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ミライのキャリア#2 「パーソナリティのキャリア」

【えりな】
はい、今回は第二回、ということで、前回は何しゃべったんでしたっけ?w

【Caol】
前回は、キャリアって何?という話からキャリア形成に役立つ心理学のトピック「運」と「自己を知ること」について話をしました。

【えりな】
そうでしたそうでした。
それで今回は、キャリアについて語る三人のキャリアはどんなの?という話ができたらいいなあ、と思います!そもそも人のキャリアがどうだ、ってことを語る前に、お前たちのキャリアはどんなやねん、ってことを暴露していく回、ということでいいでしょうか?かおる先生。

【Caol】
はいそうです。3人ともずっと同じ仕事ではなく変わって、そのたびに決断があって参考になるといいなあ、と思います。

【ホリデー】
なりますかねえw

【えりな】
なるんですかねえw
ではまずはこの番組の言い出しっぺのかおる先生から暴露してもらいましょう!
かおるせんせいお願いします〜!

(1)Caolのキャリア〜研究者を目指す学生から官僚、そして臨床心理士へ

【Caol】
私の話に入る前にちょっとお話ししたいことがあるんですけど、
 エリクソンの生涯発達理論というものがあって人の生涯は、8つのライフサイクルに分かれる。12歳という年は、人の発達の上でポイントになる年。児童期という子どもの時期が終わる。発達段階としては青年期に入って、アイデンティティという自分とは何かを考え始めたり、遠い将来のことを考え始めたりする。ちょうどこの時、小学校の卒業文集とか、将来の夢を卒業アルバムに書いたりする。仕事で関わっている子の文書を見てもけっこう将来像を当てていて面白い。具体的なところは見えていなくても方向性は見えていて、だいたいその方向に行く。

【ホリデー】
で、かおる先生は?

【Caol】
 学者、研究者になりたい、と書いてあった。しかも文系。

【ホリデー】
まじすか!エリクソンさんのいう通りじゃないですかw

【Caol】
ま、そのおかげで高校とか大学その後の大学院に行くということも全く迷わずに進んで行けたわけですよね。その大学院の時に転機が来て、なんと私、研究者の才能がなかった 。

【えりな】
へ〜!!
研究者の才能って、なんですか!?
研究者の才能がない、ってなんでわかるんですか!?

【Caol】
実は研究者は、すごくクリエイティブの仕事だってことに大学院で気付かされて、なんかまだわからないもの、例えばあるものとあるものの関係があるとか、結びつくとかいうのは、なんかデータを積み上げていってそうだったと分かるんじゃなくて、これとこれは関係があるんじゃないかっていう風に見る力、仮説を作る力っていうのが、最初に必要だなぁと思っていて、そういう能力が全くなかった。

【ホリデー】
研究者って、アーティスティックなんですね。

【Caol】
そう。論文書くのでもまずアイデアがなきゃいけないんだ。それを出せ、と言われて、私にはでなかった。

【えりな】
そうなんだ〜〜。そう言われるとそうなのかも。

【Caol】
余談だけれども、のちに私を研究してでた論文が2つあり、自分では研究論文を書かないが、研究される対象になっている。先月もう1つ調査されて3つになる予定。

【えりな】
なにそれ〜〜!自分が研究対象になるって、どんな気持ちなんですか!?

【Caol】
なんか、こんな私でも世の中のお役に立てるなら、って気持ちですねw
あと偉い学者は自分で論文を書かない、ソシュールという言語学者という人がそうで、自分の言ったこと、行ったことが学説になる、という気持ちもあります。

【ホリデー】
歩く学説。ってことですね。
そっちの方が凄そうですねw

【Caol】
大分脱線しました、話を戻すと、
心理学を選んでいたおかげで、心理学には臨床があるじゃないか、というのに大学院で気づいた。

【ホリデー】
心理学に臨床があるってのがちょっとよく分からない。そこ詳しく教えてもらって良いですか。

【Caol】
メンタルな問題を抱えている人の相談、治療(ケア)ということを扱う分野があって、それまで基礎とか実験と言われている心理学の分野、それは、新たなアイディア、新たな理論を出すのだ、っていう分野にいたので、そこら辺全く気付いてなかったんですけども、実際の人を相手にして、その人をケアするという分野があり、今まで学んだこともちゃんと役に立つんじゃないかいっていうことに、院の時に気づく。

【えりな】
直接人をケアするのか臨床なんですね。

【Caol】
そうですね。メンタルとはどんなものか、脳の働きとは何か、ということを一生懸命研究するのが、実験とか基礎心理と呼ばれる分野ですね 。
ただ、まだ未練があるので、大学院を終わる時に、非常勤の学校の先生をいくつか掛け持ちで仕事をしていて、そこで出会ったのがホリデーさんだったりするわけですけど。

【ホリデー】
美術大学を目指す時に予備校に行ったんで、そこでかおる先生が小論文の先生としておりまして。小論文の書き方だけじゃなくお酒の飲み方アニメの見方とかいろんなことを学んだ。

