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Canvaのデザイナーがnoteブランドの世界観をのぞいてみた【note x Canva対談最終回〜前編〜】

note x Canvaの中の人たちが聞きたいことを聞き合う対談企画の最終回。前回とは立場を交代して、今回はCanvaのデザイナーチームからnoteのデザイナーチームに聞きたいことを聞きまくる時間です!(たっぷりの内容となったため、前編・後編に分けてお届けします。)

前回の記事はこちら↓

この対談の登場人物

noteのデザインチーム
Canvaのデザインチーム

※ 記事内では敬称略で記載させていただきます。

川井田

川井田:事前にドキュメントでいただいている質問以外にも気になることがあれば、広げて答えていくのでバンバン聞いていただければと思います。もうドーンと来いです!

1. noteのブランディングで大切にしていることは?

うめ丸

うめ丸:これだけnoteさんが日本のユーザーに浸透していく中で、ブランディングとして大事にされていることってなんだろうと思いました。

川井田

川井田:noteって結構、細かいところにも面白い体験をいっぱい作っているんです。利益優先ではなくて、楽しい体験を提供するということも大事にしているんです。デザイナー発案のものもありますが、全社共通の意識としてあります。

特に、関わる人の認識を統一することを結構頑張っていて、社内外のnoteの世界観を統一しようとしています。特にデザイナーが中心になって取り組んでいますね。

全ての接触点でブランドを考えていこうというつもりでやっています。

今日この対談には、主に機能開発に関わるデザイナーを呼んでいるんですけど、前回インタビューに出てくれた井口なんかは外部発信に関わるデザインを担当するグラフィックデザイナーです。

また、この図は組織図ではなくあくまでデザイナーの業務の関係図で、全員で横断的に取り組んでいます。グラデーションのような感じなので、割合が変わるだけで、例えば機能開発系のデザイナーがSNS戦略を考えることもあります。

ちょうどさっき人物紹介の記事を書いたので、お見せしますね。それぞれの人物紹介を結構熱い文章で書いたので、もしよかったらぜひ読んでみてください。

デザインチームで、密にコミュニケーションを取ってすり合わせができているからできることも多いのかなと思います。

川井田:そして、一番大事にしているのはこれかもしれないです。

「かっこよくするより先に、サービスの意義や価値が現れるようにする。」
「noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。」

こういったミッションやバリューがユーザーにも伝わるように、かっこよくするより態度で示そう、という姿勢を大事にしていますね。

あとやっている社内の取り組みとして、noteらしさを人格で定義してみたり、ということもあります。

こういったミッションやバリューがユーザーにも伝わるように、かっこよくするより態度で示そう、という姿勢を大事にしていますね。

noteのミッションやバリューを伝えるデザイン例:

コメント前に攻撃的じゃないか確認してもらう「コメント前の一呼吸」
下書き画面のコメントを通じたユーザーとのコミュニケーション「こんばんは。今日もおつかれさまです。」

創作って楽しくないと続かないし、こういうのって考えるのも楽しいから、そういう楽しいことをできるデザインチームになったらいいなと思っています。

・ユーザーが創作を続けられるような体験サイクルを

川井田:ユーザーの体験が変にならないように、どういう体験のサイクルが良いのか考えたり、ということもします。

代表的なものが、植山さんとの対談でもちらっとご紹介したんですけど、noteの「おすすめ機能」ですね。これは、おすすめ機能を使えるハードルを敢えて高く設定することで、誹謗・中傷のようなネガティブな拡散が起こらないような体験サイクルの設計にして、創作を続けられるようにしています。

あと、これもミッション・バリューに通ずるところなんですが、noteって真っ白な画面に書き出す体験がイイと言われたりするので、noteのグッズも含めてできるだけシンプルにしようというようにしていますね。

こういったあたりでもnoteの世界観を作っているのかなという気がします。

・インクルーシブであることを追求したnoteの世界観

うめ丸

うめ丸:シンプルとかニュートラルってところがキーワードになっているんですね。

松下

松下:そうですね。なんでシンプルにしているかというと、note自体の個性や演出が立っちゃうと、そこに載る作品の方向性が固定されちゃうのではないか、という懸念が初めの頃からありまして。

noteのようなメディアプラットフォームは何が載っても受け入れられるようにしたいので。エッジが効きすぎたり、おしゃれすぎちゃうと、おしゃれなものしか居ちゃいけない場所みたいになっちゃうかなと。

シンプルさを重視したり、ホワイトスペースをとっていこうとしたりするのは、そういう思想があるような気がしていますね。

・バリューの社内共有術「noteさんだったら?」

うふ

うふ:デザイナー同士でそういった思想のすり合わせができているのがすごく良いなと思いました。先ほど川井田さんがおっしゃってた「人格を作る」っていうのがとても気になったんですが、それはどういう取り組みか伺えますか?

