世界企業ということで、この本もおすすめ。

P&GはパンパースとかSKⅡとかで日本でも馴染みのある製品を作っている会社で、世界的な混乱の荒波をくぐりながら成長してきた歴史があるので、世界史の基礎を持ったうえで読むと、この本は面白い。

最後に「個人はどうする?」という問題

国家から企業へと進んできたので、最後は個人についての書籍を紹介して締めたいところだけど、これがなかなか難しい。

もちろん世の中には個人の自叙伝が山ほどあるし、歴史や時代の変化に対応してきた人々から学ぶことにも意味があるとは思うけど、あまりにも個別具体的な人物について紹介することには意味がないと感じた。

そこで、まったく別の切り口で1冊を紹介する。

山下良道先生という日本の仏教界を騒がせている僧侶が書いた本で、日々の混乱に対して個人がどのようなアプローチで挑むべきなのかを分かりやすい文章で解説してくれている。仏教史の最前線としても楽しめる。

ちなみに本書のタイトルにある「青空」というのは、雲ひとつない晴れの日の青空という意味ではなく、曇りや雨の日であっても雲の上は青空であるということを指している。

なにかと慌ただしい世の中ですが、目の前のニュースや出来事にばかり関心を持つのではなく、俯瞰的に世界を見る時間を作ってみてはいかがでしょうか。あなたに最適な書籍をおすすめします!あなたに最適な書籍をおすすめします!

あなたに最適な書籍をおすすめします!

当コラムでは、大きな時代の変化に対応すべく新たな知識を身につけたい皆さんに対して、最適な本をご紹介することを目的としています。

毎日のニュースを常に追い続けるよりも、1冊の本から得られる知識の方が重要だと考えているからです。

もし「こんな問題を解決する1冊を教えて欲しい」というような要望があれば是非、コメント欄にご記入をお願いします。

こちらとしても日々のコラムのテーマを見つけるのが大変なので、要望をいただけると非常に助かります。

よろしくお願いいたします。

さて、次回は「リモートワークを一歩進めて、リモート起業を目指そう」って観点からのコラム&おすすめ書籍について書こうと思います!

マガジン「リモートワーク時代を生き抜く読書コラム」の読者登録をお願いします!


この記事が参加している募集

読書感想文

こちらからサポートいただいたお金は、書籍購入やリサーチなどの費用に充て、さらに内容の充実したnoteでの情報発信を行うことに活用させていただきます。