クリエイティブ内製化で、1週間の制作工数が1〜2時間に大幅短縮!ベネッセコーポレーション | Udemyが実践するCanva活用術とは
近年ビジネスの世界で注目を集めている言葉、リスキリング。そんな社会人の学び直しやスキルアップを支援するのが、ベネッセコーポレーション|Udemyです。
Udemyは、世界6400万人以上の人が学びの場として利用するオンライン学習プラットフォーム。ベネッセコーポレーションは米国Udemy社と業務提携し、2015年に日本でのサービスを開始しました。
Udemyでは、SNS投稿のクリエイティブを内製化するためにCanvaを導入。これまで外注していたクリエイティブ制作を、社内のマーケティングチームが自ら行う体制に変えることで、業務効率を劇的に改善しました。
今回は、ベネッセコーポレーションにてUdemyのマーケティングを担当する、兵藤さんと瀧澤さんに、Canvaの活用術について詳しくお話を伺いました。
<今回お話を伺った方>
世界中の学びたい人と教えたい人をつなげる、オンライン学習プラットフォーム「Udemy」
ーー現在ご所属している部署と役職、そしてお仕事の内容を教えてください。
兵藤さん(以下敬称略):株式会社ベネッセコーポレーション 社会人教育事業本部マーケティング課で、Udemyのマーケティングを担当している兵藤と申します。
新卒採用でベネッセに入社後、2020年の4月にUdemyの部署に移り、Udemyを担当して今年で4年目になります。現在は、Udemyの数ある市場の中でも「個人市場」を担当しており、個人市場の売上達成や会員数の増加にコミットして、マーケティング戦略を立てることをメインの業務としています。
瀧澤さん(以下敬称略):兵藤と同じ部署・チームに所属して、Udemyの公式SNSの運用を担当している瀧澤と申します。具体的には、InstagramやX(旧Twitter)を中心に運用を行っており、noteの記事制作も担当しています。最近ではメールマーケティングも、業務の一部として担当しています。
私が今のチームに入社したのは、ちょうど1年ぐらい前で、前職は広告代理店でした。フリーランスの期間を挟んでから、ベネッセに入社しました。
ーーUdemyとは、具体的にどのようなサービスですか?
兵藤:Udemyは、米国サンフランシスコに本社を置く、米国法人Udemy, Inc.が運営するオンライン学習プラットフォームです。Udemyでは、世界6,400万人以上の人が学びの場として利用しており、世界中の学びたい人(受講生)と教えたい人(講師)をオンラインでつなげています。
法人向けの「Udemy Business」も展開しており、Udemyで公開されている21万以上の講座の中から厳選された日本語の講座を、サブスクリプションで視聴できます。現在、日経225の60%以上の企業様にご導入いただいています。(※2023年6月末時点)
ベネッセとUdemyの関係性についてですが、ベネッセが一生涯の学びを通して社会と人々の人生が豊かになるよう、社会人の学びを支援しており、米国Udemy社とは日本における独占的業務提携を2015年から結んでいます。
私たちの上長である菊井が、社内の新規提案制度を利用して「Udemy」とのパートナーシップを提案したことから、独占的業務提携に繋がりました。
50年を超える歴史がある進研ゼミなど、他のベネッセが提供するサービスと比べて、Udemyはまだまだ新規サービスという位置付けではありますが、日本での会員数を毎年大きく伸ばしています。
ーーもともとUdemyは海外のプラットフォームということですが、日本語のコンテンツを強化するために、どのような取り組みを行なっていますか?
兵藤:Udemyで講師になる方の多くは、もともとUdemyの受講生です。何かを学びたくてUdemyを利用している間に、自分も何かを教えたいと思って講師になる方が多くいらっしゃいます。人に教えることで、自分の学びを深めることができるとよく言いますよね。
日本でもUdemyで講師になっていただく方を増やすために、公式noteでUdemy講師の方へのインタビュー記事を発信するなどして、「教えたい」方が安心して講師になれるような環境づくりに注力しています。
ーー現在Udemyにて、力を入れている事業やプロダクトはありますか?