【Caol】
その頃はなんかちょっと先の見通しが立ってなかったんですけれども、大学院の同級生からの誘いで法務省という、途端に固いところ行きましたが、法務技官という名前がついている心理職で、そこに行った後に、今度は千葉県の児童相談所の心理判定員という仕事、これも心理職で、国家公務員と地方公務員をフルタイムで両方やっていました。その後、千葉県のスクールカウンセラーとなって現在に至る、というわけです。

【ホリデー】
僕に小論文を教えたかと思ったら、いつの間にか国家公務員になってたり、かおる先生のキャリアにもいろんな紆余曲折があるもんですねえ。

【Caol】
そうそう、まず狙って地方公務員と国家公務員になったわけではない。多分に運。ただ、チャンス、と思える選択肢が現れた時に、「どっちがいい?」と判断する基準が自分にはあったであろうこと。それは自分の価値観がそれなりに分かっていた、自覚的だったのかな、と思う。

【えりな】
で、ホリデーさんは?

(2)ホリデーのキャリア〜転機になった父の言葉、そしてポンデライオンの父へ

【ホリデー】
僕はですね。宮崎県の片田舎のところで育ったんですけど、小さい頃からどこのクラスにも一人はいる落書きキングみたいな存在でした。ノートの端とかテストの裏とか、授業の合間に絵を描くのが上手な子ですねw

【Caol】
いいですね。12歳の卒業文集だったらイラストレーターとか漫画家とか書きそうですね。

【ホリデー】
で、正直高校生になっても将来のことなんか全然考えもしなかったし、なんなら先生から「大学に入ったらいくらでも遊べるんだから、今は脇目も降らずに勉強しろ〜!」みたいなことを言われてたんですよね。

でも、高校2年の時に、急に進路希望調査みたいな紙が配られて「どんな進路にしたいか書け」って言われたんですよ!え、こないだなんも考えずにひたすら勉強しろって言ってなかったっけ?って、めっちゃ頭にきたのを覚えてます。

【えりな】めっちゃわかる!学校ってそこ無茶ぶりですよね!


【ホリデー】
かといって、将来のことを考えるための情報って、全然与えてもらってなかったから、いきなりそんなこと言われてもさっぱりわからないわけですよ。

そこで、私、考えました。

「将来どうなりたいか」がわからないんだったら、「今やりたいこと」で大学決めたらいいんじゃね?ってwそうしたら、自然と「美大を目指す」って発想が頭をよぎって、めっちゃワクワクしましたね!

【えりな】
絵+進学、美大だ!

【ホリデー】
だって、美大を目指すための勉強って絵を描くことだから、補講とか受けなくていいんですよ!!

【えりな】
そこ!?

【ホリデー】
将来のことも、仕事のこともさっぱりよくわからないけど、「デザイン」を仕事にする、って言い訳で目指す大学を決めたんですよ。でも、美大に入るってのも結構大変で、落書きキングとしての能力と、美大に入るための絵の力、ってのは、またちょっと違ったりするんですよね。

それで、高校3年生の時に東京の美術予備校に夏期講習に行ったんです。そこでデッサンの講習を受けたんですけど、周りの学生たちに全く歯が立たない自分に気づくわけです。レベルが全然違った。


流石に東京の美大には入れない、とわかり、自分のレベルでも合う地方の美大に行こうと思ったんですが、

なんと、ここで父親が「デザインするなら東京に行け」って言ってくれたんですよ〜!父親曰く、「東京と地方じゃ全然情報の量が違う。デザインという職業はそういうところに敏感でないとダメだと思うから、ほんとにデザインやりたいんだったら東京に行った方がいい。」って言ってくれたんです〜。そこで、浪人までして東京の美大に受かる力をつけました。そこでかおる先生にはなりました!

【Caol】
いいですね。知恵ある大人から重要な判断基準をもらったのですね。

【ホリデー】
そうなんですよ。自分のキャリアを考えたときに、あの時の父の言葉は、相当大きく自分の人生を決めてくれてるなあ、と思いますし、親になった自分として、そんなことを我が子に言ってくれる父、かっけえ、と思います。


で、美大を卒業した後は、大手の広告代理店に入社して、アートディレクター、クリエイティブディレクター、として寝る間も惜しんでデザインしてました。

【えりな】
へ〜。どんな仕事してたんですか?

【ホリデー】
ミスタードーナツのポンデライオン、て知ってます?

【えりな】
知ってます!グッズ集めてました。

【ホリデー】
あれ、僕作りましたw

【えりな】
うそ!え、産みの親!?ホリデーさん産みの親なの!?

【ホリデー】
そうなんですよ。
あと、スシロー、行ったことあります??

【えりな】
ありますよ〜!もちろん!

【ホリデー】
あれのロゴ、僕作ってます。

【えりな】
あれも!?色々やってるんですねえ。すごい人だ

【ホリデー】
自由に色々仕事させてもらいましたねえ、で、その広告代理店も辞めて、自分のデザイン事務所を立ち上げて、結局今でもデザインやってます!

