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日本の社会を自律神経からマーケティング③〜社会と人の自律神経的相似性

人にとっての自律神経

人間の体が健康に生活するためには自律神経が整っていることが重要です。自律神経とはリラックス時の副交感神経と緊張時の副交感神経です。副交感神経が働くから眠くなり、十分に休まったら、交感神経が働いて朝起きる。仕事で緊張状態が続いたら、ほっと一息の休憩をするのも、実は自律神経が要求していることなのです。緊張とリラックスをバランスよく交互に繰り返すと身も心も健康に暮らすことができる。このバランスをとっているのが自律神経の役割。

例えば仕事の緊張状態(ストレス状態)が強くずっと続いたり、悪化した人間関係の中に長期間晒されたりすると、反動的に過剰な飲酒や、無気力に状態に陥ったり。強い交感神経優位状態は反動で強い副交感神経優位状態の揺り戻しを誘発します。これが続くと自律神経のバランス調整機能に不具合が発生して、何にでも強く反応してしまったり、逆に反応しない自律神経失調症と言われる状態に陥ります。鬱やパニック障害などもこの状態の一つの例。自律神経が免疫機能を制御できなくなって起きると言われるアレルギーなどもこの状態に当てはまります。

社会の変化にも垣間見える自律神経のはたらき

これを国や社会に当てはめてみましょう。東日本大震災の津波と原発爆発による放射能汚染の恐怖。それに続く物資窮乏や停電などのパニック状態。これらにより人々は交感神経を優位にして緊張させました。それに対して、自衛隊の献身的な活動やアメリカ軍によるトモダチ作戦などの英雄譚。震災直後の我が身を犠牲にしての一般の方々の行動などの感動的逸話。これらは副交感神経を優位にして人々に落ち着きを取り戻させたのを覚えているでしょうか。
戦後からそれまで比較的平穏に暮らしてきた我々の社会が突然極度の緊張状態を強いられたあの日。ヘイトスピーチやその後に続く数々の自然災害、ISなどのテロの脅威などなど、社会は断続的にこれまで経験のないような緊張状態を経験するようになります。
「想定外」「歴史的」の連発。それに対して「感動ポルノ」や「ニッポンスゴイ!」をもてはやす風潮が蔓延したのはその反動だったといえば納得です。
国や社会も最小構成単位は人です。自律神経が働く人なのです。大きな影響力のある事象はその社会に生きている全ての人の自律神経に影響を与え、それは社会の自律神経となって人々の行動に影響を与えます。
今回の新型コロナウィルスの出現を待つまでもなく、現代日本社会は極端な交感神経優位状態とその反動による極端な副交感神経優位状態にさらされ続けていたのです。これでは人も、その集合体である国や社会も自律神経の働きが不全になり、免疫力も低下してしまいますね。

社会の免疫力とは

国や社会の免疫力とはなんでしょう。
恐らくそれは人々の思考力、批判力、想像力なのではないでしょうか。
これらが欠けてしまえば、先の世界大戦のような異常事態への抵抗力がなくなり、大変な悲劇を巻き起こしてしまう。
今の状況はどうでしょうか。世界的なロックダウン。それに追随して補償なき自粛に走る日本。そしてそれを盲信する国民。あなたは冷静に状況を判断していますか?

人は自律神経を整えることで、免疫が強化され、病気にならない、ウィルスにも負けない健康な生活が送れることはすでにいくつもの専門機関、複数の専門家から発信されている通りです。

社会の免疫力を整えるには

これまでの社会の交感神経と副交感神経の極端な相互反動はほとんどがマスメディアやインターネット上で垂れ流される情報の影響が強いと考えています。
テレビでは視聴率を気にした情報操作が行われているようにも見えるし、インターネット上では自分に都合の良い、気持ちの良い情報だけを目の当たりにするように仕組まれているようです。

環境に体が左右されて様々な悪影響が出てしまうのは自律神経のバランスをとる力が弱って免疫がうまく働かないから。花粉症や様々なアレルギー、鬱などがそれにあたります。自律神経が正しく働く人は同じ環境でもそれらにはなりません。自律神経を整えるためには日頃からの習慣がものを言います。正しい姿勢や食事と、規則正しい生活リズムもとても重要だと言います。
国や社会が極端な状況に陥ろうと、我々は冷静に、いつも通り、朝起きて活動し、お腹が空いたら食事をし、友人とコミュニケーションをとって、夜はしっかりと睡眠をとる。我々一人一人が情報に踊らされ、右往左往すれば、国や社会の自律神経は乱れ、いつのまにか次なる悲劇に巻き込まれてしまうことでしょう。

さぁ、普通に生活するためには何をすれば良いのか、普通の生活とはなんだったのか、今だからこそ考えてみませんか?

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