兵藤:私たちのチームは個人向け市場をメインで担当していますが、他にも法人向け、大学や行政の領域にもサービスを展開しています。個人や法人関係なく、スキルアップしたいすべての方々を全般的に支援しています。
UdemyがC2Cプラットフォームという特性上、市場のトレンドがサービスにそのまま反映されることが多いですね。そのトレンドを逃さず、必要な人にその講座を届けることが重要だと思っています。
最近だと、ChatGPTが一気に話題になり、SNSでChatGPTについて見ない日はないのではと思うほどだったかと思います。その頃から、ChatGPTをはじめAIツールや技術を学びたいという需要が加速しています。Udemy内でも、AIについて検索する人、AI関連講座を受講している人が増えています。
私たちマーケティングチームとして、こういった市場トレンドを逃さないで、最新情報を求めている方々に講座をおすすめしたり、まだ自分には遠いなと感じていらっしゃる方にも、新しいスキルとして興味を持っていただけるようなプロモーションを行っています。
瀧澤:ChatGPT関連ですと、リスキリングをテーマにした人生の特別講義を提供するイベント「Climbers(クライマーズ)」にて、ChatGPTの最新情報を発信することもありましたね。
その発信内容を、Udemyで無料講座として提供したのですが、その講座のサムネイルやプロモーション動画編集にCanvaを使いました!
事業を拡大する上で感じていた、クリエイティブ制作課題
ーーCanvaを導入する前は、どのようなデザイン課題を抱えていましたか?Canvaを導入した理由やきっかけについて教えてください。
兵藤:Udemy本社では、統一性をもたせたクリエイティブ制作を徹底しています。そのクオリティに合わせるよう、私たちもデザインに関しては、外部の制作会社に依頼していました。
ただ、外部に発注する際、ブランドガイドラインが英語だったためディレクションが難しかったり、本社とのやり取りに手間がかかったりして、クリエイティブ制作に工数がかかっていました。
特に当初は、ベネッセチームのメンバーが3、4人と少人数だったこともあり、リソース的に限界があり、クリエイティブにそこまで時間をかけられない状態でした。今後、事業を大きくする上で、このデザインへの課題はどこかで大きな障壁になるのではと感じていました。
そんな中、本社のSNSチームがCanvaを使っていたことを知り、私たちもCanvaを導入することになりました。本社のCanvaアカウントでは、すでにブランドキット(企業のロゴ・フォント・カラーを登録していつでも使える状態にできる機能)が設定されていたので、私たちもすぐにCanvaでデザイン作りを始められる環境が整っていました。
特に、日本でも公式SNSをローンチさせるタイミングになって、日本独自でクオリティの高いクリエイティブがさらに必要になったこともあり、Canvaのような自分たちでデザインができるツールは大きな助けになりました。
最初は、Instagramの投稿を作るためだけにCanvaを使う予定だったのですが、統一感も出しやすくクオリティも担保できると感じたので、自然と他のチャネルのクリエイティブもCanvaで作るようになりましたね。
デザインが得意な人がベースとなるデザインを作れば、他のメンバーがそれぞれのチャネルに合わせてクリエイティブを簡単に作れるというところに惹かれました。
さらに、作ったデザインが、クラウドに自動で保存されるのでストレスフリーです。コメントで修正箇所を伝えるだけなので、コミュニケーションの簡略化にも役立って、効率化も促進されました。今では、私たちのチーム7人ほぼ全員がCanvaを使っています。
ーーCanvaを導入する前と後では、普段の業務にはどのような変化がありましたか?
瀧澤:Canva導入前では、例えば記事のサムネイル画像を作るだけでも、外部の代理店に依頼をする必要がありました。訴求をクイックにテストしたい時も、これまでであれば外部の代理店に依頼しないといけなかったのが、今ではCanvaで自分で数時間で作れます。
最近では、SNSだとInstagramのフィード投稿の画像はもちろん、X(旧Twitter)やnoteなど他のチャネルの画像もCanvaで作っています。同じコンテンツでも、Canvaのマジックリサイズ機能を使うことで瞬時にサイズを変えて作り直せるので、他のチャネルに展開しやすく、コンテンツを量産したいときに大変役立っています。
ベースとなるデザインを私が作って、Udemy本社からデザインの承認を得たあとに、そのデザインをテンプレートとして社内で展開しています。
講座紹介コンテンツであれば、テンプレートを1つ作ってしまえば、講座の写真とタイトルを入れ替えるだけであっという間にクリエイティブができあがるので、時間短縮に大きくつながっています。
クリエイティブ内製化で、1週間の制作工数が1〜2時間に大幅短縮!外注コストがゼロになる月も
ーーCanvaを導入することで具体的にどのようなインパクトや成果がありましたか?
