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デザイン業務を効率化する、デザイナーの動き方とは。【Canva × エキサイト対談】

誰でも簡単にあらゆるデザインが作れるCanva(キャンバ)。最近ではデザイナーの業務効率化を目的としてCanvaを導入する企業が増えています。その企業の一つが、エキサイト株式会社です。

今回、エキサイト株式会社に訪問する機会があり、エキサイト株式会社でデザイナーを務める山崎凪紗さん、鍜治本碧さん、そしてCanvaデザイナーのHosimiとTakuの4人で、ざっくばらんに「デザインチームの動き方」について語り合いました。

それぞれの会社ではどのようにデザイン業務を行っているのでしょうか?業務効率化のヒントがたくさん詰まった対談となっています。ぜひご覧ください!

▽対談にご協力いただいた4人のデザイナーの方たち

山﨑 凪紗
エキサイト株式会社 メディア・プラットフォーム事業部 デザイナー
武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科を卒業後、2021年4月にエキサイトに新卒入社。入社後は研修期間を経て、メディア・プラットフォーム事業部にデザイナーとしてジョイン。20代女性向けメディア「LAURIER PRESS」や働くママ向けメディア「Woman.excite」を中心に、エキサイトが運営するメディアサービスやD2C事業のUIデザインやグラフィックデザインなど幅広く担当。

鍜治本 碧
エキサイト株式会社 SaaS・DX事業部 デザイナー
千葉工業大学大学院 工学研究科 デザイン科学専攻を卒業後、2021年4月にエキサイトに新卒入社。入社後は研修期間を経て、SaaS・DX事業部にデザイナーとしてジョイン。2021年6月にローンチした経営の意思決定をするための経営管理SaaS「KUROTEN.」やBtoB向け後払い決済・請求代行サービス「セゾンインボイス」のUIデザイン、グラフィックデザインを担当。社内技術組織の活性を目的とした、社内技術カンファレンスの運営にも携わる。

Hoshimi
Canva Japan クリエイティブリード
2017年のCanva日本ローンチ時にデザイナーとしてジョイン。ローカライゼーション強化戦略に伴い、2021年からクリエイティブリードとしてCanvaグローバルとの連携や日本デザインチームの制作ディレクションに携わる。

Taku
Canva Japan クリエイティブリード&デザイナー
Canvaのローカライゼーション強化戦略に伴い、2021年にデザイナーとしてCanva Japanにジョイン。現在はクリエイティブリードとしてCanvaグローバルとの連携や日本デザインチームの制作ディレクションに携わる。

世界中のデザインチームと一緒に動きながら、日本向けのテンプレートをつくる

山﨑さん(以下、敬称略):本日はよろしくお願いいたします。エキサイトとCanvaのデザイナー組織の動き方がテーマですが、Canvaさんではどのようなチームの動き方をされていますか?

Hoshimi:Canva Japanでは、私とTakuさんが日本のクリエイターズチームに所属しています。クリエイターズチームでは、英語テンプレートを日本向けにローカライズしたり、ゼロから新しい日本独自のテンプレートを作ったりしています。

Taku:現在、コピーライターが2名、デザイナーが4名でチームが構成されていますね。

Hoshimi:基本的にはCanvaグローバル全体で、各シーズン(四半期)ごとにどんなテンプレートを作っていくかを決めて動いています。色々な国に私たちのようなクリエイターズチームがあって、作っているものは違いますが、世界で一緒に作っている感じです

本社があるオーストラリアは夏なので、今はサマーシーズンなんです。「サマーシーズンはこのテーマにしよう」とTakuさんと話しながら決めています。この前のスプリングシーズンでは年賀状を作りました。

Taku:そうですね。シーズンごとに、日本で作るものやテーマを決めて、テンプレートを作っています。この前は送付状も作りましたね。

鍜治本さん(以下、敬称略):送付状ですか!日本のビジネス特有のテンプレートもあるんですね。これはめちゃくちゃ助かります。

Taku:マーケティングチームが検索ボリュームを見て、「こういうのがよく検索されているけれど日本独自のテンプレートがCanvaにないから作ってくれませんか?」といったリクエストを受けて作ることもあります。

チェックリストで品質管理。Canvaテンプレートができあがるまでのプロセス

山﨑:個人的に気になっていることなのですが、Canvaのテンプレートってどういう風に作られていますか?

