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1つのクラスタで世界最高峰になるか?複数のクラスタで「ちょっとできる」を目指すか?

その道の世界最高峰・パイオニアを目指すということ

論文書いてた頃、「新しいことを発見し発信することが重要。その道の世界最高峰・パイオニアを目指すことが研究者に求められる」みたいなことを言われて育ってきた。
でも、所詮学生だし、そんなん無理やげ!(げは岐阜弁)と思った記憶もあるけどね。

けど後になって、重要なのは「世界最高峰やパイオニア」ではなく「その道」の方で、つまりジャンルを考えた場合、意外と可能であるということが判明した。

私が書いた論文は、結局パイオニアというほど新しいことは言えなかったんだけど、

「江戸時代の尾張藩の医者の階級」

という、非常にニッチなジャンルを攻めたものだった。
ちなみに今改めて書き出してみて、「いやこれでもまだジャンル相当広いげ…(げは岐阜弁)」と思ったほど。そりゃ新しいこと言えんし、それだけパイオニアになるって難しいことなのだ。

そう。

「その道の世界最高峰・パイオニア」というのは、「その道」が広いとなりづらい。だが逆に、道が狭ければ狭いほど、「世界最高峰・パイオニア」たりうるのである。
だから私も、

「江戸中期の尾張藩の医者の階級が名古屋などの都市部と農村部で何らかの差があったか」

くらい更にニッチなジャンルを攻めれば、もうちょっといい成績を残せたかもしれない。

複数のクラスタで「ちょっとできる」ということ

今回、ウェブショップを立ち上げたことで、「複数のクラスタにまたがった人生を送っている」ことの重要性をひしひしと感じている。

私が属しているクラスタは、いくつあるんだろ…いくつかあって、書き出してみます。

クラシック・現代音楽系の作曲・編曲
合唱
ガノタ(SD)
調査業
エクセル使い
文字書き
日本史

こんなもんか。
調査業と書きましたが、統計調査士は持ってないです。「ちょっとできる」だけなんで。

そう、この「ちょっとできる」は今回の論の中で非常に重要。
例えば、作曲や編曲も「ちょっとできる」だけだし、ガノタといっても「プロフェッショナルでそればっかり考えてるタイプ」ではない。エクセル使いについても私は関数しか使えないし、文字書いてお金もらってるわけでもない。合唱に至っては休業中状態。日本史なんか落第したしな。

だが。

クラシック系の人々の中に、エクセル関数使える&できたらマクロにも手を出してみたいなーなんて思ってる人、果たしてどれだけいるだろうか?
(※実は作曲系には一定数いる。プログラミングで曲書いたり、ソフトを使いこなしてリアルタイム電子音楽演奏したりする人々である)

ガノタ(SD)の中に、現代音楽を作曲できる人は果たしてどれだけいるだろうか?

いやもうこれ全部言っちゃうんですけど。

クラシック・現代音楽系の作曲・編曲ができて合唱にも理解があるガノタ(SD)で統計の考え方が少しでも分かるエクセル使い兼文字書き

なんて、世界に一人しかいないと断言できる。
そう、所属しているクラスタこそアイデンティティなのである。

あれ? 1つのクラスタの世界最高峰・パイオニアと、複数のクラスタで「ちょっとできる」って、結局は同じ意味なのでは?

そう。同じだと言える。
たとえば、先ほど例に出した

「江戸時代の尾張藩の医者の階級」

で考えてみる。
このジャンルは、ジャンルと言いつつ、複数のクラスタの複合体であると考えられる。

江戸時代クラスタ
尾張藩クラスタ
医者クラスタ
階級や身分クラスタ

これらのクラスタは、それぞれ全く違うものだ。
唯一尾張藩クラスタは江戸時代クラスタに含まれているかもしれないが、尾張藩と言いつつ中部・名古屋というエリアまで含まれている可能性を考えると、やはり微妙に重ならない部分が出てくる。
医者クラスタはもちろん日本史と縁の薄いクラスタ。
階級や身分クラスタは、どちらかというと社会学的クラスタだ。

私の書いた論文は、これら複数のクラスタの複合体であった。
もっとクラスタ選定にこだわれば、このジャンルのパイオニアになれたかもしれないのだ。
クラスタこそがアイデンティティなのである。

おわりに

だがね(名古屋弁では無い)。たとえクラスタ複合体によりアイデンティティを確立し、世界最高峰の人間になれたとしても、その目的がはっきりしていなければ何の意味も無いのだ。
「パイオニアに俺はなる!」で止まってはいけない。
パイオニアになって何をするかが重要なのだ。

あなたは、どのクラスタの複合体? そして、それを使って何をしますか?

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