兵藤:これまでであれば、外部の制作会社様に依頼すると、ラフの作成から納品までにどんなに早くても1週間はかかります。しかし、今はCanvaを使うことでその工程を1〜2時間に短縮できるようになりました。
その1〜2時間はデザインを作る作業よりも、コンテンツや訴求を考える企画に時間をかけることがメインです。内容が決まってしまえば、そのテキストを入れるだけでクリエイティブが出来上がるので、制作工数はだいぶ少なくなりました。あと、外注コストも、月によっては完全ゼロな月もあります。
瀧澤:そうですね。画像付きの投稿であれば、月に数十本は作っていると思います。セール期間には1日に3〜4投稿することがありますが、とにかくCanvaがあればクリエイティブの大量生産があっという間にできます。
ーーCanvaを使う上で重宝している機能や、Canvaのおすすめな使い方があれば教えてください。
瀧澤:前述した通り、ベースを作ってしまえば、テンプレートとしてチーム内でデザインを使いまわせられるのは良いですね。新しいクリエイティブが必要になっても、私が作る必要がなく、他の人が過去のベースをもとにデザインを編集して、クリエイティブを制作できます。
フォルダに過去のデザインを保存しているので、過去のキャンペーンや記事のサムネデザインを各自でとってきて、それを元に作り直しています。スプレッドシートなどで管理するよりも、Canvaのフォルダだけで過去のデザインを共有できるのは便利です。
あと、写真を丸や四角に切り抜いたデザインを作ることがあるのですが、その時にCanvaのフレーム機能をよく活用しています。フレームに合わせて写真をドラッグ&ドロップするだけで、自動で写真がフレームに入る機能は重宝しています。
兵藤:あと、Canvaの動画編集機能も便利ですね。無料講座のプロモーション動画を、今回初めてCanvaで作ってみたのですが、まさかCanvaで動画を編集できるとは思っていなくて驚きました。
秒数を指定するだけで動画を切り取ることができるので、これで動画も大量生産できるなとワクワクしています。これまで静止画だけでしかCanvaを使ってこなかったのですが、これからは動画編集の機能ももっと使っていきたいなと思います。
ウェブサイト上で使うプロモーション動画や、SNSで投稿する動画もCanvaで作りたいですね。
ーーSNS投稿デザインを作る上で便利だなと思う、Canvaの機能はありますか?
瀧澤:Canvaは、他のツールに比べて画像として書き出しやすいのが良いですよね。Canvaを使っているユーザーだと当たり前すぎて忘れがちだと思いますが、他のツールと比べると間違いなく便利です。
あと、記事に入れる表をCanvaで作るのもおすすめしたいです。作成した表をPNG画像として記事にアップロードできるので、高い解像度の表を挿入できます。
これまで他ツールで作った表の画像を、解像度が悪い状態でアップロードしていたので、Canvaを使い始めてからそういう悩みも解消されました。
兵藤:あとは、媒体の画像サイズを逐一調べなくてよくなったのも嬉しいです。1週間に1回ぐらい作っていないと「X(旧Twitter)投稿のサイズって何だっけ?」って忘れてしまいます。でもCanvaだと、それぞれの媒体にあわせてサイズを表示してくれるので、そこでのストレスがなくなりました。
一年前にnoteをローンチしたときも、サムネイルを全部Canvaで作りました。そのときにも、サイズがすでに決まっていたのですぐにデザインに取り掛かれました。
個人・チームでCanvaを活用するノウハウを社内外にも発信していきたい
ーー今後、どのようにCanvaを活用するご予定ですか?最後に一言お願いします。
瀧澤:SNSで投稿できるデザインは、ブランドガイドラインを守りつつ作る必要があるのですが、その中でもどのように見せ方を変えて効果的に情報を伝えるかが肝だと思っています。
Canvaにはテンプレートが豊富に揃っているので、テンプレートを見て、デザインの構成などを参考にしながら、新しい見せ方にも挑戦していきたいなと考えています。
兵藤:チーム内で使えるクリエイティブをチャネルごとにテンプレート化して、今よりさらにいつでも・誰でもクオリティの高いクリエイティブを作れるような環境をCanvaで整えていきたいです。
また、ここまで築き上げた個人とチームのクリエイティブ力をあげるノウハウを社内の別チーム・社外にも積極的に展開していきたいと考えており、今まさにCanva公式クリエイターのたなよしさんと講座を制作中です。
10月の講座公開を目指していますので、同じようにクリエイティブに課題を持っているすべてのかたにお役立ていただければ幸いです。
詳細は、タナヨシさんのX(旧Twitter)(https://twitter.com/omoiyarikobo)もしくはUdemy公式X(旧Twitter)(https://twitter.com/UdemyJapan)での情報発信をお待ちください!
追記:Canvaの公式講座がUdemyにてついに公開されました。無料で受講ができますのでぜひご覧ください。