作業画面もできれば見てみたいです!例えば、テンプレートにあるイラスト素材は、イラレで作ってそのまま書き出しているのかなと気になっていました。

Hoshimi:それでいうと、完全にCanvaの中にある素材だけを使ってテンプレートを作っています。テンプレート作成の流れとしては、全員リモートで働いているので、スプレッドシートですべて管理しています

デザイナーさんとコピーライターさんに制作を依頼する前に、私たちの方でまずリサーチを行っています。「今回はこんな年賀状を作ります。こういうところに気をつけてください」といった具体的な内容と、そのテンプレートを作る背景や目的、ターゲット層、実際に使われているデザイン例をリサーチしてまとめています。

そのリサーチ結果をもとに、日本ではどんな需要があるのか、どんなコピーライトがいいのか、というのをデザイナーさんとコピーライターさんが考えて作っています。

テンプレートを使う人の性別や使用用途(ビジネス向けなど)、あとデザインスタイル(和モダン、フラットデザイン、写真をメインにしたデザインなど)も、ドキュメントにまとめてからお渡ししています。

鍜治本:イメージボード的なものをいくつか作る感じなんですね。

Taku:そうです。「このテンプレートに関しては、こんなデザインスタイルで作ってください」というのを指定して、それを見てデザイナーさんが作っています。デザイナーさんはCanvaの中にある素材だけを使って、テンプレートを作ってくださっていますね。

山﨑:けっこう、日本独自のテイストで作られていると思うのですが、素材は日本独自の素材を作っている人が別にいるのでしょうか?

Hoshimi:日本のチームには作っている人はいなくて。素材を作っているチームが海外にあります。各国が欲しい素材をそのチームに依頼して追加してもらっています。

山﨑:素材は意外にも海外製だったんですね。テンプレートをデザイナーさんが制作したあとは、どのようにレビューを行っていますか?Canvaのコメント機能を使ったり?

Taku:そうです。あとチェックシートもあって、テンプレートを作るときにチェックシートを見ていますね

Hoshimi:レビュー側がチェックして大丈夫であればApprove(承認)にステータスを更新して、承認になったものからCanvaのテンプレートとして公開されるという流れですね。

鍜治本:スプレッドシートで管理した上で、さらに各テンプレートごとにチェックシートが分けられているのはすごいですね。

Hoshimi:かなりシステマチックですよね。Canvaのデザインの仕組みって。

Taku:そうそう。世界中のどこにいても同じ仕組みでデザインができるようになっているからいいですよね。日本人デザイナーの中には、フランスやノルウェーに住んでいる方もいます。

Hoshimi:そうなんです。クリエイターチームには、まだ実際にお会いしたことがない人が多いですね。もう2年くらい一緒にお仕事をしているのに(笑)

山﨑:なるほど。デザインのレビューも、ZoomやCanva内で完結するということですね。

Hoshimi:時差がある人もいるので、基本的にはSlackでコミュニケーションを取っています。みんな自由な時間にデザインしたりレビューをしたりしています。

様々なメディアのデザインを効率よく作成するために心がけていること

Hoshimi:エキサイトのデザイナーさんの動き方もぜひ聞きたいです。

山﨑:実は、私がメディア・プラットフォーム事業部に、鍜治本さんがSaaS・DX事業部に所属していて、別々のチームなんです。でも「デザイナーは組織で動かないと力を発揮しないよね」ということで、今は合同でミーティングをして動いています。

私はメディア担当なのですが、サービス数が多くあるにも関わらず、依頼する側もよく話すデザイナーさんに仕事を頼むことがあって、人によってタスクが偏るという問題がありました。

それで、あらかじめ「製作ヒアリングシート」(Googleフォーム)にビジネス職の方に記入してもらうリクエスト方式をとることにしました。フォームの回答が届いたらデザイナー全員で誰が担当するのかを話し合って決めています。誰がどんな仕事をしているのか見えるようになったので、業務の効率化も改善されました。

主にリクエストとしてあるのが、インスタグラムやTikTokのテンプレートですね。ウーマンエキサイトという漫画コンテンツを発信しているメディアがあるのですが、そのインスタグラムの投稿の表紙テンプレートを作っています。

最近は、複数の連載を同じ日に投稿することが増えてきたので、同じシリーズのものがわかるように色分けしたりナンバリングしたりすることで、続編がわかるようにしています。この表紙はすべてCanvaで作っています。

https://www.instagram.com/woman.excite.comic/

Taku:テキストや構成などを事前にもらってからデザインをすることが多いのですか?