【えりな】
社長さんになったわけだ

【ホリデー】
はい。ほんとはなるつもりなかったんですが、まあ色々ありまして。その辺はまた今度w

【Caol】
ホリデーさんは意識してないようですが、12歳のころから、やりたいことがはっきりしていてその方向に進んだ、と言えますよね。

【ホリデー】
ほんまや!!!エリクソンさんのいう通りや!!なんか悔しいw

【Caol】
しかもその途中で偶然良い出会いがあったり、知恵ある大人のサジェスチョンがあった。

で、えりなさんは??

(3)えりなのキャリア〜日本初のパブリックスピーカー

【えりな】
そうですね私もあのホリデイさんと同じように、予備校でデッサンとか習って、美術と言うか芸術の大学を出ました。でも分野は全然違います。中学生の頃から将来自分は何かになりたいっていうのがはっきりしていて、その頃から言葉と声に関わる仕事がしたいなっていう風に思っていました。声優さんや役者さん、あとは小説家になりたいとか思っていました。

【ホリデー】
へ〜〜!すごい!
何も考えてなかった僕と全然違うw

【えりな】
私はすごい田舎、南房総の出身なんですけども、小さいお芝居教室
でお芝居をしたりしていました。舞台美術って分かりますかね?背景とか大道具を舞台美術って言うんですけど、その芝居教室で、舞台美術を作り出したんですよね。そしたら演技よりそれがほか面白くて、演劇の美術を学べる大学に入ったんですよ。演技もしていましたけどね。

【ホリデー】
裏方の方が面白い、ってなるのも面白いなあ。

【えりな】
そうなんですよ。
4年間大学終わって大手の映像制作会社に入社してそこで美術として働いていました 。

【ホリデー】
大学で学んだことが生きる職業だね。

【えりな】
私珍しいかもしれないんですけど、就職活動が楽しくて仕方なかったんですよ。もう100社以上受けたんですよ。

【ホリデー】
え〜〜!すごい量!!僕、3社ですよw
しかもそれが楽しい、ってのがすごい!

【Caol】
私は1社も受けていない。

【ホリデー】
それもすごいw

【えりな】
アナウンサー受けて受かったり。地方局でしたが。

【ホリデー】
まじで!!すごいやん!
えりなちゃんが女子アナの世界線が存在してたってことなんだ!おもしろ〜!

【えりな】
でも結局美術のお仕事をするために映像製作会社に入りました。ここから元気にバリバリ働くはずが、ちょっと体壊しちゃって、入社して1年ぐらいで辞めることになってしまって。

【ホリデー】
制作の現場ってほんとハードだもんねえ。

【えりな】
今はまぁ元気です。その時にあの思い出したのが中学の時に思った自分は言葉と声の仕事がやりたいっていうことなんですよね 。

【ホリデー】
へ〜!そこをちゃんと思い出せたんだ。

【えりな】
高校の時に先生に誘われてスピーチの大会に出たんですよ。千葉県ってスピーチとか弁論とかってすごい強い地域なんですけど、素人で県大会で準優勝したりして、それがまあ楽しかったことを思い出しました。まずは25までにスピーチの日本一になろうと決意。今は日本2位です。

【ホリデー】
え、今さらっと言ったけど、決意して、日本2位ってすごくね??、えりな、恐ろしい子。。

【えりな】
そこから今はそのスピーチの仕事だったりだとか、喋り方とかを、皆さんにお教えするボイストレーナーも仕事してます。

【Caol】
ちゃんと12歳の時に思ったことに回帰している。

【ホリデー】
でた、エリクソンの法則www

【えりな】
そうですね。今職業にしてるスピーチって、12才のときに思ってた、言葉と声の仕事のまさにそれなんですよ。ただし、スピーチの仕事なんて日本になかった。だから作ってます。

【ホリデー】
いや、まじですごい。
ない仕事を作る、ってほんとすごすぎる。

ボイストレーナーは想像がつきますが、スピーチで身を立てていくみたいな事ってちょっと想像しにくい。そういうところにチャレンジするって、勇気が半端ないよなあ。僕はそこまでチャレンジャーになれないw

【えりな】
いや~、逆にチャンスと思って。スピーチをすることでお仕事しているって言う人は自分以外聞いたことはないですからね。

【ホリデー】
まさに先駆者だ。ファーストペンギンってやつですね!

いやあ、三人それぞれ、キャリアもそれぞれですねえ。

【Caol】
そうなんです。で、この3人のキャリアを足すと、公務員全てと大企業、中小企業で働き、国家資格を持った仕事をして、起業して会社をやったり、個人でアーティスティックな仕事をしている、とほぼ全てが網羅できているのではないかと。

【ホリデー・えりな】
確かに〜。

【えりな】
案外知らなかったことも多くて楽しかったですね!次回は、「キャリア・アンカー」についてお話しします。

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