松下

松下:私と川井田さんが同じくらいに入社したんですけど、そのころは「noteってこういうブランドだよね」っていう漠然とした共通認識はあったけど、あまり言葉にしてみんなで共有し合えている状態は作れていない時でした。

そこで敢えてちょっと抽象的なサービスとしての振る舞いを表す言葉を作っておいて、その先が、デザインであろうと、コピーライティングであろうと、一緒に使えるようにしたいよね、と社内で話していて。

「振る舞い」を考えるなら...人格として考えるのが良いんじゃない?となって、「noteさんだったら?」という考え方が爆誕しました。

みんな:爆誕(笑)

川井田

川井田:そうだよね。例えば、クリスマスにサンタ帽をかぶる人なのかそうでないかで、行動指針は変わってくるよねっていうような話でした(笑)

松下:そうですね。その時は、今と比べてまだnoteを使ってる人が少なかったから、「カフェのオーナーだったり、バーテンダーなんじゃないか」「それはどんなテンションの人なんだろう」みたいな話をしていたような気がします。

noteは「創作の街」をイメージしてサービス設計をしているので、街の規模拡大にともなって「noteさん」という人格も変わってきているのかなという気はしているんですけど。

2. note社内外でのコミュニケーション哲学

こにたん

こにたん:社内でガッツリ全てが共通認識としてできているかというと、そうでもないかなとは思っていますが、明文化はできていないものの「何となく、このぐらいがイイんじゃないの」という大事にしている意識の共有はあるのかなと思いますね。

うふ

うふ:社内のコミュニケーションの量が多いから共通認識ができているという感じですか?

こにたん:どうなんだろう(笑)なんとなく、バイブスが合う人たちが集まっているからという感じもあるかもしれないです。

うめ丸

うめ丸:あ〜。それ大事かも。

松下

松下:でもなんかこう、何か記事を出したり、機能を出したりするときに、めちゃめちゃステークホルダーのチェックを通さないとダメという風にはあんまりしたくないと思っていて。

さっきこにたんが言ってた、「そんなに全てがうまくいっているわけではない」というのは、スピードとトレードオフにしている部分があるからかなとは思います。

だから...なんでしょうね。noteらしさ100点じゃないものでも一回出してみてフィードバックを受けて調整する、といったことで帳尻を合わせていくことは結構ある気がしていますね。

指摘を入れるのもコミュニケーションの一環になっていくといいのかなぁという気はします。

こにたん:ユーザー層は順調に増えていっているけど、まだガチガチに固めるほどのリソースもないし、それをするほどnoteはまだ大きくはなってないかなと。これから、どんどん仕組み化とかはされていくかもしれないですが、今はフレキシブルにやってます。

川井田:いやぁ〜、答えを聞いていて、今日二人を呼んでよかったなって思いました。

・noteとCanvaに共通する「遊び心」

松下

松下:そういえば、Canvaで書き出すときに出てくる偉人の言葉イイなって思ってました。

こにたん

こにたん:あれいいですよね。

松下:Canvaにもそういう「こういうのイイよね」っていう基準とかってありますか?

うめ丸

うめ丸:Canvaだと、自分の写真やイラストをアップするときに、アヒルが泳いでいてだんだん水が溜まっていくようなイラストが出たりするんです。

そういったCanvaの遊び心がある感覚の部分とかは、さっきnoteさんが話されていた「大事にしている」ことと、似ているなって思いました

松下:なんか、遊び心って考えるのは楽しいけど、どうしてもオプションみたいになっちゃうところがあるじゃないですか。

機能をちゃんと普通に作った段階で、一応合格ラインなんだけど、プラスでユーモアみたいなのを乗せていくのって、私も毎回できている訳じゃないなと思って、ちょっと反省してます。

そういうのが乗っている方が、なんていうか「らしさ」が出てきたり、「ちょっといいね」っていう感覚が生まれたりしますよね。ちょっとずつでも足していきたいなって思う反面、引き算と足し算のバランスも難しいですよね。

・ユーザーとのコミュニケーションを、もっと取りたい

こにたん:ゲームと違って、普通のサービスUIだとそもそもユーザーとコミュニケーションを取る機会が少ないなとは思っています。だからこそ、私は割と隙さえあれば、探り探り入れていこうとしています。

「ここなら一言、『お疲れさまです』って入れられるのでは!?」なんて思いながら(笑)。やっぱりユーザーともっと話したいな、とは思いますね。

うふ

うふ:いいですね。話したいなって。

こにたん:出してすぐ反応をみるというやり方も、ユーザーと一緒に作っていきたい気持ちが強いからなんです。

うめ丸:ユーザーの反応を見たり一緒に作っていく上で、ユーザーからのアンケートやインタビューを丁寧にやったり、お茶会にユーザーを招待するといったこともしているとおっしゃっていましたが、数字で反応を見たりということもしますか?

こにたん:Twitterやnoteの投稿とかは結構みてますね。noteのここが変わった、といった声が結構拾えるので見るようにしています。

うめ丸:こんな投稿が多い、こんな声が多い、といったデータも取られているんですか?

川井田:半年おきに「こんな投稿が多い」と言ったデータは取っているんですけどもっとペースは上げていきたいですね。

どこまで言っていいか分からないけど、CXOの深津さんは入社した当初は、前日に投稿された記事を毎日全部読んでたらしいです(笑)。

うふ&うめ丸:え〜〜〜っ!(笑)

川井田:今は物理的に無理だけど(笑)

松下:数字も確かに結構見てますね。投稿された記事をジャンルごとに分類する仕組みとかがあるんです。例えば、エッセイ書いている人多いね、だったり。

ただ、データはそれはそれで大事なんですけど、ブランディングとかの目線だと、表現は定性的で、結果は定量的なのかなという感じがするから、実際に生身の人に会ってみて話してみないと、何がツボなのかとかは中々把握しづらいなとは思ったりします。

川井田:「ここの機能はこうして欲しい!」とかいうフィードバックはかなり反映させているつもりです。あとはラジオで答えたりもしてますね。

(後編へ続く…)

次回はいよいよ最終回後編です。noteとCanvaがいろんなアイディア出しで盛り上がりますよ〜!お楽しみに!

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