山﨑:テキストは自分で考えることが多いですね。競合のコンテンツも調べたりして、「ここにナンバリングがあるとわかりやすいのでは?」と考えながら、デザインを作っています。自分の鍵アカウントで投稿して見栄えをチェックすることもあります(笑)

Hoshimi:そのテンプレートをビジネス側の方が使って更新していくという感じですか?

山﨑:そうです。今までだとデザイナーにその都度クリエイティブの依頼があったので、テンプレート化することでだいぶ仕事が楽になりました

Hoshimi:とても理想的なCanvaの使い方をしてくださっている!

山﨑:あと、ブランドキット機能も活用しています。各プロダクトごとにブランドカラーとロゴを登録しています。プロダクト数が多いのでとても役立っています。

これまでだと「ロゴをください」という依頼をビジネス側からいただくことも多かったのですが、今だとCanvaからすぐに取り出せるので、業務効率化に役立っています。社員の顔写真も入れておくと便利ですね。写真にその人の名前をタグ付けすることで、Canva上で検索してすぐに探せるようにしています。

誰でもサムネイルデザインが作れるようにテンプレートを制作

鍜治本:私はSaaS・DX事業部に所属していて、普段はBtoB向けプロダクトのUIを制作しています。あとウェビナー開催も多いので、そのサムネイル画像を作ることも多いです。最近はサムネイルのテンプレートをCanvaで作ったことで大きく業務効率化に繋がりました

定期的に行われるウェビナーのサムネイルテンプレートですね。私がテンプレートを事前に作っておいて、ビジネス側の担当者にCanvaで日付や背景の色を入れ替えてもらっています。以前まではデザイナーが毎回作り直していたのが、ビジネス側の人たちで作れるようになりました。

ウェビナーの登壇者の人数が変わったときのレイアウトもそれぞれ用意しています。タイトルを変えて人物の写真を変えるだけでよくなったので、私もゼロから作る必要がなくなって楽になりました。ビジネス側の人が自分で編集して、最後の調整だけを依頼されるようにもなり、大変助かっています。

最近は、ほとんどCanvaですべてのデザインを作っています。

Taku:たしかに毎回、一から作らなくていいのは楽ですよね。

鍜治本:そうなんです。これまでは写真などの素材を探すときも「あのフォルダのどこかに入ってたよな」と探さないといけないことが多くて。その度に「背景を消さないと」とだったり手間がかかっていたんですよね。

「目をめちゃくちゃ大きくしたい」といったリクエストがない限り、全部Canvaでできるのは助かりますね。そんなリクエストはほとんどないですけど(笑)

山﨑:あ、でもCanvaさんで肌をキレイにすることってできますよね!

Hoshimi:フェイスレタッチですね。歯も白くできます。

山﨑:私もCanvaで歯を白くしたことがあります(笑)

鍜治本:すごい、背景透過の機能だけでも大助かりなのに!スマートモックアップもよく使っています。

山﨑:私もスマートモックアップ使っています。私たちエキサイトのデザイナーとしての動き方というテーマだったのに、いつの間にかCanvaをこんなに活用していますという話になりましたね(笑)

Taku:たくさん使っていただけて嬉しいです。

鍜治本:それぐらいCanvaを導入してから生活に欠かせないというか、業務にがんじがらめで欠かせない存在になっています.

Hoshimi:なんだか私たちばっかりおいしい記事になっちゃいましたね(笑)

山﨑:Canvaさんのデザイナーさんがシステム化されている話だったり、チェックリストを使えばもっとクオリティを高められるかもといったヒントをいただけて参考になりました。

Taku:お互いに参考になるお話ばかりでした。


Canvaを通じてデザイナーとノンデザイナーの間の業務効率化を図っているというお話が大変印象的でした。

山﨑さん、鍜治本さんともにCanva愛がとても強く、Text to Image(AI画像生成機能)など、Canvaに新しい機能が実装されるたびに、社内でつかって話題にしてくださっているそうです!

対談にご協力いただいた両社のデザイナーの皆さま、そして最後までお読みいただいた皆さま、ありがとうございました。

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